女神様、もっと早く祝福が欲しかった。

しゃーりん

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伯爵と息子を呼び出し、調査官が説明する。 
 
ある投書により血縁を判定する魔道具ができたこと。

『ある伯爵家の夜会で泊まった者は、子の父親が夫ではない子を妊娠する』
 
この投書の伯爵家は、あなた方の伯爵家を指している。
伯爵と息子とは親子ではないが血縁である判定が出た。
つまり2人の弟のどちらかが父親の可能性が高い。
心当たりはないか?
そう調査官は告げた。 
 
「どういうことですか?妻が弟のどちらかと不貞を犯したと言うのですか?」

「すいません。説明不足でした。
 犯人は、夜会で泊まった夫婦を薬で眠らせて夫人を妊娠させていたと思われます。
 今、把握しているだけであなた方以外に10件あります。
 同様の手口で、奥様も眠らされている間に襲われて妊娠したのではないかと。」

「…そういうことか。
 妻が妊娠した頃は、まだ新婚だった。
 すぐ下の弟は私の結婚後、いろんな所を見たいと遊学に行ったんだ。
 だから…当時まだ学生だった一番下の弟だということになる。
 あいつは結婚する気はないと商会を手伝ってる。
 屋敷の離れに住んでいるが、まだ屋敷内に部屋もある。
 夜会にも出ている。」

「今でも夜会後に宿泊される夫婦はいますか?」

「昔ほどではないが、酔って帰れなくなった場合や体調不良の場合などでは泊まることもある。
 それは、どこの夜会でもそうだろう?」

「そうですね。」

「さっき、10件あると言いましたね。
 それは襲われた件数?子供が生まれた件数?」

「子供です。とはいっても、既に30歳前後の大人になっていますが。
 まだ、調査中です。増えるかもしれません。

「あいつを捕まえてくれ。じゃないと殴り殺しそうだ。」

「…罪状の証明が難しいんですよ。
 襲われた自覚もない夫人方に証言もできませんし。
 酔っぱらった夫人に誘われたと言われれば、お手上げです。
 子供が証拠とも言えますが、皆さん、協力してくれるかどうか。」

「あいつを伯爵家から廃籍する。平民だ。
 不当だろうが違法だろうが、どんな扱いでも構わん。出てこれなくしたらいい。」

「違法な隠蔽逮捕。裁判も何もありません。よろしいですか?」

「構わない。もう弟だとは思えん。」

これで、自白剤を使うことで精神が壊れようと文句は言われなくなる。

「わかりました。
 ですが、犯人が弟さんの犯行だと被害者たちや子供たちには告げる必要があります。
 単独犯だとしても恨みが伯爵家に向かう可能性があります。ご了承ください。」

「それは当然だ。」


弟の居場所を聞き、連れて来るように指示した。その間に廃籍の書類も記入してもらった。

「念のため、弟さんと息子さんの親子判定をお願いしたいのですが…」

万が一、人違いだった場合は困ったことになる。
捕縛するのはその後だ。

「私は会いたくない。待合室にいる。お前も判定が済んだら何も言わず出てこい。」

息子にそう言い、伯爵は待合室に向かった。










  

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