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一章 その名はローズマリー
第26話 男爵家の陰謀
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「なに? あの小娘がローズマリーのオーナーだと!?」
息子のフレッドが屋敷に戻るなり、話があるのだと聞いてみれば、それは予想だにしなかった話の内容が飛び出した。
いま国中は生誕祭から始まった社交界シーズンに突入しており、我がアルター男爵家も例外なく拠点を一時王都に移し、来たるべく男爵家主催のパーティーのために準備中。
そんな中でドミニク商会のマリエラも一緒に連れて来たのだが、これが我儘し放題の困り者で、暇だと言っては屋敷を飛び出し、あれが欲しいと言われれば男爵家の金庫から金を出す始末。
もともと男爵家が抱えている借金を全て肩代わりする代わりに、マリエラとの婚約を認めたというのに、これでは溜まるどころか減る一方。
彼方にすれば貴族との繋がりが欲しく、こちらとしては借金を帳消しにできるというお互いの目論見があるのだが、当の本人はそんなことはお構いなしのやりたい放題。しかもこちらの方が立場的に弱いと知れば、結婚を脅しにフレッドを連れ回し無駄に金をばら撒く始末。
そんな時に聞かされた話がこれだった。
「それは本当なのか?」
「本当だよ。本人も言っていたし、近くにいた夫人も同じような事を言ってたらから間違いないよ」
ローズマリーという店の名と、経営する者の名がアリスだということは耳にしている。そもそも先日城で行われた社交界で、一番話題にあがっていたのがこれだったのだ。
その時はまさかあの騎士爵家のアリスだとは思いもしなかったが、フレッドが直接見たというのなら信憑性は非常に高い。
「ローズマリーと言えばあれでしょ? 今王都で人気だっていうお菓子屋。この前のお茶会でも話題に上がっていたわ」
「俄かには信じられんな。だがもし本当ならこれはチャンスかもしれん」
聞いた話では随分荒稼ぎをしているようだし、高位の貴族たちとも懇意にしているとも聞いているので、オーナーをしている人物自体の価値も非常高いと聞いている。
中には四大公爵家の一角が裏に付いているという眉唾物のうわさもあったり、王妃が王女を連れてこっそりお忍びで行ったりと、とても信じられない噂も耳にしたが、逆を言えばいま王都でもっとも高位貴族に近い平民と言われているぐらい、注目されている人物。
しかもそのオーナーが年頃の未婚の女性だということで、既に身内に取り込もうと動いている家も多数あるほどだ。もしそんな人物が知り合いにいると言うだけで、多くの貴族たちが羨むのではないだろうか。
「ファウスト、お前の見立てであの店の収益はどれほどだ?」
私は背後に控える執事のファウストに尋ねる。
「そうですね、まだオープンして2ヶ月余りと聞いておりますので、あくまで推測の域を越えないのですが、恐らく月で金貨500枚。もしかするとそれ以上かもしれません」
「なんだと!?」
金貨500枚と言えば我が男爵領の1ヶ月の収益とほぼ同額。勿論そこから人件費や材料費で純利益は下がるのだろうが、それでも決して見過ごせるような額でない。
「本当なのファウスト?」
「確証はございませんが随分配達の方にも力を入れていると聞いておりますし、店の方は連日満席だという話なので、恐らくそれぐらいはいくかと」
ファウストが我が屋敷に仕えるようになってそれほど経ってはいないが、その知恵で随分助けられているのは確かな事実。その大半が裏の方で知恵なのだが、以前に雇っていた執事に比べると、その能力と推察力はよほど信頼できるのではないだろうか。
まったくあのバカはあれほどよくしてやったと言うのに下手な正義感など出しおって、この私を訴えるだと? 今思い出しただけでも忌々しいわ。
「フレッド、どういう経緯であの小娘が店を持つに至ったか聞いているか?」
「それが守秘義務がどうだと言われて教えてくれないんだ」
ふむ、守秘義務と来たか。あの小娘もそれほどバカではないと言う事だろう。
だがこのままでは情報が足りなさすぎる。こちらから動くにしても騎士爵家とは疎遠になってしまっているし、何の準備もなければフレッドのようにあしらわれるだけ。
もし本当に公爵家が裏に隠れているならそう簡単には情報を漏らさないだろう。
「一つ聞くが、アリスと話しているときに公爵家の名前はでなかったか?」
「なんでそれを!?」
「出たのか!? それでどこの公爵家だ?」
「う、うん。たしかエンジニウム公爵家だったはず。あ、でもアリスが言ったんじゃなくて、呼びに来たメイドがこの後パーティーに行かなければって話してて」
「公爵家のパーティーだと!?」
確かにエンジニウム公爵家のパーティーは今日だった筈。
只でさせ公爵家のパーティーに呼ばれる事など無いと言うのに、それを貴族でもない店のオーナーが招待されるなど前代未聞。さすがにハッタリで公爵家の名前を出すとも思えないし、仕えるメイドごと気が嘘を口にするとは思えないので、恐らく招待されたというのは本当なのだろう。
それにもしあの店の裏に公爵家がいると考えれば、あの小娘がいきなり様変わりした理由も裏付けられる。
「ファウスト、あの小娘をこちらに取り込むいい考えはないか?」
正直小汚い小娘の事などどうでもいいが、あの店がもたらす収益と公爵家に繋がるコネクトは、みすみす見逃すわけにもいかないだろう。
「そうですね、まずは男爵家のパーティーに招待するというのは如何でしょうか? あちらも店を経営しているのでしたら貴族との繋がりは欲しいでしょうし、フレッド様に未だ未練があるようでしたら喜んで来るのではないでしょうか? そこで旦那様がアリス様を招待客に紹介されるのです。そうすれば同じように狙う家も警戒してくるでしょうし、こちらが懇意にしているとアピール出来れば牽制にもなります」
「なるほど、妙案だ」
フレッドの話ではあの小娘は未だ息子に未練があるようだし、貴族ではなくなった今では再び貴族に戻りたいとも思っているはず。
もしファウストが言う通りあの店の収益がそれほどの規模なら、マリエラを切り捨て小娘の方に乗り換えてもいいかもしれない。どうせ奪えるものだけ奪えば用済みになるわけだし、場合によっては側室として飼殺されても本人は貴族に戻れるのだから本望だろう。
いやまてよ、確かエンジニウム公爵家と言えばフレッドと同じ歳の娘がいたな。
跡継ぎの方は年下の息子がいたはずだし、アリスを利用して取り入ることが出来れば万が一という可能性も否定できない。これは立ち周り次第では一石二鳥が三鳥になる可能性も十分考えられる。
どうせダメでもあの店が手に入れられることはそう難しい事ではないだろう。
「いいだろう、すぐに招待状を送れ。それとあの店の事を徹底的に調べろ、特に懇意にしている貴族と裏で画策しているエンジニウム公爵家の事もだ。くれぐれも慎重に動け、エンジニウム公爵家気づかれては元も子もないからな」
「畏まりました」
ふふふ、ようやく私にもチャンスが回って来たようだ。
息子のフレッドが屋敷に戻るなり、話があるのだと聞いてみれば、それは予想だにしなかった話の内容が飛び出した。
いま国中は生誕祭から始まった社交界シーズンに突入しており、我がアルター男爵家も例外なく拠点を一時王都に移し、来たるべく男爵家主催のパーティーのために準備中。
そんな中でドミニク商会のマリエラも一緒に連れて来たのだが、これが我儘し放題の困り者で、暇だと言っては屋敷を飛び出し、あれが欲しいと言われれば男爵家の金庫から金を出す始末。
もともと男爵家が抱えている借金を全て肩代わりする代わりに、マリエラとの婚約を認めたというのに、これでは溜まるどころか減る一方。
彼方にすれば貴族との繋がりが欲しく、こちらとしては借金を帳消しにできるというお互いの目論見があるのだが、当の本人はそんなことはお構いなしのやりたい放題。しかもこちらの方が立場的に弱いと知れば、結婚を脅しにフレッドを連れ回し無駄に金をばら撒く始末。
そんな時に聞かされた話がこれだった。
「それは本当なのか?」
「本当だよ。本人も言っていたし、近くにいた夫人も同じような事を言ってたらから間違いないよ」
ローズマリーという店の名と、経営する者の名がアリスだということは耳にしている。そもそも先日城で行われた社交界で、一番話題にあがっていたのがこれだったのだ。
その時はまさかあの騎士爵家のアリスだとは思いもしなかったが、フレッドが直接見たというのなら信憑性は非常に高い。
「ローズマリーと言えばあれでしょ? 今王都で人気だっていうお菓子屋。この前のお茶会でも話題に上がっていたわ」
「俄かには信じられんな。だがもし本当ならこれはチャンスかもしれん」
聞いた話では随分荒稼ぎをしているようだし、高位の貴族たちとも懇意にしているとも聞いているので、オーナーをしている人物自体の価値も非常高いと聞いている。
中には四大公爵家の一角が裏に付いているという眉唾物のうわさもあったり、王妃が王女を連れてこっそりお忍びで行ったりと、とても信じられない噂も耳にしたが、逆を言えばいま王都でもっとも高位貴族に近い平民と言われているぐらい、注目されている人物。
しかもそのオーナーが年頃の未婚の女性だということで、既に身内に取り込もうと動いている家も多数あるほどだ。もしそんな人物が知り合いにいると言うだけで、多くの貴族たちが羨むのではないだろうか。
「ファウスト、お前の見立てであの店の収益はどれほどだ?」
私は背後に控える執事のファウストに尋ねる。
「そうですね、まだオープンして2ヶ月余りと聞いておりますので、あくまで推測の域を越えないのですが、恐らく月で金貨500枚。もしかするとそれ以上かもしれません」
「なんだと!?」
金貨500枚と言えば我が男爵領の1ヶ月の収益とほぼ同額。勿論そこから人件費や材料費で純利益は下がるのだろうが、それでも決して見過ごせるような額でない。
「本当なのファウスト?」
「確証はございませんが随分配達の方にも力を入れていると聞いておりますし、店の方は連日満席だという話なので、恐らくそれぐらいはいくかと」
ファウストが我が屋敷に仕えるようになってそれほど経ってはいないが、その知恵で随分助けられているのは確かな事実。その大半が裏の方で知恵なのだが、以前に雇っていた執事に比べると、その能力と推察力はよほど信頼できるのではないだろうか。
まったくあのバカはあれほどよくしてやったと言うのに下手な正義感など出しおって、この私を訴えるだと? 今思い出しただけでも忌々しいわ。
「フレッド、どういう経緯であの小娘が店を持つに至ったか聞いているか?」
「それが守秘義務がどうだと言われて教えてくれないんだ」
ふむ、守秘義務と来たか。あの小娘もそれほどバカではないと言う事だろう。
だがこのままでは情報が足りなさすぎる。こちらから動くにしても騎士爵家とは疎遠になってしまっているし、何の準備もなければフレッドのようにあしらわれるだけ。
もし本当に公爵家が裏に隠れているならそう簡単には情報を漏らさないだろう。
「一つ聞くが、アリスと話しているときに公爵家の名前はでなかったか?」
「なんでそれを!?」
「出たのか!? それでどこの公爵家だ?」
「う、うん。たしかエンジニウム公爵家だったはず。あ、でもアリスが言ったんじゃなくて、呼びに来たメイドがこの後パーティーに行かなければって話してて」
「公爵家のパーティーだと!?」
確かにエンジニウム公爵家のパーティーは今日だった筈。
只でさせ公爵家のパーティーに呼ばれる事など無いと言うのに、それを貴族でもない店のオーナーが招待されるなど前代未聞。さすがにハッタリで公爵家の名前を出すとも思えないし、仕えるメイドごと気が嘘を口にするとは思えないので、恐らく招待されたというのは本当なのだろう。
それにもしあの店の裏に公爵家がいると考えれば、あの小娘がいきなり様変わりした理由も裏付けられる。
「ファウスト、あの小娘をこちらに取り込むいい考えはないか?」
正直小汚い小娘の事などどうでもいいが、あの店がもたらす収益と公爵家に繋がるコネクトは、みすみす見逃すわけにもいかないだろう。
「そうですね、まずは男爵家のパーティーに招待するというのは如何でしょうか? あちらも店を経営しているのでしたら貴族との繋がりは欲しいでしょうし、フレッド様に未だ未練があるようでしたら喜んで来るのではないでしょうか? そこで旦那様がアリス様を招待客に紹介されるのです。そうすれば同じように狙う家も警戒してくるでしょうし、こちらが懇意にしているとアピール出来れば牽制にもなります」
「なるほど、妙案だ」
フレッドの話ではあの小娘は未だ息子に未練があるようだし、貴族ではなくなった今では再び貴族に戻りたいとも思っているはず。
もしファウストが言う通りあの店の収益がそれほどの規模なら、マリエラを切り捨て小娘の方に乗り換えてもいいかもしれない。どうせ奪えるものだけ奪えば用済みになるわけだし、場合によっては側室として飼殺されても本人は貴族に戻れるのだから本望だろう。
いやまてよ、確かエンジニウム公爵家と言えばフレッドと同じ歳の娘がいたな。
跡継ぎの方は年下の息子がいたはずだし、アリスを利用して取り入ることが出来れば万が一という可能性も否定できない。これは立ち周り次第では一石二鳥が三鳥になる可能性も十分考えられる。
どうせダメでもあの店が手に入れられることはそう難しい事ではないだろう。
「いいだろう、すぐに招待状を送れ。それとあの店の事を徹底的に調べろ、特に懇意にしている貴族と裏で画策しているエンジニウム公爵家の事もだ。くれぐれも慎重に動け、エンジニウム公爵家気づかれては元も子もないからな」
「畏まりました」
ふふふ、ようやく私にもチャンスが回って来たようだ。
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