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しおりを挟む王都で生活を始めたシャルロッテのもとに、お茶会の招待状が届いた。
第二王子の婚約者である3歳年上の公爵令嬢からだった。
まだ社交界デビュー前のシャルロッテはお茶会の主催になれないので、このお茶会が実質お披露目となるようなものだった。
夫人方のお茶会では子供同伴のお茶会もしばしば開催され、8歳頃から同年代の子供たちと知り合えるのだ。
友人や婚約者などもそこで見つけたりする。
公爵令嬢なのに王都でのお茶会初参加のシャルロッテは注目の的になるだろう。
シャルロッテは伯爵家のおば様(ジェットの母)から、令嬢たちの裏側について教えてもらっていた。
言葉そのままに受け取ると痛い目に合う。陥れられたり足を引っ張ることもある。
気の合う友人でも妬まれていることもある。
聞こえがいい言葉は特に注意するべき。女は嫌味、男は下心。
シャルロッテの境遇は可哀想に思われることもあるが、前妻の子が疎ましいのも仕方がない。
誰でも我が子の方が可愛いのは当然である。
つまり、シャルロッテの肩を持つと王女や王家を批判することにも繋がるので、そのことにはあまり触れられないだろう。
しかし、公爵令嬢である。取り入るべきか、蹴落とすべきか。様子見か。
シャルロッテのことを知らない高位貴族の親たちは、お茶会に出席する子供たちにいろんな指示を出していた。
そして、お茶会当日。
シャルロッテが会場に姿を見せると、視線を一身に浴びた。
開始時刻まではまだあるのに、自分が最後のようだった。
間違って教えられた?
そんな中、主催の公爵令嬢ブリジットがシャルロッテの前にやってきた。
「あなたがシャルロッテ様ね?初めまして。ブリジットよ。ようこそお越しくださいました。」
「初めまして、ブリジット様。お招きいただきありがとうございます。
皆様お集まりのようですが、私が時間を間違えてしまいましたか?」
「いいえ、まだ時間になっていないわ。今日は皆様、早く来られたみたいで。
席に案内するわね。楽しんで行ってね。」
「ありがとうございます。」
意地悪ではなかったようだ。
同じテーブルの方々と挨拶を交わす。
公爵令嬢のお茶会だから、伯爵家以上の方ばかりのようだった。
最初のお茶を飲み終えると、テーブルを移動する者や立ち話する者など様々だった。
飲み物も茶菓子も、望みの物を選べば希望の場所に用意してくれる。
ブリジットが率先してシャルロッテにアレコレ聞いてきた。
周りはそれを聞いてシャルロッテを判断していく。
お茶会の出席者は、ブリジットに近い15~18歳の学園生が多かったため、まだ学園生ではないシャルロッテにはわからない話も多かった。
令息たちは、シャルロッテに好印象を持った。
綺麗で雰囲気が柔らかく笑顔が可愛い、しかも公爵令嬢である。
お転婆なところを知らない者にはおしとやかな令嬢に見えた。
令嬢たちは、そんな令息たちの機微に気づいた。
自分が悪者にならないような言い回しで、軽く馬鹿にしたり、怒らそうとしたり、泣かそうとしたり。
シャルロッテは、そんな令嬢たちの攻撃も気にすることもなく躱していった。
何なら、狙いが単純すぎて笑いたくなったほどである。
そんなお茶会を数回こなした時、問題が起こった。
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