逃げた先で見つけた幸せはずっと一緒に。

しゃーりん

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ジェイドはローレンスの義理の弟の素性を今まで疑わなかったことに愕然としていた。 

ようやく、ローレンスの弟レナウンの出自を怪しんだか?
言われてみればおかしいと気づくだろう?

もし、レナウンが本当に義母の連れ子で、ジョスリンと子供を作った場合、産まれる子供と父に血の繋がりはないんだ。

そんな父が侯爵家を乗っ取ってレナウンに継がせて何の得があるだろうか。

父は今でも侯爵の代理としてそこそこ認められている。
実際、ローレンスが成人しても結婚しても、爵位を渡そうとしなかった。

『ローレンスが一人前になるまで』そう言って、のらりくらりと地位を守ることもできた。

ジョスリンとレナウンが乗っ取りを企んだのであれば、父はオリオール家と関係ない義母とレナウン、ジョスリンを追い出すことができるのだから。

だが、レナウンが父の実子だからこそ、父はレナウンを可愛がり、オリオール家を乗っ取ろうと企んでいたからローレンスを蔑ろにしてきた。

そうじゃないと、ローレンスを大事にしなかった理由がわからないだろう?

領地にいる祖父母にバレれば、父も追い出される危険を冒していたんだから。


ジェイドは虐待に気づいていたし、乗っ取りも疑っているのに、レナウンが父の実子だからとは思い至らなかったようだな。


「義理の弟は1歳下だ。ということは、侯爵は不貞をしていたかもしれないのか?」

「さあ?僕はなんとも。ただ、不思議に思っただけですから。」


この国では出自を偽ることも重犯罪になる。
それこそ、乗っ取りと同じことだからだ。

不貞で子供ができた場合、庶子として認知するか、認知しないかになるが、レナウンの場合、父の子なのに義母が前夫の子として届け出ているのだ。
どちらの子かわからなかったとも言えるが、父も義母も、レナウンが父の子だと言っていた。

女性が既婚でありながら不貞した場合、こうして偽りの出自登録が成されてしまうのだろう。

しかし、血の繋がりがもっと詳細に判定できるようになれば、誰の子かすぐにわかるようになる。


レナウンが父の子だとバレると、領地にいる祖父母は父が娘であるローレンスの母を裏切っていたと知ることになるだろう。

娘をコケにした挙句、堂々とオリオール家に住み続け、財産を使い、ローレンスを蔑ろにしてきたことを知り、乗っ取りを企んでいたことを全て知るのだ。

祖父母はローレンスが、偏食で、暗くて、我が儘で、実父や義母を困らせる面倒な孫だと思っている。
そう思わせたのは父と義母だが、そんな孫でも愛情を持って育ててくれていると感謝しているのだ。

唯一の孫で血の繋がったローレンスではなく他人の父と義母を信じ、ローレンスの言葉を聞いてくれないような人たちだった。

だから、ローレンスはオリオールの血筋が続かなくても何とも思わない。

父がジョスリンの子供の出自を偽り乗っ取るなら、勝手にすればいいと思って逃げたのだから。
 
 

 
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