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しおりを挟むプリムはコリンとすぐに婚約を結び、半年後に領地で結婚式をあげた。
チェリムが学園を卒業してすぐのことだった。
そして、そのまま領地で暮らし始める。
社交シーズンには数回王都に行く程度に決めて、夫婦としてのお披露目も知り合いの夜会で済まそうということになった。
そしてさらに半年後は、チェリムの結婚式。
式の前、控室にクラレンスが来たことには驚いた。
クラレンスはプリムとの婚約破棄後、チェリムの婚約者にもなれず、他の家に婿入りもできなかったことで、実家のネーブル伯爵領へと追いやられて働いていた。
そこでチェリムの結婚を耳にした。
相手の名前がチェリムが嫌がっていた子爵令息だと思い出し、自分がチェリムを救わねば!とチェリムを救うつもりで駆けつけて来たという。
「さあ、僕と逃げよう。チェリム。」
「はあ?冗談じゃないわ。大好きな人と結婚するのに、どうして逃げる必要があるのよ。」
「君は僕を受け入れてくれてたじゃないか。」
「たった2日だけね。人生の汚点よ。愚かな考えだったし、あなたを好きでもなかった。
あなたとの婚約はとっくの昔に断ったし、私は彼を愛しているの。邪魔しないで!」
「そ、そんな。……あ、プリム。プリムはどこだ?」
クラレンスがプリムを探し始めたので、コリンがプリムを庇うように前に立った。
「あれ?コリン。どうしてここに?」
「俺はプリムの夫だよ。知らなかったのか?」
「ええ?プリム、結婚したのか?コリンと結婚しても継ぐ爵位はないだろ?」
「お前、情報古いな。というか、家族が誰も伝えてないんだな。
グレイブ伯爵家の跡継ぎはプリムに戻ったんだ。だからチェリムが嫁げるんだろう?」
クラレンスの頭の中はどうなっているのだろうか。
チェリムが跡継ぎのままなら、クラレンスと逃げてどこに向かうつもりだったのだろう。
逃げたら跡継ぎではなくなるのに。
「あれ?じゃあ、僕がプリムの婚約者に戻ったら元通りだったんじゃないか。
プリム、コリンよりも僕の方がいいだろう?」
「いいわけないじゃない。
婚約者をキープしたまま、その妹に告白するような最低男なんて絶対嫌だわ。
それに、私はコリンを愛しているし、コリンも愛してくれてる。幸せなの。
もう私にもチェリムにも近づかないでね。人妻なんだから。」
「これ以上問題を起こす前に、領地へ帰れ。
騒いで騎士がやってくると、捕まることになるぞ?
そうなったら領地にも置いてもらえず、平民になって一から仕事を探すことになる。
今なら祝いを言いに来たことにしてやるから、早く出て行け。」
クラレンスは扉の前の護衛を押しのける形で入って来たため、両側から腕を捕らえられたままである。
このまま歓迎されない客として追い出されたり、危害を加えにきたと騎士に報告することも可能なのだ。
そうなると、逆恨みされる可能性もある。
コリンは穏便に済ませるために、クラレンスを宥めるようにそう言ったのだ。
「あ、そ、そっか。プリムもチェリムもいい相手が見つかった、んだな。
う、うん。おめでとう。祝福するよ。じゃ、じゃあ、僕はこれで。」
自分のしていることが問題行動であると認識したクラレンスが祝いの言葉を述べたので、コリンは腕を離してやるように言い、クラレンスは慌てて出て行った。
「アイツ、元々は小心者だからな。大それたことはできやしない。
だが、自暴自棄になられても困るから、穏便に済ませた方が安心だ。」
結婚式前に大事にならずに済んでよかったとみんなでホッとした。
チェリムの結婚式は無事に終わり、子爵家へと嫁いだ。
父が立て替えた私への慰謝料がまだ2年半分残っていたけれど、まあ、それは忘れてあげよう。
領地へと戻った私とコリンは、ようやく落ち着いたので子作りを始めることにした。
避妊薬を飲まなくなると、すぐに妊娠して立て続けに2人産んだ。
コリンは私生活と仕事の時とは切り替えているらしく、私生活ではものすごく甘い。
私が疑いを持つような怪しい行動は絶対にしないし、言葉でも行動でも好意を伝えてくれる。
もちろん、子供たちも可愛がってくれる。
領地の街でも、妊娠したら男がいなくなった女性や、夫に浮気されて離婚された女性がたくさんおり、小さな子供を抱えて働けなくて困っているという話を耳にした。
そこで、空間収納にポイッと入れたまま忘れている慰謝料を使って、子供を預けられる施設を作った。
無責任な男は許せないが、女性や子供が暮らしやすい街にしたい。
子供は次世代の担い手なのだから。
コリンがテキパキと仕事をしてくれるので、プリムは領地内の治療院でも時々働いている。
つまり、結局プリムは全てを手に入れた。
跡継ぎの座も、愛する夫も、可愛い子供も、領地で暮らすことも、治癒魔力を役立てることも。
紆余曲折あったけど、プリムは最高に幸せな生活を手に入れたのだ。
<終わり>
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