女神様、もっと早く祝福が欲しかった。

しゃーりん

文字の大きさ
5 / 23

5.

 
 
クレアは元々、淡い紫色の瞳だった。それが少し濃くなっていることは気づいていた。
女神様の魔力を授かった影響か?と思っていた。
しかし、水晶に魔力を移し終えても色が濃くなったままなのだ。

「うーん。魔力を移したら元に戻るかと思ったが、まだ変わったままだな。
 しばらく様子を見よう。
 クレア、見え方に問題はないか?」

「はい。普通に見えます。」

「それも祝福の影響として記録することにしよう。
 一生続くのか、一晩寝たら元に戻るのか。どちらでもクレアの瞳はキレイだよ。」

壁に掛かっている鏡で自分の瞳の色を確かめて戻ってきたクレアにそう言うと嬉しそうに笑った。
自分の変化が不安だったのだろう。まだ6歳だからな。





翌朝もクレアの瞳の色に変化はなかった。

しかし、新たな異変がクレアに起こったようだ。




クレアは見ただけで親子や兄妹がわかるようになってしまったらしい。

朝食をみんなで食べていた時、クレアはふと昨日の出来事を思い出した。
『お母様は私のお母様』そう思った途端、母が3人の子の母だとわかった。
ここにいいる、兄・姉・自分がそうだと感じたらしい。
そして、父を見ても同じようにわかったと言うのだ。



あの瞳は血縁の鑑定が出来るようになってしまったということか?



どうやら意識して相手の瞳を見ると勝手にそう感じるらしいとわかった。
こっそりと身近な者たちで確かめてみることにした。

数人、名指しで呼び出して、まず魔術師長だけを部屋に入れた。
魔術師長は子供が2人だ。そこまでクレアは知らない。

「陛下、クレア王女様もご一緒で。何か他にあの水晶でできることがわかりましたか?
 極秘扱いで魔術師たちにも試させておりますが。」

そう言った魔術師長と目が合ったクレアは、国王に『2人』と告げた。
意味がわからずに首を傾げる魔術師長を放っておいたまま、他に呼んだ魔術師たちを部屋に入れた。
3人入ってきたが、目を合わせることなく1人の人物を見て『あの人』と言った。
魔術師長の息子だった。そう勝手に感じるらしい。
他の2人も子持ちなので、目を合あわせてから人数を言い当てた。

親子と兄弟はクレアが見える範囲にいると繋がりがあるとわかるらしい。

一応、魔術師長には何を確かめていたのかを話した。
すると、やはりクレアの瞳を興味深々で見ていた。…言うのを早まったか?

クレアの瞳のことは、これからも家族と魔術師長だけの秘密にしよう。



これってクレアが貴族と面会すると問題のある貴族が判明するかもしれないけど、まだ6歳だぞ?
どこでどうやって会わせるんだ?というか、そんなことさせたくないなぁ…

クレアが言うことが正しいかは水晶で証明できるけど『あなた方は親子じゃありません』って告げるんだよな?
高位貴族は血縁を重んじているから跡継ぎが血が繋がってなかったら大変だ…

でも、女神様はそれを正そうとしているんだよな?というか俺がするのか…


 
 

 

 

あなたにおすすめの小説

〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。 だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。 十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。 ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。 元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。 そして更に二年、とうとうその日が来た…… 

私はいけにえ

七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」  ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。  私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。 ****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。

なんでも奪っていく妹とテセウスの船

七辻ゆゆ
ファンタジー
レミアお姉さまがいなくなった。 全部私が奪ったから。お姉さまのものはぜんぶ、ぜんぶ、もう私のもの。

冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判

七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。 「では開廷いたします」 家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。

虐げられた令嬢、ペネロペの場合

キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。 幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。 父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。 まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。 可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。 1話完結のショートショートです。 虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい…… という願望から生まれたお話です。 ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。 R15は念のため。

あなたがそう望んだから

まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」 思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。 確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。 喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。 ○○○○○○○○○○ 誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。 閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*) 何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?

今更戻って来いと言われても遅い、というか、その行動が無駄すぎでは?

七辻ゆゆ
ファンタジー
メグは元隣国の文官だった。しかし平民のメグは雑に扱われ、いきなり解雇された。城で一番働いてたんだけど大丈夫? まあダメだったみたいで王子がやってきたけど、メグは思うのだ。替えの利かない労働者なんていない。

今、私は幸せなの。ほっといて

青葉めいこ
ファンタジー
王族特有の色彩を持たない無能な王子をサポートするために婚約した公爵令嬢の私。初対面から王子に悪態を吐かれていたので、いつか必ず婚約を破談にすると決意していた。 卒業式のパーティーで、ある告白(告発?)をし、望み通り婚約は破談となり修道女になった。 そんな私の元に、元婚約者やら弟やらが訪ねてくる。 「今、私は幸せなの。ほっといて」 小説家になろうにも投稿しています。