側妃としての役割

しゃーりん

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翌朝、国王が目を覚ますと、腕の中でフェリシアが眠っていた。

フェリシアの顔をじっくりと眺め、昨夜の恥ずかしがる姿を思い出して額にキスをした。
止まらなくなり、瞼、頬、鼻、口にキスをしていると、さすがに起こしてしまった。


「おはよう。シア。体はどう?」


「おはようございます。ウィル様。体は…怠いけど思ったよりも痛くないかも?」


そうなのだ。昨夜、最中のどさくさに紛れて何度も愛称で呼ばせることに成功した。
プライベートな時間くらい妻には愛称で呼ばれたい。
国王になってから、昨日から今までが幸せの絶頂であった。というかずっと絶頂が続くんだ!


「シア、今日も明日も毎日、このベッドで寝てほしい。
 仕事が忙しい時は一緒に眠りにつけないかもしれない。
 その時は先に寝ててくれて構わない。
 でも、眠ってるシアのそばにいたいし、抱きしめて眠りたい。
 起こしてしまうかもしれないがいいか?」


「私と一緒でもご迷惑でないのなら嬉しいです。」


「こんな幸せな朝を迎えてしまったら、もう独り寝に耐えられそうにないよ。」
 

もう一度キスをしてから体を起こし、仕方なしにフェリシアの侍女を呼んだ。
風呂と食事の用意を頼むと、ちょうど風呂の準備が出来ているので『お二人でどうぞ』と言われた。
…なんと出来た侍女であろう。

フェリシアを横抱きにして浴室に向かう。
ガウンを脱がし、自分も裸になったところでフェリシアが二人で入ることに気付き、真っ赤になった。
びっくりしていたが、『閨のあとは時間があれば一緒に入るものだ』と言っておいた。
…はじめが肝心だ。夫婦とはそういうものだ。と思わせよう。

「あっ!」

「どうした?」

…昨夜、中に放った子種が出てきて太腿の内側に流れている。
ある程度掻き出したつもりだったが、奥の方のは無理だった。
(自分でもびっくりするくらい大量に放ったからなぁ)

「シア、恥ずかしがることはない。私がシアを愛しく思った結果だ。」

また抱きたくなった国王だが、欲望を抑えてフェリシアの体を丁寧に洗った。


新しく置かれていた下着とガウンを着て、再び横抱きにして部屋に戻ると朝食が二人分用意されていた。


「お腹が空いたな。さぁ、食べよう。」


国王が側妃にあれこれ食べさせている。
フェリシアは、この行為も夫婦の一環なのかと、同じように国王に食べさせた。
普段の姿からは考えられない楽しそうな国王を侍女たちは笑いを堪えて見ていた。


「非常に残念だが、執務に行かなければならない。
 今日だけ許してもらったんだ。朝食までゆっくり過ごす時間をね。
 明日からは私が先に起きることになると思う。 
 シアは気にせず寝てて。明日からは妃教育だと聞いている。
 それに間に合うように起きればいい。
 しばらくは起きる時間が寝不足でズレるかもしれないからな。」


「?寝不足ですか?私も早く起きて一緒に朝食を食べますよ?」


「その気持ちは嬉しいけれど、目が覚めた時だけでいいよ。
 時間があれば、毎日のようにシアを抱きたい。
 だから寝不足になるんだ。
 次の日の予定に合わせて加減はするつもりだ。」


フェリシアは真っ赤に染まった顔を手で覆った。
侍女たちの生ぬるい視線を感じる。


「じゃあ行ってくる。」


フェリシアにキスをして、着替えるために私室へ向かう国王に言った。


「行ってらっしゃいませ。」


恥ずかしいが幸せを感じていた。



 
 
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