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しおりを挟むロメオ様も学園を退学しているけれど、前にロメオ様と一緒にいた友人に偶然会った。
リリスとロメオ様になぜか私が悪者にされた時に、私が間違っているとは思わないと言ってくれた令息。
名前は知らない。
「ロメオが迷惑をかけたな。やはりアホだった。」
「まぁ、もう会うこともないでしょうから。」
前も思ったけど、どうしてこの人はロメオ様の友人だったのかな。まともな人に見えるのに。
疑問が顔に出たのか、答えてくれた。
「俺はね、昨年の始めからアイツを監視するように頼まれてたんだ。
特に口は出さずに、ただ報告するだけだけどね。
あまり噂にはなってなかったけど、アイツが声をかけた令嬢や見合いを断った相手は多い。
怒ってる令嬢や親が多くてね。
アイツの好みに引っかかった令嬢が後々困ったことにならないように関わる令嬢を見てた。
君の親は調査してただろ?結果が早く出たのは調べてあった結果を渡したからだ。
あれを見て結婚させる親はクズだよな。
まぁ、君の親はもちろんクズじゃなかった。
あのリリスって子についても報告はしたけど、放置ってことになった。
いっそのこと、アホな2人が纏まってくれれば他の令嬢に迷惑がかからないって結論になって。
愚かな計画を立てて自滅のように平民になってくれたけどな。
そうそう、君の婚約者は問題ない男だよ。いい男を選んだ。」
「……ワンダー様についても調査を?」
「ロメオがあの女とイチャイチャするだけだったから監視も退屈になった。
だから退屈しのぎにちょっとな。」
「卒業後はそういったお仕事を?」
「ああ。スカウトされてね。話を聞けば意外と合うと思って。
よほどクレームがない限りはロメオみたいな個人の仕事はあまりない。
アイツは女性にとっては迷惑な男だが、悪党ではないから。
だから正式な調査員じゃなくて、たまたま同じ学年の俺に監視と報告をさせただけだ。
調査部門にとっては、暇つぶしに近い。
新たな調査対象が学園にできない限り、このまま卒業だな。」
「お疲れさまでした?
私も調査されることのないように気をつけます。」
「ああ。じゃあな。」
社交デビューしたばかりの私には、彼がどこの家の人かはわからない。
聞いてもよかったけれど、もう話す機会はない気がしたし、素直に言わない気もした。
わざわざ調べるほどの興味もない。
ただ、跡継ぎではなく結婚することもなくそれなりに自由に生きていきそうな人だなと思った。
いい男を選んだ。そう言ってもらって嬉しかった。
もし、ワンダー様に女性問題や問題行動のある人なら、彼は忠告してくれたはず。
2回しか会ったことはないけれど、私に嘘をついても仕方がないのでその言葉を信用したい。
紹介してくれたのはメイベル。自分の兄を勧めた友人のことも信用している。
オリーブ伯爵家の仕事を覚え始めてくれているワンダー様とは少しの時間でも会える機会が増えた。
日に日に、ワンダー様のことが好きになる。
この気持ちを育てていっても問題ないよって背中を押された気がして、ほんの少しだけあった猜疑心のようなものがなくなった気がした。
心のどこかで、ロメオ様がリリスを選んだように、自分ではない誰かをワンダー様が選ぶかもしれないという疑いを持つ自分がいたから。
でも、ワンダー様も前の婚約者に選ばれなかった人。
同じ立場の私たちは、もう少し心を開いて話し合うことも必要なのかもしれない。
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