いくつもの、最期の願い

しゃーりん

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そしてローザとサリーについては、お父様の方で出自や毒のことを尋問してください。
彼女たちは特殊な毒を作っていた、ある暗殺稼業の一族のようです。
製造場所がバレて散り散りになったとか。

もう手元に残っている毒しかないと言っていましたが、二人の手元にあとどれだけあるのかはわかりません。
他にも同じように毒を持って逃げた一族がいるはずです。

捜査は国に任せてもいいと思います。



あとはデボラの今後のことですが、私としては幽閉するべきではないかと思います。

母親や姉を殺す指示をしたと公になれば、デボラは殺人教唆で最悪極刑かもしれません。
私が殺されたことが噂されればルイスが可哀想ですし、お兄様のアドレー伯爵としての将来にも傷をつけることになるでしょう。

ですので、デボラが公に裁かれることを私は望んでいません。

それに今でさえ、デボラの評判はあまりよくありません。
学生の間はお茶会や夜会も少ないですが、卒業後に恥をかくのはあの子です。
そして我が儘なあの子では、誰にどんなことをするかわかりません。
そして責任はアドレー伯爵家に向かうのです。

ですので、お母様や私を殺した罪を公にしなくても、デボラを無罪放免にするべきではありません。

アドレー伯爵家の家名を守るためには、結婚させず、社交させず、閉じ込めるべきでしょう。

ですが、その判断はお父様にお任せします。


お父様は信じられない思いでこの手紙を読んだことでしょう。
信じるか信じないかもお父様にお任せします。

ですが、私の葬儀を終えるまで、デボラには何も聞かないでください。

あの子の性格なら、葬儀を終えてすぐにでもアイザックに後妻になると言い出すでしょう。
アイザックが再婚していると知って、デボラは淑女の欠片もなく怒りを顕わにするでしょうね。

その姿を見ることはできませんが。 

デボラを恨んでいるわけではありません。
甘やかしたせいもありますが、あの子を歪ませたのがローザだと気づくことができなかったのですから。


ですが、ルイスに手をかけることは絶対に許せません。

デボラの怒りがルイスに向かないよう、デボラを遠ざけてほしいということが、お父様への最期の願いです。 


お父様の判断で、お兄様にもこの手紙を読んでもらって構いません。
お兄様と結婚したばかりのお義姉様がデボラに害されなくて幸いでした。
アドレー伯爵家を継ぐお二人のために、最善を考えてください。


優しいお父様、大好きでした。
一足先に、お母様のもとへと旅立ちます。

エステルより
 

ーー*ーー*ーー*ーー*ーー*ーー

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