聖女になりたいのでしたら、どうぞどうぞ

しゃーりん

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ユリアをクレベール公爵家に招いた日、やってきたのはなぜか三人だった。

ユリアと、養父母となったパルモア伯爵夫妻。
 
リリスティーナは侍女ミミとして出迎えた。


「ようこそお越しくださいました、ユリア様。失礼ですがお招きしたのはユリア様だけですが。」

「私たちはユリアの保護者なのだよ?同席させてもらっても構わないだろう?」

「申し訳ございません。お招きしていない方をお通しするわけにはまいりません。」

「どうせ後で会うことになるんだ。ユリアのことを私たちがアピールさせてもらおうじゃないか。」


ん?話がよくわからない。 


「アピール、とは?」

「ユリアを養女にしようと公爵はお考えなのだろう?亡くなった娘の代わりに。」


はあ?なんでそんな勘違いを……
 

「そういう意図でユリア様をお招きしたわけではございません。」

「またまた、侍女だから知らないだけだろう?とにかく、同席させてもらおう。」 

「お通しできるのはユリア様だけです。お帰りになる気がないのでしたら、こちらでお待ちくださいませ。」


リリスティーナは玄関近くにある部屋を示した。 
主人に同行してきた侍女らが待つための部屋でもある。

リリスティーナに向かって怒鳴ろうとした伯爵に執事が声をかけた。
 

「ここはクレベール公爵家にございます。お約束のない方を、たとえ伯爵であろうとお通しするわけにはまいりません。旦那様にはお伝えいたしますが、お声掛けがなければお帰りいただくことになります。」
 

執事の毅然とした態度に、ようやく自分たちが不作法だと気づいたのか、大人しく部屋へと入っていった。

どこかホッとした様子のユリアを連れて、リリスティーナは両親の待つ部屋へと向かった。



カチコチに固まっていたがなんとか公爵夫妻に挨拶をしたユリアは、突然謝罪をした。
 

「姉が、リリスティーナ様に大変申し訳のないことをしてしまいました。お詫びいたします。」


ウォルタス殿下の浮気相手だったからね。
 

「ユリア嬢、君はちゃんと状況を把握できているようだが、養父母は馬鹿なのか?」


先ほどの養女発言は既に両親の耳にも届いているらしい。


「重ね重ね申し訳ございません。リリスティーナ様を傷つけた女の妹である私を養女にすることなどあり得ないと言ったのですが、すっかり思い込んでしまい聞く耳を持ちません。」

「降って湧いたような伯爵という地位のせいで、舞い上がっているのか思い上がっているのか。
いっそのこと廃爵にした方がよかったのかもしれないな。とりあえず、子爵にでも降爵するか。」
 

まぁ、確かに伯爵にしておくには問題がありそう。
あれでは他の高位貴族から爪弾きされてしまうのでは?
 
伯爵を子爵に。伯爵の器ではない男だもの。
父が国王陛下に申し入れれば、受け入れられることでしょうね。 



 
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