逃げた先で見つけた幸せはずっと一緒に。

しゃーりん

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オリオール侯爵家の庭で、妻と弟がイチャイチャしながらとんでもないことを話している。

ローレンスは初夜に妻を抱いていなかったとわかった。

妻ジョスリンが見せた『純潔のしるし』のあるシーツは、ジョスリンと弟レナウンが交わったときの『しるし』であり、つまり、ジョスリンの純潔はレナウンが奪ったということだ。

酒に酔った挙句、飲んだ水に睡眠薬らしきものが入っていたことで、ローレンスはジョスリンにベッドに押し倒されてそのまま眠ってしまっただけだ。

初めからその計画で、すでにシーツも『しるし』のあるものを敷いていたのだろう。
 
すっかり騙された。

そしてジョスリンは毎晩のように弟レナウンと閨を共にしているらしい。

2人の会話から、レナウンとの子供をローレンスの子供とするつもりだとわかった。

レナウンはオリオール侯爵家の血筋ではない。つまり、乗っ取りということだ。

冗談じゃない。
こんなことを知って、ジョスリンと閨を共にすることができるはずがない。離婚を突きつけよう。

ローレンスはそう思ったが、ふとジョスリンの言葉を思い出した。

『早くレナウンの妻になりたいわ』

どういうことだ?
ローレンスの子供を妊娠したと偽った後で、ローレンスと離婚してレナウンと結婚する気か?
 
子供はローレンスの血筋としてオリオール侯爵家を継ぐ子供と思わせておいて、自分はレナウンと再婚してオリオール侯爵家に居座る?

そうなれば、レナウンがここから出て行くはずもない。

一体、無関係の人間が何人ここに居座る計画なんだ?

父も義母も、ひょっとするとジョスリンの両親すらもグルなのか?

もう、うんざりだ。

そう思っていたときだ。


「病気にしようかと思ったが、手っ取り早く事故にするか?」

「そうね。病気だと医師の協力も必要になるかもしれないし、毒もバレそうよね。
結婚したばかりの夫が事故死して、嘆く妻のお腹には夫の忘れ形見が宿っているってなんか物語みたいで涙を誘いそうよね。」

「嘆く義姉を元気づけているうちに弟と愛が芽生えた。オリオール侯爵家を継ぐ子供を共に育てる決心をするって続くわけだよな。完璧だよな?」
 

どこが完璧なんだよ。
邪魔者を排除して乗っ取ったと思われるかもしれないぞ?

って、もうどうでもいいか。

要するに、ジョスリンの妊娠が判明すれば、そのうち殺されるということだ。

そこまで腐っていたとは思わなかった。


あのジェイドの言う通り、虐待を誰かに訴えておくべきだった。

認められなかったとしても、ローレンスに何かがあった場合、不審に思ってくれる貴族がいたかもしれないのに。

領地にいる祖父母にも、何とかして伝え続けていれば疑いを持ってくれたかもしれないのに。


しかし、全てが今更だ。

でも、ここにいて大人しく殺されるつもりはない。


逃げよう。


ローレンスは夜中に、オリオール侯爵家を後にした。 


 
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