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しおりを挟む侯爵令嬢メイベルの次兄との見合い話はすぐに決まった。
堅苦しくなく気軽に話をしようということになり、両親は抜きでメイベルと次兄ワンダーがオリーブ伯爵家を訪れ、こちらも両親は初めに挨拶をしただけで、クレージュが応対する形になった。
ワンダーはクレージュたちと入れ違いに学園を卒業した3歳年上。
がっしりとしていて、キリっとした美形だった。
……前の婚約者の令嬢はどこが嫌だったのかな。この方と違う美形が好みならロメオ様みたいな?まぁ、結婚したくないほどその令嬢の好みの範囲外だったということね。私はいいと思うけど。
始めはメイベルを介しながらも、とても楽しく話ができた。
聞き上手で話し上手、私とメイベルが話していても穏やかに見守ってくれる人だった。
オリーブ伯爵家の特産や事業にも興味を持ってくれて、せっかくだから父とも話をしたいとのことだったので、クレージュとメイベルはその間に2人で話を続けた。
「どうかな?クレージュも兄みたいなのは好みじゃない?」
「え?そんなことはないわ。ロメオ様よりワンダー様の方がどちらかと言えば好みよ。」
「よかった。令嬢の化粧や髪型と違って、男性って外見を変えにくいじゃない?
私はお兄様のことカッコいいと思うけど、受け付けない令嬢がいるってショックだったわ。
お兄様はもっとショックだったと思うの。
クレージュとはお似合いだと思ったけど、こんなこと言ったら断りにくくなるかな。」
「私個人としては、ワンダー様とまた会ってみたいと思ったわ。
おそらく父も同じじゃないかしら。
だから、今後のことはワンダー様とお父上の侯爵様の意向次第?」
「嬉しい!うちは問題ないわ。」
それから母が顔を出し、メイベルと3人で楽しく話をしていると、父とワンダー様がやってきた。
「楽しかったよ。さすが、侯爵家で領地経営について学んでこられただけのことはある。
クレージュが跡継ぎなこともあっていろいろ教えてきたが、今は学業優先なんだ。
私もまだまだ現役で頑張るつもりではあるが、クレージュの夫となる者にも手伝ってもらいたい。
クレージュの負担を少しでも軽くしてやりたいからね。」
「それは当然です。
学生の間は、楽しく過ごす時間も大切だと思います。
卒業したばかりの今、友人たちとの時間が懐かしく思います。
令嬢は卒業すれば結婚はすぐですからね。
領地経営だの子供だのとクレージュ嬢の負担が増えますから、協力すべきことです。」
「そうなんだよ。わかってくれて嬉しいよ。」
何やら父とワンダー様はとても楽しい時間を過ごしたみたい。
学生じゃないから?3歳年上だから?ワンダー様はすごく大人に思えた。
ワンダー様とメイベルを見送った後、父が言った。
「彼は子爵領を継ぐ勉強をしていただけあって、飲み込みが早い。
クレージュが卒業する3年後まで待ってくれると言うなら、婚約を願いたいことだ。
クレージュはどう思ったんだ?」
「会話をしていても話しやすいし、楽しかったです。
メイベルにも、またワンダー様と会ってみたいと伝えました。」
「年が違うから比較したら可哀想だけど、ロメオ君と比べるとしっかりした令息だわ。
体格もがっしりとしているから余計に頼れる感じに思えてしまうのね。
クレージュとお似合いだと思うわよ。」
やはり、うちの両親もワンダー様に好意的だった。
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