両親のような契約結婚がしたい!

しゃーりん

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それからしばらくして、また家に遊びに来たエドガー様と出会った。


「やあ、ルチェリア嬢。あれから条件は思いついたの?」

「ええ。少しですが。」

「じゃあ聞いてみていいかな?」


エドガー様の言葉に、お兄様がどう思うかとチラッと様子を見ると頷いたのでサンルームでお茶を飲みながら話すことになった。


「条件には自分の好みを入れた方がいいと思うのです。」

「好み?外見の?」

「ええ。結婚相手とはずっと暮らしていくのですから、苦手な外見の方を選ぶ必要はないかと。」

「どういうのが苦手なの?」

「……赤い目、とか。」

「ああ、ルチェは物語の魔王が怖いんだったな。」


お兄様に魔王のことを暴露されてしまったわ。恥ずかしい。
  

「なるほどね。他には?」

「ひ弱な方はちょっと……」

「ルチェはお姫様抱っこが好きだもんな。」


またまたお兄様に暴露されてしまったわ。


「え?誰にしてもらってるの?」

「僕だけど。」


当然のようにお兄様が答えると、エドガー様はマジマジとお兄様の体つきを眺めた後、腕に触れた。


「お前、意外と筋肉あるんだな。」
 
「ルチェは軽いからな。多分、1時間くらいなら平気だと思う。
 まだまだ成長期だけど、ルチェがどんなに大きくなっても抱っこできると思うよ。」


そのためにレンフォードは鍛え始めたのだから。
ルチェリアの願いは可能な限り叶えようとレンフォードは思っている。


「……それ、学園で言うなよ?お前の前で倒れる令嬢が増えるぞ。」

「言わないよ。それに、誤解や責任を取らないといけないような行動は避ける。」

「でも、目の前で倒れたら?」

「学園みたいにあちこち生徒がいる中で、お互いしかいない場所ってほとんどないぞ?
 令嬢が一人で行動するなんて怪しすぎる。なら、僕が助ける必要もないだろう?」

「まあ確かに?どうして倒れているかもわからないから教師を呼べばいいしな。」

「ルチェも学園内で絶対に一人で行動するのはダメだ。
 呼び出しに応じる必要はないけど、絶対に複数人が見えるところにいること。」

「わかったけど……学園って思っていたよりも危険?」


倒れている令嬢がいても、介抱するだけで誤解や責任を取らされるくらい疑われるの?
呼び出されて一人で行ったら、それも誤解されるの?


「ルチェ、学園が危険じゃないとは言えない。いろんな争いの場だからな。
 恋愛結婚が主流となった今、少しでも条件の良い結婚を誰もが望む。
 例えば、倒れた令嬢を抱き上げて運んでいる時に人前でキスされたら?
 どっちがしたのかは関係ない。噂になれば有利だ。
 まぁ、うちの場合は万が一そんな手口に引っかかっても断固拒否するけどな。
 面倒だから、引っかかりたくもない。
 それを避けるためには一人にならない。安易な手助けはしない。これが大事だ。」


お父様とお兄様がクールだと言われるのがわかる気がする。
こうやって、徹底的に回避するためにワザとクールな素振りで令嬢を近寄らせないようにしているのだと思う。
 
それで男性にチヤホヤされたい令嬢、人前でもイチャイチャしたい令嬢は寄ってくることはない。
残るのは、爵位目当てと贅沢がしたい令嬢、あるいはお兄様の本質を見極めている令嬢かな。

お兄様は、お父様同様とても優しいのだから。




 
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