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しおりを挟む翌朝、先に目を覚ましたのは子供たちの方だった。ベッドの上で座ってキョロキョロ見回していた。
知らない部屋で目覚めることにも、ここに来る道中で慣れたのか、泣かなくなった。
「おはよう、ミレージュ。新しい家に着いたよ。」
「うん!」
まだ3歳にもならないミレージュはよくわかっていないだろう。
座って手を叩いているリカルドはもうすぐ1歳になるが、もっとわかっていない。
「おはよう。お腹が空いたのね。その前に着替えなきゃ。」
「メロディーナの部屋に子供たちの着替えも用意してくれているはずだ。」
「そうなのね。じゃあ連れて行くわ。」
「手伝おうか?」
「大丈夫よ。あなたも着替えてきて。」
「ああ。」
平民として暮らしていた時と部屋の広さが全然違う。
寝室から私室、子供部屋、食堂、談話室。貴族の屋敷は移動するだけで大変だ。
狭い部屋が効率的で懐かしく感じた。
昨晩は数人の使用人としか顔を合せなかったが、料理人にメイド、侍女も数人いた。
臨時雇いの者もいるため、正式に雇用するかも含めて人数を増やしていく必要がある。
その辺は、執事のオルフと侍女長、そしてメロディーナに任せようと思っている。
準備された朝食を家族みんなで食べた。
よく寝た子供たちはご機嫌でたくさん食べ、メロディーナは旅の疲れなどないかのように元気だ。
しばらくは忙しい日々が続くことになるが、家族が一緒にいるだけで頑張れる気がする。
食後は、少し屋敷内を見回った後、登城する際の衣装の微調整をした。
血縁証明もするため、子供たちも一緒に行くことになる。
「どうだ?ドレスのサイズに問題はなかったか?」
ローレンスは試着しているメロディーナたちに声をかけるとミレージュが姿を見せた。
「おっ!可愛いな。よく似合ってるぞ。」
「私はどう?」
そう言って姿を見せたメロディーナは、すごく綺麗だった。
「すごく、綺麗だ。ドレス姿は初めて見るけど、似合ってる。辺境伯夫人方に感謝だな。」
辺境伯夫人が王都に住む辺境伯の弟マルムの妻に似合うものを準備させたと聞いた。
侍女たちも紹介してくれるらしいが、いろいろとお世話になりっぱなしだ。
メロディーナを着付けてくれた侍女も辺境伯の屋敷から来てくれていた。
「当日はお化粧と髪型、装飾品も加わりますのでもっと華やかになられますよ。」
にこやかにそう言って、アンナと名乗った侍女はメロディーナよりも10歳ほど年上だろうか。
落ち着いた感じの女性で、メロディーナへの態度も問題がないようだった。
「アンナさんは、ミレージュかリカルドのお世話を希望しているわ。」
「えっ!君の侍女じゃないのか?」
「無類の子供好きだそうよ。息子さんが騎士見習いになって手が離れてしまって寂しいそうよ。」
息子が騎士見習い?アンナは一体何歳なんだ……
この職は自分のものだと言うようにリカルドを抱っこして笑みを浮かべているアンナを見て、まず彼女が送り込まれてきていた理由が分かった気がした。
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