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6.
夜、王妃アリッサにクレアの瞳のことを告げて相談した。
「確かに、まだ6歳のクレアに目が見える距離で薄汚れた貴族に会わせるのは嫌ね。
でも祝福があったということは、あまりよくない状況なのかしらね?」
「だよなぁ。
アリッサの実家の義父上と義兄上から確かめていいか?隠し子なんていないだろ?」
「そうね。信じているけど、確認してスッキリしたいわね。」
「各家の家系図が欲しいよ…」
とりあえずは現当主と跡継ぎが最優先だろうな。前当主が生きていれば現当主との血縁も調べられるが、領地で隠居している者も多い。
呼び出すわけにも行かないしクレアが行くわけにもいかない。
水晶を渡して2人で触れたらどうなった?と聞くわけにもいかない。
女神様、もっと簡単にわかる方法がよかった。と文句を言うのも失礼だな…
「でも、隠し子や浮気相手の子を跡継ぎにしても家系の血縁は繋がるでしょ?
血縁がおかしくなっているってことは、夫人側が浮気相手の子を産んで跡継ぎにしてるってこと?」
「そうなんだ。あ、夫より夫人の子の数が多い者が怪しいってことか?
でも、夫婦揃ってクレアに会う機会って何年先だよ。
やっぱり当主と跡継ぎを並ばせて順番に水晶に触れてもらうか?」
グルグルと頭を悩ませて考えていると、アリッサが言った。
「…ねぇ。やっぱりクリストファーの結婚相手は隣国のリアナ王女がいいんじゃない?
国内の貴族は血縁がどうなるかわからないわ。
もし、令嬢が他家や平民男性の子だったら?
差別するのは申し訳ないけど、やっぱり王家の血筋としては後々に怪しまれると困るでしょ?」
「この間の即位式の時に仲良くなった王女か。そうだな。
クリストファーが良ければ打診してみるか。アルデール王国とは久々の縁組だしな。」
クリストファーは10歳になったのでそろそろ婚約者を選ぼうと考えていた。
確かにこの問題が落ち着かない限り、国内の令嬢は選べない。
その点、隣国の王女なら心配はないから…
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