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魔術師たちの間では親子や遠縁である確認が水晶で着々と行われていた。
魔術師の子は魔術師や魔道具師になることが多いので、血縁が多い。
中には、魔力の素質を気に入って孤児院から養子にした子に遠縁の反応が出て喜んだ例もあったという。
そして、当然出る意見として両親や子供と確認したくなる者がいる。
信用しているが、確かめたくなるのが性(さが)というものだろう。
だったら血縁判定できる魔道具が発明されたと公表するのはどうだろうか。
判定してほしい者同士で神殿に行けばいつでも判定できるとしたら?
水晶に触れに来る貴族はどれぐらいいる?
信用しているから触れに来る者もいるだろうし、疑いを確実にするために触れに来る者もいるだろう。
都合が悪い貴族が圧力をかけて触れさせないようにする可能性もある。
しかし、血縁に問題がない貴族を把握することができるのは今後の調査で助かることだ。
よし。1対を神殿に置くことにしよう。
水晶が盗まれないように台座に固定しなければ。
あとは、万が一破壊行動を起こす者及び親子でなかった者の把握ができるようにしたい。
「魔術師長、魔道具で映像の記録が可能になったものがあるらしいが、時間はどれくらいだ?」
「今はまだ6時間くらいですね。魔石を交換する毎にです。
もう少し魔道具本体を改良して、せめて1日は持たせたいらしいですよ。」
「6時間か。1日に4回交換が必要なんだな。水晶を1対、神殿に置く。
水晶の盗まれない固定方法と置き場所、映像記録の魔道具をそれと気づかれない置き場所。
それぞれ神殿と相談してほしい。」
「わかりました。個室でいいんじゃないですか?人前で触れるのは勇気が要りますよ?」
そうか。こっそりの方が人は来るか。
「そうだな。だが、判定したい者には全員署名をしてもらい、神官が見届けることにしよう。
神官の立会を断る者は怪しいからその者の映像を後で確認すればいい。これでどうだ?」
「平民はどうします?」
「ひとまず貴族が落ち着いてから平民には知らせようか。
一度判定したら、次に子が出来るまで水晶に用はなくなるからな。」
「女神様からの祝福の水晶だと公表するのですか?」
「いや、魔道具だと公表しようと思う。
祝福だと、この水晶さえ壊すか盗むかすれば存在が消えると思うかもしれない。
しかし、魔道具だとそのうち出回るかもしれないからこの水晶だけ壊しても意味がない。」
「それだと、祝福の方が壊しに来た者を捕まえやすくていいんじゃないんですか?」
「おそらく、それは下っ端だろう。指示したものに繋がりにくい。
神殿や神官に被害を与えるのは避けたい。
その代わり、魔道具製作の建物を襲われないように強化しないといけないな。」
「血縁判定の魔道具なんて作っていないのに襲われたら馬鹿らしいですからね。
建物だけでなく何もかも強化レベルを上げておきます。」
ひとまず、調査対象外の貴族がわかるように篩(ふるい)にかけよう。
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