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しおりを挟む辺境伯家に住まわせてもらっている私のところに届いた手紙。
それは、元同級生のコリン・レモール子爵令息からだった。
彼は自分の父親から私がクラレンスと婚約を解消したことを聞いた。
改めてグレイブ伯爵家が婿入りをしてくれる相手を探していると知り、手を挙げた。
しかし、顔合わせで向かったグレイブ家にいたのは私ではなくチェリム。
プリムはどうしたのかと聞くと、辺境で働いていると言われた。
跡継ぎはチェリムになる予定だと聞き、グレイブ家の将来が不安になった。
なので縁談を断ろうと思ったのに、コリンの頭の良さが必要だと伯爵には言われ、外見が合格だとチェリムに言われ、散々な見合いだったと書いていた。
結局、縋りつかれて婚約者候補として会うことになったが、チェリムの成績がひどすぎて卒業までに合格ラインに達するかわからないという。
毎週、勉強を教え始めたが、覚えたはずのことをすぐに忘れていく。
チェリムが跡継ぎになるのならば、確かに頭の良い婿が必要になるとわかった。
クラレンスでは駄目だっただろう、と。
あまりに不安すぎて、正式に婚約することができない。
なので、自分も王城での仕事を辞めていない。
どうしてプリムを跡継ぎから降ろそうとグレイブ伯爵は考えたのか。
おバカなチェリムはどこかに嫁がせて、プリムが戻ってくる気はないのか。
そんなことがグチグチと書いてある手紙だった。
うーん。コリンかぁ。真面目な彼ならグレイブ伯爵家を任せられそう。
父はなかなかいい男に縋りついたのではないだろうか。
だけど、チェリムと合うかなぁ?
なんだかチェリムがずっと怒られてそうなイメージしか湧かないんだけど?
まぁ、彼ならチェリムの成績を上げることが可能かもしれない。
家庭教師は諦めて辞めてしまったけれど。
とりあえず、頑張ってほしい。遠くの辺境からコリンとチェリムを応援してるわ。
卒業時に跡継ぎ登録ができるような成績にまで上げてね。
というような返事を一応書いておいた。
私の今の新しい生活を邪魔しないでほしい。
友人もできて、今はとても楽しいのだ。
王都にいた時よりも、貴族らしい生活をしなくて済む。
服装も化粧も、とても楽。
魔獣や獣の恐怖があるのに、開放感も感じられる。
大らかな気持ちになれる。
多妻や愛人、娼婦を求める理由が少しだけわかった気がする。
死が近い分、生きて帰った安心感が、より性欲を高まらせるのだろう。
妊娠中だったり、育児中だったりで奥さんにぶつけられない性欲を別の女性が受け入れてくれる。
その習慣がこの辺境では当たり前になっているから。
これは、本当にここでしか通用しない、してはいけない文化だと思うけど。
自分は受け入れることはできないけれど、必要だから続いている文化なのだと思った。
けれど思った。
辺境で暮らす女性たちの器が大きいから、男性たちは図に乗りすぎているのではないか、と。
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