両親のような契約結婚がしたい!

しゃーりん

文字の大きさ
2 / 16

2.

しおりを挟む
 
 
あんなにイチャイチャしている両親が恋愛結婚ではなかったことに驚いたルチェリアは、そのまま兄の部屋を訪れた。兄にも驚いてほしかったから。


「お兄様、いらっしゃる?」


兄の部屋をノックしながら聞いてみると、『入っていいよ』と声がしたのと同時に兄の侍従が扉を開けてくれたので中に入った。
ソファには兄のレンフォードと兄の友人であるエドガー様がいた。
エドガー様は今年学園に入った兄のクラスメイトで、前から知り合いではあったけれど仲が良くなって遊びに来るようになった。


「あ、エドガー様がいらしたのですね。失礼しました。」

「いいよ。おいで。何かあったのか?」


兄が自分の隣に座るようにソファをポンポンと叩きながら言った。


「何かというか……えっと……」


エドガー様の前で話しても問題ないのかしら。と悩んでしまった時、エドガー様が嘆くように言った。


「僕が居ては話せない深刻な悩みなのかな?それとも僕は頼りにならない?
 レンだけでなく、僕も相談には乗れるよ?……迷惑かな。」

「あ、いえ。そういうわけではないのです。
 えっと、じゃあ。エドガー様のご両親は政略結婚ですか?恋愛結婚ですか?」

「うち?うちは政略結婚だね。10年以上前に結婚した人たちは政略結婚が多いからね。
 君たちのご両親もそうでしょ?違うの?」

「あぁ、うちは爵位的に政略結婚だと思われているかもしれないが、恋愛結婚だと思うよ。」

「へー。公爵様はクールな方だと聞いてたけど恋愛なんだ。」

「それが……さっき、お母様に恋愛結婚ではないって聞いて驚いてしまったの。
 お兄様も恋愛結婚だと思っていたでしょ?驚くでしょ?」


兄は驚いた顔をしていた。兄は父に似てクールなタイプ。
家族の前では表情に出やすいけれど、家族以外には無表情が多いらしい。


「そうか。てっきり恋愛結婚だと思い込んでいた。」

「でしょ?しかもね、お互いの条件が合ったから婚約することにしたって言うの。」

「条件?婚約・結婚に望む条件を出し合ったってことか?契約結婚なのか?」

「契約書があるかは知らないけれど、そうみたい。」

「どんな条件なんだ?」

「それは……教えてくれなかったの。内緒って。
 でね、今、話しながら思ったんだけど、私も自分が結婚相手に望む条件を考えてみたいの。
 伯父様がうるさいから、自分が納得する結婚に向き合おうと思って。
 来年、入学するまでに理想の相手っていうか条件と照らし合わせたら探しやすいかと思って。
 一目惚れしてのめり込むような恋愛は私には無理だから契約ならいいかと思って。」

「自分が納得する結婚…か。まぁ、最低限の条件っていうのは必要だと思うよ。
 例えば、ルチェは公爵令嬢だから子爵や男爵、商人や平民との結婚は避けたい。
 ルチェが惚れ込んだ男に見込みがあれば可能性はあるが、学生で将来性があるかは判断できない。
 そんなギャンブル的な結婚を親が許すはずないだろう?
 となると、最初から条件を伯爵令息以上にしておけば問題ないわけだ。」

「そうね。そういう意味では、ほとんどの人が条件を考えて相手を選んでいるってことね。
 うん。じゃあ、まずは『伯爵令息以上』で『跡継ぎ』これを条件にするわ。」

「ルチェリア嬢は、これから条件を考えて理想の契約結婚をするってことだね。
 面白そうだし自分にも参考になりそうだ。僕も手伝うよ。」


エドガー様がそう言ってくれた。チラッと横に座る兄に目を向けると溜め息をつかれた。


「そうだな。ルチェが一人で考えると心配だ。思いついた条件は隠さずに言うこと。
 男側からその条件をどう思うかも知りたいだろう?」

「そうね。ありがとう、お兄様、エドガー様。」
 

こうして、ルチェリアの結婚相手に望む条件探しは始まった。
 


 


 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

白い結婚は無理でした(涙)

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。 明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。 白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。 現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。 どうぞよろしくお願いいたします。

婚約者が最凶すぎて困っています

白雲八鈴
恋愛
今日は婚約者のところに連行されていました。そう、二か月は不在だと言っていましたのに、一ヶ月しか無かった私の平穏。 そして現在進行系で私は誘拐されています。嫌な予感しかしませんわ。 最凶すぎる第一皇子の婚約者と、その婚約者に振り回される子爵令嬢の私の話。 *幼少期の主人公の言葉はキツイところがあります。 *不快におもわれましたら、そのまま閉じてください。 *作者の目は節穴ですので、誤字脱字があります。 *カクヨム。小説家になろうにも投稿。

結婚結婚煩いので、愛人持ちの幼馴染と偽装結婚してみた

夏菜しの
恋愛
 幼馴染のルーカスの態度は、年頃になっても相変わらず気安い。  彼のその変わらぬ態度のお陰で、周りから男女の仲だと勘違いされて、公爵令嬢エーデルトラウトの相手はなかなか決まらない。  そんな現状をヤキモキしているというのに、ルーカスの方は素知らぬ顔。  彼は思いのままに平民の娘と恋人関係を持っていた。  いっそそのまま結婚してくれれば、噂は間違いだったと知れるのに、あちらもやっぱり公爵家で、平民との結婚など許さんと反対されていた。  のらりくらりと躱すがもう限界。  いよいよ親が煩くなってきたころ、ルーカスがやってきて『偽装結婚しないか?』と提案された。  彼の愛人を黙認する代わりに、贅沢と自由が得られる。  これで煩く言われないとすると、悪くない提案じゃない?  エーデルトラウトは軽い気持ちでその提案に乗った。

氷の騎士と契約結婚したのですが、愛することはないと言われたので契約通り離縁します!

柚屋志宇
恋愛
「お前を愛することはない」 『氷の騎士』侯爵令息ライナスは、伯爵令嬢セルマに白い結婚を宣言した。 セルマは家同士の政略による契約結婚と割り切ってライナスの妻となり、二年後の離縁の日を待つ。 しかし結婚すると、最初は冷たかったライナスだが次第にセルマに好意的になる。 だがセルマは離縁の日が待ち遠しい。 ※小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。

あなたを愛すことは無いと言われたのに愛し合う日が来るなんて

恵美須 一二三
恋愛
ヴェルデ王国の第一王女カルロッタは、ディエゴ・アントーニア公爵へ嫁ぐことを王命で命じられた。弟が男爵令嬢に夢中になり、アントーニア公爵家のリヴィアンナとの婚約を勝手に破棄してしまったせいだ。国の利益になるならと政略結婚に納得していたカルロッタだったが、ディエゴが彼の母親に酷い物言いをするのを目撃し、正義感から「躾直す」と宣言してしまった。その結果、カルロッタは結婚初夜に「私があなたを愛すことは無いでしょう」と言われてしまう……。 正義感の強いカルロッタと、両親に愛されずに育ったディエゴ。二人が過去を乗り越えて相思相愛の夫婦になるまでの物語。 『執事がヤンデレになっても私は一向に構いません』のスピンオフです。

『白い結婚』が好条件だったから即断即決するしかないよね!

三谷朱花
恋愛
私、エヴァはずっともう親がいないものだと思っていた。亡くなった母方の祖父母に育てられていたからだ。だけど、年頃になった私を迎えに来たのは、ピョルリング伯爵だった。どうやら私はピョルリング伯爵の庶子らしい。そしてどうやら、政治の道具になるために、王都に連れていかれるらしい。そして、連れていかれた先には、年若いタッペル公爵がいた。どうやら、タッペル公爵は結婚したい理由があるらしい。タッペル公爵の出した条件に、私はすぐに飛びついた。だって、とてもいい条件だったから!

とある公爵の奥方になって、ざまぁする件

ぴぴみ
恋愛
転生してざまぁする。 後日談もあり。

冷たかった夫が別人のように豹変した

京佳
恋愛
常に無表情で表情を崩さない事で有名な公爵子息ジョゼフと政略結婚で結ばれた妻ケイティ。義務的に初夜を終わらせたジョゼフはその後ケイティに触れる事は無くなった。自分に無関心なジョゼフとの結婚生活に寂しさと不満を感じながらも簡単に離縁出来ないしがらみにケイティは全てを諦めていた。そんなある時、公爵家の裏庭に弱った雄猫が迷い込みケイティはその猫を保護して飼うことにした。 ざまぁ。ゆるゆる設定

処理中です...