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しおりを挟む友人たちにも、以前の記憶が戻ったこと、この一年の記憶はないことを学園で報告した。
「仲良くしてくれていたことを覚えていないのですが、これからも友人でいてくださる?」
「「「もちろんです!」」」
彼女たちの笑顔を見て、ダイアナにも笑みがこぼれた。
こうして楽しい毎日を過ごしていたから、笑顔が増えていたのだと納得した。
実は、記憶をなくしていた間のダイアナは、日記をつけてくれていた。
自分が書いていたというのに、見つけた時は泣いてしまいそうなくらい嬉しかった。
なので、友人たちとどのように過ごしたかは知っているが、今のダイアナと新たに友人になってもらいたかったのだ。
学園をを卒業するまであと二か月、いや、卒業式まではあとひと月と少ししかなかったが、ダイアナは学園生活を楽しんだ。
そして最後の試験では、ダニエルと一緒に1番となった。
卒業式まであと一週間という頃、父が衝撃的なことを言った。
「ジルベール殿下が捕縛された。」
「え!?……何をしたのです?」
ジルベールは卒業後、ミオナ・クラークス男爵令嬢と結婚して伯爵になるのではなかったか。
領地の管理、経営について学んでいると聞いていたのに。
「国王陛下を害そうとしたらしい。害すると言っても暗殺ではなく、薬で操ろうとしたらしい。」
「操る?」
「その辺はまだ詳しくわかっていないが、薬を嗅がせて暗示にかけようとしたとか。」
暗示?
ジルベールが?
詳細がわかったのは、ダイアナが学園を卒業してからのことだった。
父が悲痛な顔をしてダイアナに話した。
「ダイアナ、お前の記憶喪失は仕組まれたものだった。」
「仕組まれた?どういうことですの?」
「暗示だ。今回、国王陛下に使われようとした手段と同じということだ。ジルベールは先にお前で試したんだ。」
「わたくし、ジルベール様に何かされた覚えはございませんが?」
ジルベールの執務をしていたり、学生会長の仕事をしていたりで、あまり会話はなかった。必要事項を伝える以外は遠ざけられていたのに、いつ暗示にかけられたと?
「侍女を使ったらしい。辞めたリサのようだ。」
「リサが……。彼女の結婚相手は元近衛騎士でしたわね。ジルベール様に結婚相手を紹介してもらうことが条件だったのかもしれませんね。」
王都にいたいと言っていたはずのリサ。
それなのに、辺境で暮らすことになったのは、ジルベールがリサを遠ざけるために近衛騎士を辞める辺境伯の三男と結婚させたのかもしれない。
話が違うと思っても、王族であるジルベールに歯向かうことはできなかったのだろう。
ダイアナがリサの相手を探すのに手間取ったせいかもしれない。
エリスと話し合うのではなく、リサと直接話し合っていれば、ダイアナが探しているとわかってくれていたかもしれないと後悔した。
しかし、いったいリサはどうやってダイアナに暗示にかけたというのだろうか。
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