家族に裏切られて辺境で幸せを掴む?

しゃーりん

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私は伯父様に従兄たちの第二夫人になることを勧められないように、多妻はごめんだとはっきり言った。


「伯母様たちや従兄様の奥様たちを非難しているのではないのです。
 それぞれ、納得して結婚なさったのでしょうから。
 私がこれから辺境で働くにあたって、私の気持ちを伯父様に知っていてもらいたかったのです。
 おそらく、辺境の騎士様方の中で愛人や娼婦は不要で奥様一筋という方は少ないでしょう。
 私が辺境で結婚相手を探す。その可能性がないということを言いたかったのです。」

「……わかった。確かに妻一筋は少ないな。いや、いないことはない。ちゃんといるぞ?
 だが、辺境は妻がいても娼館に行くことが当たり前のような土地になってしまった。
 王都や他領から見れば、それは異常なんだろうな。
 まぁ、その分、無理やり女性を連れ込もうなんて男はほとんどいない。
 プリムも誘われるだろうが、ちゃんと断れば問題ない。
 俺の姪だと知ってる奴も多いから大丈夫だろうが、大人になったからな。気をつけろ。」

「はい。」
 

騎士以外にも働いている男はたくさんいる。
そして辺境は独自の考え方で発展してきた。
娼婦を抱いて性欲を発散させることは、辺境の男にとっては汗をかく運動に等しいのだ。
つまりは騎士以外にもその考え方は広がっているというだけで。

愛妻家に見えても、それとこれとは別。というわけ。

 


約3年半ぶりの辺境に着いた。

お久しぶりの人たちと、初めましての従兄の奥様方やお子様方とも挨拶を交わし、しばらくは屋敷内で部屋をもらうことにした。
辺境に住み続けることになれば、いずれはどこかに部屋を借りてもいいかもしれない。

まぁ、それは2年後に私からチェリムに跡継ぎ登録が変更できてからの話かな。 

どこの治療院でも雇ってくれると思うから、辺境にこだわる必要もないし。
両親やチェリム、クラレンスに会いたくないから王都から出たかっただけ。

チェリムの結婚相手が問題なさそうな人だったら、グレイブ領で働いてもいいしね。

わざわざ会いに行かない限り、両親やチェリムには会うこともない。
領地の街も好きだったから、ふとそう思った。

王都で働いて知り合いの貴族に出くわすよりもよっぽどいい。

貰った慰謝料がたっぷりある。
どこに住んでも家を買えるし、働くので家事をする使用人を雇うこともできる。

うん。跡継ぎにならなくても自分の将来はなんとかなるだろう。そう思えた。
 


1週間ほど、屋敷内や騎士団の人たちに顔を覚えてもらったり、辺境の街をゆっくりと散歩していろいろと覚えて回った。
その後、治療院で働き始めた。

治癒の魔力は病気には劇的に効かない。薬師による投薬の方が効果が高い。
効かないわけではないが、少しずつ時間をかけてじゃないと治療できないのだ。

怪我の方がよく効く。

なので、魔獣と戦って怪我を負う騎士が多い辺境で働くことが治癒魔力の使い手としては一番忙しいといえる。
 

そうして、辺境で新しい生活を始めてからふた月が過ぎた頃、手紙が届いた。

差出人は元同級生で友人の子爵令息。中身はクレーム?だった。
 
 

 
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