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しおりを挟むある会議で、血縁判定の魔道具を貴族たちに見せた。
これが魔道具だと思わせるために、魔術師長だけでなく魔道具師長にもこの場に来てもらった。
魔道具師長にも女神様からの祝福物だと言うことは説明し、まだ公表するわけにはいかないので魔道具ということにしてほしいと説明している。
台座と水晶を含めた全体が魔道具だと説明した。
判定の仕組みが台座にあるように見せているのだ。
台座は簡単には持ち運び出来ないように重くしてある。
「これが血縁判定の魔道具だ。神殿に設置する。」
使用者は署名をしてから神官立会の下、判定が行われること。
水晶の中が金色にキラキラしている時に2人で手を置き、中のキラキラの渦巻き具合によって、親子、祖父と孫、従兄弟などがわかることを説明した。
血縁でなければ黒の渦巻きだとも。
「誰か試す気がある親子か兄弟がこの場にいるか?」
ある侯爵と伯爵が手をあげた。
それぞれ水晶に手を置く。すると、多くのキラキラが渦巻いた。
「兄弟であると証明されたな。」
魔道具師長が侯爵をその場に止めて2人で触れた。黒く渦巻いた。
「御覧の通り、血縁関係はありません。」
どっと笑いが起こったが、手をあげる者がいた。
「この魔道具は妻を信用していないことになりませんか?」
「妻を信用しているなら使わなくてもいいんだ。
ただ、一つ例をあげると私の娘クレアが侍女の会話を聞いて自分が王妃の子ではないと勘違いした。
見事この魔道具が証明してくれたが。」
「一体どういう会話が?」
「王妃とシェイアは似ている。クレアは王妃に似ていない。」
「クレア王女様は国王陛下の子供の頃にそっくりですよね?」
「そうだ。会話もそう続いた。だが、思い込んだら子供にはわからない。
王妃と判定して水晶がキラキラしたら喜んでいたよ。」
魔道具師長が国王に続いて述べた。
「逆に、自分たちに顔も髪色も瞳も似ていない子供が我が子であるか疑う男も居ると思います。
隔世遺伝と言われても信じたくてもどこか信じていない者も。
そういう時は妻に黙って子供と判定すれば良いのです。
万が一、自分の子じゃないと判明しても妻や子を追い出すのは止めてほしいですがね。
特に自分も浮気の経験があるならば。
理由や相手を確認して、正式な手続きを経て離婚するには構いませんが。」
そうなのだ。ひょっとしたら、離婚が増えるという恐れもある。
だが、判定に来る者は興味がある者と確認して安心したい者がほとんどであると思われる。
疑いを持って判定に来た者に対しては、妻子がどうなるか今後を注視するしかない。
浮気相手の子を跡継ぎにしようとした妻は自業自得だが、子に罪はないだろう。
「一度判定したら次に子が産まれるまでは必要ないから、この魔道具はあと数か所の神殿におく。
流通させても仕方のないものだからな。」
他にも設置すると伝えることで、破壊しても意味がないと伝えておく。
会議が終わり、魔術師長が密かに設置していた4か所の映像記録の魔石を外す。
「面白がっていた者が多かったですが、数人は顔を強張らせていましたね。
再度、映像を確認して怪しい素振りをした者は調査対象になります。
その者が判定に来るかはわかりませんがね。」
「怪しい者が見つかることで女神様が危惧なさった問題が解決に向かえばいいんだけどな。」
まだまだ先が見えない。
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