逃げた先で見つけた幸せはずっと一緒に。

しゃーりん

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13.

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ローレンスは宝飾店の後にも他の用事を済ませてから家に帰った。
 

「ただいま。」

「お帰りなさい。」


メロディーナがなぜかじーっと様子を伺うような目で見てきた。

ひょっとして、宝飾店に行っていたことを知っているとか?

知られてマズいわけではないが、ローレンスが帰るよりも先に情報が回ることに苦笑したくなる。


「どうかしたか?」

「あなたが貴族らしい人に絡まれていたって聞いたの。」


そっちか!


「あぁ、どうやら人違いをされたらしい。」

「そうなの?」

「うん。違う名前で呼ばれたからな。」

「何て?」

「……ローレンス。」

「ローレンス。なんだか貴族っぽいわね。」

「だよな。僕はランス、だろ?」

「そうね。あなたはランスだわ。」


ふふっとメロディーナは笑った後、手を出してきた。


「ん?」

「今、ほしいわ。」


だよな。貴族の男に絡まれていたという話だけで済むはずがない。
ローレンスがいたのは宝飾店で、そこを出てきてからもジェイドに絡まれたのだから。
 

ローレンスは指輪の箱を取り出した。


「お揃いの結婚指輪だ。これは、君と僕は一生一緒だという証だよ。」


そう言って、メロディーナの指に指輪を嵌めた。

メロディーナは箱からローレンスの指輪を取って、僕の指に嵌めてくれた。


「嬉しい!ランスとの絆が深まるような気がするわ。」

「うん。いいよな。指輪を見るたびに今のメロディーナの笑顔を思い出しそうだ。」


本当にそう思う。手ってよく目にするからな。
イヤリングやネックレスと違って、一番自分が目にする宝飾品だろう。

この結婚指輪を流行らそうと考えた人はすごいんじゃないか?

日常的に身に着けるから、大きな宝石も必要ない。かえって邪魔になる。
平民でも買える素材のものもあるし、一生物だからと少し奮発したくなったりもする。
 
ローレンスも少しいいものを買った。
金額で愛情を示す気はないが、この輝きがメロディーナに似合うと思ったからだ。
お揃いだから自分もそうなってしまったが、あくまでもメロディーナを基準に考えた末のことだった。

僕たちは指輪をした手を揃えて、しばらく眺めていた。




その後、数日間はジェイドが再び姿を見せないか、警戒していた。

彼が言った、重婚の響きが心を重くする。

ローレンス・オリオールとしてメロディーナと結婚したわけではないため、重婚にはならない。

そもそも、貴族籍と平民籍は別物なのだから、貴族と平民の結婚は少し手続きが面倒になるのだ。

それなのに、平民籍のランスと結婚したメロディーナは平民籍だったということか?
前辺境伯と結婚したということはメロディーナは貴族なのだろうと思っていたのだが。

今更ながら、なぜあんなに簡単に僕たちが入籍できたのか、不思議に思った。


 
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