逃げた先で見つけた幸せはずっと一緒に。

しゃーりん

文字の大きさ
29 / 50

29.

しおりを挟む
 
 
オリオール元侯爵代理、ベイゼルの苦し紛れの悪あがきに国王陛下は嫌気がさしたようだ。
宰相に後を任せた。


「ベイゼル。偽りを重ねると罪がどんどん重くなりますよ。」

「偽りなど……私は正しいことを言っています。ジョスリンは嘘をつくと思いますがね。」
 

宰相はやれやれ、といった感じで首を横に振った後、ベイゼルに言った。


「実は、もうすでにレナウンとジョスリンからは聞き取りを終えています。そしてジョスリンが産んだ子供とレナウンが親子であるということも検査済です。」

「え……?いや、それは、ほら、ローレンスとレナウンが実の兄弟だったからだ。アルマンは、やっぱりローレンスの子だったんだ。だからレナウンでも血縁だと色が変わったってことじゃないのか?」

「……ローレンスはジョスリンが妊娠していない間に失踪していると言ったではないですか。」

「そんなのわからないじゃないか!失踪後に戻ってきてジョスリンを犯したのかもしれないぞ?」


ベイゼルはなんとか辻褄を合わせようと必死に言うが、宰相は呆れるばかりだ。


「ベイゼル。私はジョスリンが産んだアルマン、その子とレナウンが親子であると言ったのです。先ほどの検査では血縁だけでなく血の濃さがまでわかります。親子か、兄弟か、祖父母と孫か。まぁ、曾祖父母とひ孫でも薄っすら反応が出るとのことでした。
アルマンはジョスリンとレナウンの子。2人も認めました。」

「わ、私は知らなかったっ!」

「往生際が悪いですね。彼らは全て話しましたよ。乗っ取り計画がいつからあったのかも。」

「はっ……ははっ……終わった。俺は終わった。」


まだ終わっていないと思っていたのか?愚かだな。 



こうして、ベイゼルと元夫人モイラは子供の出自を偽った罪と乗っ取りの主犯として捕縛。

レナウンとジョスリンも子供の出自を偽った罪と乗っ取りの共犯として捕縛。

アルマンはオリオール家の血筋とは無関係であることから、ひとまずジョスリンの実家へと引き取られることにはなったが、ジョスリンの父親も乗っ取りの共犯として事情を聴くことになった。



ローレンスには2人の子供がいる。
つまり、ベイゼルにはアルマン以外に2人の孫がいるのだ。 

必死にアルマンにオリオールを継がせようとしていたが、正統なオリオールの血筋がいる。

我が子であるローレンスを虐待していたような男だ。
血の繋がった孫があと2人いてもなんとも思わないだろう。

いや、自分の血筋がオリオールに継がれると喜ぶだろうか。だったら初めからそうすべきだったんだ。


ベイゼルを喜ばせたくない。だから、ローレンスに子供がいるということは内緒だ。

知らないまま罰を受けるべきだ。

それが、ローレンスを可愛がれなかった父親としての罰でもある。

それに、彼らが貴族としてオリオールを継ぐかはわからない。

ローレンスの出す結論を、聞きに行く必要がある。

ジェイドはローレンスの元をまた訪れるつもりでいた。


 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

勝手にしなさいよ

恋愛
どうせ将来、婚約破棄されると分かりきってる相手と婚約するなんて真っ平ごめんです!でも、相手は王族なので公爵家から破棄は出来ないのです。なら、徹底的に避けるのみ。と思っていた悪役令嬢予定のヴァイオレットだが……

生命(きみ)を手放す

基本二度寝
恋愛
多くの貴族の前で婚約破棄を宣言した。 平凡な容姿の伯爵令嬢。 妃教育もままならない程に不健康で病弱な令嬢。 なぜこれが王太子の婚約者なのか。 伯爵令嬢は、王太子の宣言に呆然としていた。 ※現代の血清とお話の中の血清とは別物でござる。 にんにん。

〖完結〗旦那様には本命がいるようですので、復讐してからお別れします。

藍川みいな
恋愛
憧れのセイバン・スコフィールド侯爵に嫁いだ伯爵令嬢のレイチェルは、良い妻になろうと努力していた。 だがセイバンには結婚前から付き合っていた女性がいて、レイチェルとの結婚はお金の為だった。 レイチェルには指一本触れることもなく、愛人の家に入り浸るセイバンと離縁を決意したレイチェルだったが、愛人からお金が必要だから離縁はしないでと言われる。 レイチェルは身勝手な愛人とセイバンに、反撃を開始するのだった。 設定はゆるゆるです。 本編10話で完結になります。

強い祝福が原因だった

恋愛
大魔法使いと呼ばれる父と前公爵夫人である母の不貞により生まれた令嬢エイレーネー。 父を憎む義父や義父に同調する使用人達から冷遇されながらも、エイレーネーにしか姿が見えないうさぎのイヴのお陰で孤独にはならずに済んでいた。 大魔法使いを王国に留めておきたい王家の思惑により、王弟を父に持つソレイユ公爵家の公子ラウルと婚約関係にある。しかし、彼が愛情に満ち、優しく笑い合うのは義父の娘ガブリエルで。 愛される未来がないのなら、全てを捨てて実父の許へ行くと決意した。 ※「殿下が好きなのは私だった」と同じ世界観となりますが此方の話を読まなくても大丈夫です。 ※なろうさんにも公開しています。

〖完結〗冤罪で断罪された侯爵令嬢は、やり直しを希望します。

藍川みいな
恋愛
「これより、サンドラ・バークの刑を執行する!」 妹を殺そうとした罪で有罪となった私は、死刑を言い渡されました。ですが、私は何もしていない。 全ては、妹のカレンが仕組んだことでした。 刑が執行され、死んだはずの私は、何故か自分の部屋のベッドの上で目を覚ましたのです。 どうやら時が、一年前に戻ったようです。 もう一度やり直す機会をもらった私は、二度と断罪されないように前とは違う選択をする。 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 全14話で完結になります。

〖完結〗旦那様が愛していたのは、私ではありませんでした……

藍川みいな
恋愛
「アナベル、俺と結婚して欲しい。」 大好きだったエルビン様に結婚を申し込まれ、私達は結婚しました。優しくて大好きなエルビン様と、幸せな日々を過ごしていたのですが…… ある日、お姉様とエルビン様が密会しているのを見てしまいました。 「アナベルと結婚したら、こうして君に会うことが出来ると思ったんだ。俺達は家族だから、怪しまれる心配なくこの邸に出入り出来るだろ?」 エルビン様はお姉様にそう言った後、愛してると囁いた。私は1度も、エルビン様に愛してると言われたことがありませんでした。 エルビン様は私ではなくお姉様を愛していたと知っても、私はエルビン様のことを愛していたのですが、ある事件がきっかけで、私の心はエルビン様から離れていく。 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 かなり気分が悪い展開のお話が2話あるのですが、読まなくても本編の内容に影響ありません。(36話37話) 全44話で完結になります。

報われなかった姫君に、弔いの白い薔薇の花束を

さくたろう
恋愛
 その国の王妃を決める舞踏会に招かれたロザリー・ベルトレードは、自分が当時の王子、そうして現王アルフォンスの婚約者であり、不遇の死を遂げた姫オフィーリアであったという前世を思い出す。  少しずつ蘇るオフィーリアの記憶に翻弄されながらも、17年前から今世まで続く因縁に、ロザリーは絡め取られていく。一方でアルフォンスもロザリーの存在から目が離せなくなり、やがて二人は再び惹かれ合うようになるが――。 20話です。小説家になろう様でも公開中です。

やり直し令嬢は本当にやり直す

お好み焼き
恋愛
やり直しにも色々あるものです。婚約者に若い令嬢に乗り換えられ婚約解消されてしまったので、本来なら婚約する前に時を巻き戻すことが出来ればそれが一番よかったのですけれど、そんな事は神ではないわたくしには不可能です。けれどわたくしの場合は、寿命は変えられないけど見た目年齢は変えられる不老のエルフの血を引いていたお陰で、本当にやり直すことができました。一方わたくしから若いご令嬢に乗り換えた元婚約者は……。

処理中です...