14 / 16
14.
しおりを挟む今のこの国の国王陛下はジャクリーンの兄だ。
そして、子供が3人。全員王子だ。
王太子は、昨年隣国の王女と結婚した。
第二王子は17歳で同じ歳の公爵令嬢ブリジットが婚約者。来年結婚する。
第三王子は15歳で同じ歳の侯爵令嬢キンバリーが婚約者だった。
そして、この第三王子が問題を起こした。
公爵令嬢のシャルロッテがいるのだから、侯爵令嬢キンバリーは格下だから婚約破棄する。
シャルロッテと結婚して公爵家を自分が継ぐ。
発言は問題だらけだった。
まず、シャルロッテにはジェットという婚約者がいるままだ。
そして、侯爵家は第三王子の婿入り時に公爵家となる予定だった。
さらに、シャルロッテは跡継ぎではないので結婚しても公爵家には残らない。
しかも、シャルロッテの弟である跡継ぎのルパートは第三王子の従弟でもあるのだ。
キンバリーの父、侯爵は激怒。
王家からの打診で結んでいた婚約を白紙にしてまで第三王子を受け入れた。
ちなみに、これは現国王ではなく前国王が打診したものだ。
ジャクリーンに引き続き、前国王は婚約を強行していた。
キンバリーとの婚約は破棄され、シャルロッテの公爵家も受け入れるはずもなく、第三王子は幽閉となった。
しかし、侯爵はそれが許せずに、国王に処遇を提案した。
三つ離れた国の前国王の元側妃はまだ25歳。
5年前に亡くなった前国王に気に入られていた女性は好待遇で離宮に住んでいる。
彼女は問題を起こした王子や令息を更生しているという話だ。
そこで更生した者は、その国でそのまま暮らすことを望むので帰っては来ないだろうが。
幽閉などと、ただ飯食らいを置くよりも、その方がいいのではないか?
国王は侯爵の提案を受け入れて、かの国に打診をしたところ喜んでと返事が来た。
そして16歳になったばかりの第三王子はこの国から出て行った。
国王は知らないが、かの国は男色の者が多い。
元側妃は送られて来た王子や令息を、まず自分が味見をしてお互いに楽しむ。
その姿を、男を犯したい者にも男に犯されたい者にも見学させるのだ。
この後、女を抱いて満足した生活が、突如男相手に代わり狼狽えることになる。
そして見学者から希望者を募り、先に男に犯されたい者のところへ順番に届ける。
素質のある王子や令息は、指示に従い男を犯す。素質がなければ薬でソノ気にさせる。
穴が変わるだけで挿入するのは自分なので、まだ受け入れられる。
しばらくすると、男を犯す側だったのが次は犯される側になって順番に届けられる。
中には自分が犯した男の痴態を見て、犯されてみたいと思っている者もいる。
どうしても嫌がる者もいる。だが、それが好みで犯したい男もいるのだ。
たまに、ものすごく好みで専属でさらっていく男もいる。
王子や令息は、どこの国でも見目麗しい者が多いため、大人気なのである。
だが、次々とやってくる男を楽しみに待つ者が多い。
もちろん、専属は専属で屋敷にも置いているのだ。
元側妃はいろんな男と楽しめて、男色の貴族たちはやってくる男と楽しめて、貴族の奥方たちは庶子をつくられるよりも男の愛人の方がいいという国柄で。
酔った貴族が使用人の男や平民の男を襲うという事件がなくなってホッとしたのが国王で。
毎月のように近隣諸国から送られてくる男たちを喜んで受け入れていた。
200
あなたにおすすめの小説
【完結】夫が私に魅了魔法をかけていたらしい
綺咲 潔
恋愛
公爵令嬢のエリーゼと公爵のラディリアスは2年前に結婚して以降、まるで絵に描いたように幸せな結婚生活を送っている。
そのはずなのだが……最近、何だかラディリアスの様子がおかしい。
気になったエリーゼがその原因を探ってみると、そこには女の影が――?
そんな折、エリーゼはラディリアスに呼び出され、思いもよらぬ告白をされる。
「君が僕を好いてくれているのは、魅了魔法の効果だ。つまり……本当の君は僕のことを好きじゃない」
私が夫を愛するこの気持ちは偽り?
それとも……。
*全17話で完結予定。
エメラインの結婚紋
サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢エメラインと侯爵ブッチャーの婚儀にて結婚紋が光った。この国では結婚をすると重婚などを防ぐために結婚紋が刻まれるのだ。それが婚儀で光るということは重婚の証だと人々は騒ぐ。ブッチャーに夫は誰だと問われたエメラインは「夫は三十分後に来る」と言う。さら問い詰められて結婚の経緯を語るエメラインだったが、手を上げられそうになる。その時、駆けつけたのは一団を率いたこの国の第一王子ライオネスだった――
あなたのためなら
天海月
恋愛
エルランド国の王であるセルヴィスは、禁忌魔術を使って偽の番を騙った女レクシアと婚約したが、嘘は露見し婚約破棄後に彼女は処刑となった。
その後、セルヴィスの真の番だという侯爵令嬢アメリアが現れ、二人は婚姻を結んだ。
アメリアは心からセルヴィスを愛し、彼からの愛を求めた。
しかし、今のセルヴィスは彼女に愛を返すことが出来なくなっていた。
理由も分からないアメリアは、セルヴィスが愛してくれないのは自分の行いが悪いからに違いないと自らを責めはじめ、次第に歯車が狂っていく。
全ては偽の番に過度のショックを受けたセルヴィスが、衝動的に行ってしまった或ることが原因だった・・・。
[完結]姉の専属騎士様が好きなのです。
くみたろう
恋愛
マリアベルの双子の姉、ナターシャには常にそばに居る専属騎士がいる。
その人は実家も侯爵家で見目麗しく優しく、そして強い。
そんな姉の専属騎士に恋するマリアベルだが、あと1年で婚約者と結婚する。
真逆の姉妹と専属騎士のお話。
ふわふわ設定です。
これおかしいよー、とかあっても優しく見守ってくださると嬉しいです。
9話完結。
悪役令嬢とバレて、仕方ないから本性をむき出す
岡暁舟
恋愛
第一王子に嫁ぐことが決まってから、一年間必死に修行したのだが、どうやら王子は全てを見破っていたようだ。婚約はしないと言われてしまった公爵令嬢ビッキーは、本性をむき出しにし始めた……。
冷たかった夫が別人のように豹変した
京佳
恋愛
常に無表情で表情を崩さない事で有名な公爵子息ジョゼフと政略結婚で結ばれた妻ケイティ。義務的に初夜を終わらせたジョゼフはその後ケイティに触れる事は無くなった。自分に無関心なジョゼフとの結婚生活に寂しさと不満を感じながらも簡単に離縁出来ないしがらみにケイティは全てを諦めていた。そんなある時、公爵家の裏庭に弱った雄猫が迷い込みケイティはその猫を保護して飼うことにした。
ざまぁ。ゆるゆる設定
王太子殿下が、「国中の未婚女性を集めて舞踏会を開きたい」などと寝言をおっしゃるものですから。
石河 翠
恋愛
主人公のアレクは、ある日乳兄弟である王太子に頼みごとをされる。なんと、国中の未婚女性を集めて舞踏会を開きたいというのだ。
婚約者がいない王太子による、身分の垣根を越えた婚活パーティー。あまりにも無駄の多い夜会であること、何より「可愛い女の子のドレス姿が見たい」という下心満載の王太子にドン引きしつつも、王太子の本音に気がつき密かに心を痛める。
とはいえ王太子の望みを叶えるべく奔走することに。しかし舞踏会当日、令嬢の相手をしていたアレクは、怒れる王太子に突然からまれて……。
転生後の人生を気ままに楽しむヒロインと、ヒロインにちっとも好意が伝わらないポンコツ王子の恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
表紙絵は、チョコラテさまの作品(写真のID:4099122)をお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる