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しおりを挟む王妃様のお茶会でも血縁判定の魔道具として紹介された。
しかも、今日は子連れである。王妃もシェイアとクレアを連れていた。
魔道具の説明をする時は、子供に聞かせていい話ばかりではないので親子別々に座っていた。
「ご主人様方からお聞きになっている夫人もいらっしゃると思います。
怒らないでくださいね?夫人方の不貞を知らしめる魔道具ではありませんよ?
まさか、浮気相手の子を跡継ぎにしようと考える方なんておられないとわかっています。」
一人の夫人が手をあげた。
「では、どういう使い道が?」
「例えば、男子を跡継ぎにしたい当主が愛人の子を連れて来た時に確かな血縁があるか確認できます。
あるいは、子が夫に似ていないと不貞を疑われた時も証明できますね。」
魔道具師長が夫人方に聞いた。
「どなたかお子様と試してみたい方はおられますか?」
数人が手をあげて、子供を呼んで水晶に触れた。もちろん、親子ばかりだった。
しかし、自分が呼ばれなかった子供は水晶で何をしているのかがわからなかった。
その内の一人が呼ばれていないがやってきたので、王妃は話かけた。10歳くらいの女の子だ。
「どうしたの?」
「これで何かわかるのですか?」
「ええ。一緒に水晶に触れた人と血のつながりがあるかどうかがわかるわ。」
「今日は母が体調が悪かったので、侍女と来ました。
あの侍女は前伯爵だった伯父の娘だと言うのですが、お父様は違うと言っています。
どちらが正しいかわかりますか?」
「そうね。あなたの伯父様の娘が正しいなら従姉だから血縁になるわ。試してみる?」
「はい。」
侍女を呼んで、二人に水晶に触れさせた。
すると、半分くらいのキラキラが渦巻いた。確かに血縁のある従姉妹だと証明された。
侍女は涙を流している。
「あなたは、昨年亡くなられた前カルー伯爵の娘さんかしら?」
「はい。そうです。兄弟はいません。」
「では、あなたが次期当主よね?今、何歳?」
「17歳です。」
「ではもうすぐね。今、伯爵の代理をされているのは亡くなられた伯爵の弟さんね。
当主の権利はあなたにあるわ。侍女ではなくて伯爵の仕事を覚えなければいけません。」
「お父様が間違っていたのですね?私、ちゃんと従姉妹だったって言います。」
「あなたはいい子ね。後で残ってくれるかしら?お父様にお手紙を書くわね。」
女の子は子供たちの方へ戻っていった。
魔道具師長が少し呆れたように言った。
「跡継ぎ問題は血縁を疑われると、今のようなことがたまに起こります。
そういった場合にも、この判定は役に立つようですね。」
夫人方は、なるほど。といった風に頷いていた。
しかし、似たような状況で逆に爵位を奪った者もいるかもしれない。
前当主の子供が血縁判定に訴えてきたら…そう不安に思っても自業自得なのだが。
カルー伯爵家の現状を知った国王は、現伯爵代理に『兄の娘が18歳になったら伯爵を継承させること。そのために、今から仕事を教えておくこと』を手紙に書いた。
兄の娘ではなかったと放り出して自分が継ぐつもりであったのだろうと思われたが、それは許されない。
思いもしなかった証明ができた。
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