側妃としての役割

しゃーりん

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閨ができないことに問題はないのかとフェリシアが聞いた。
国王陛下は、『フェリシア以外を抱く気はないし、男は自分で処理する方法がある』と言った。
よくわかっていない顔をするフェリシアが可愛くて、手伝ってくれるか聞いてみた。
頷くフェリシアの前で下着を下ろし、ゆっくり起ち上がりかけたモノに手で触れ擦った。

「こうして擦ることで硬さが増す。フェリシアの中で擦られてると想像すると尚良いな。」

「私が手で触れても良いですか?」

「もちろん。手伝ってくれ。」

フェリシアは握り、上下に擦っていく。片手ではしにくいのか両手になった。

「どんどん固くなってビクビクしてて大きくなってます。気持ちいいですか?」

「ああ。すごくいい。フェリシアの中でいつもこうなってるんだ。」

フェリシアの手に自分の手を重ねて更に擦っていく。

「フェリシア、こっちを向いて。口付けがしたい。」

口付けを交わしながらも、手の動きはどんどん激しくなる。
そして唇が離れると、

「くっ!」

声が聞こえたと同時に手が温かいものに濡れていた。

「ありがとう。気持ち良かった。手がベトベトになってしまったな。」

フェリシアと自分の手を綺麗にして、『男は欲が溜まればこうして自分で発散する』と教えた。
フェリシアは『また手伝いたい』と言ってくれた。

そして、閨ができない間は、何度も手伝ってくれたのである。




安定期に入り、少しずつお腹が膨らんでいくのをみていると本当に子供がいると実感する。

そのうち胎動を感じるようになるが、胎動を感じた直後に国王が触っても動かない。
なかなかタイミングが合わなかった。
しかし、寝ているフェリシアを後ろから抱きしめ、膨らんだお腹に置いた手に胎動を感じた時、国王は泣きそうなくらいに嬉しかった。
そして思った。『我が子は夜中が元気だ』と。
それから毎日、胎動を手に感じながら眠りにつく習慣となったのである。


安定期を過ぎても閨は再開しなかった。
いや、しようとしたがフェリシアが敏感になったらしく、感じすぎて怖かったらしい。
お腹の子の安全を優先し、出産後までお預けとなった。
もちろん不満はない。ないが、国王はお腹の子が男であると何故か直感していた。


そして、いつ産まれてもおかしくないくらい大きなお腹になった。
フェリシアは変わらず落ち着いて穏やかに暮らしている。
医師や侍女たちも、いつでも準備万端と待っている。

国王や側近、大臣など王宮で働く男たちはソワソワしている。


そして…

ある明け方近く、フェリシアが産気づいた。
オロオロウロウロする国王は邪魔だ。

「陛下、初産なので早くてもあと半日は産まれません。
 ですので本日の執務を予定通り行えますよ?」

医師にそう言われた。フェリシアにも何かあればすぐ呼ぶと言われ、渋々執務に行った。
しかし、集中できない。そんな国王を見た側近が尋ねた。

「誕生なさるのが王子様か王女様かはもうすぐわかりますが、お名前はお考えで?」

「ああ。いくつか候補がある。
 フェリシアにも案を出してもらってな。
 その中の一つに、あの女好きだった国王の名前もあって即却下したよ。
 ご先祖の名をいただくなら、賢王や武王と呼ばれた国王の名の方がよい。
 しかし、名に重圧を感じてはよくないと思い、それも却下だ。
 あとは顔を見て候補の中から考える。」

「王女様のお名前もお考えで?」

「もちろん。だがあの子は男だ。直感でわかる。シアを取り合いそうだ…」

子と張り合うつもりの国王に側近は呆れた。
気の紛れる会話をしつつ、大幅に削った執務を少しずつ片付けていった。


そして……

執務を終えた国王が出入りする侍女たちの邪魔にならない場所で、しかしフェリシアがいる部屋の近くでその時を待っていた。
時々、フェリシアの声が聞こえてくる。そんな場所で握った手に力が入っていた。

ふと、猫の鳴き声か?と思う声の後に、赤ん坊の泣き声と分かる声が聞こえた。


 
 
 
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