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しおりを挟むユリアの姉、リオーネが治癒に来た日の夜、リオーネは逮捕された。
理由は、『聖女を攫う指示』をしたため。
リオーネは聖女を攫おうとしたのではなく、妹を連れてきてもらおうと思ったと供述しているが、そんな言い訳を認めるわけがない。
いや、実際のところはユリアを売り払って金にしようとしたというのが正しいのだろう。
治癒力を求めて聖女を攫っても意味のないことは周知されている。
なので、そういう意味でリオーネがユリアを攫おうとしたわけではないとわかっていた。
子を産ませるわけではないため、24歳になっているユリアでも売れると思ったのだろう。
確かに、ユリアはまだ20歳くらいに見えるのだから。
リリスティーナは自分の周りにも結界を張れるため、自分に触れさせないようにすることができる。
騎士クレッセルも側にいるが、リリスティーナは自分を囮にするために二人で移動していた。
ユリアを攫おうとやってきた男たちは六人。
護衛がクレッセル一人なら簡単に攫えると油断していたのだろう。
リリスティーナはクレッセルの邪魔にならないように自分に結界を張り、身を守った。
その間に、一人、二人とクレッセルに倒されて、最後の二人はクレベール公爵家の騎士が捕らえた。
彼らは少し離れたところから警護しており、クレッセル一人でも十分に全員倒せたが、自分たちの面目のためにも二人捕らえたのだ。
両親や兄に叱責されずに済むだろうとリリスティーナは思った。
人さらいを依頼したのはリオーネであるとすぐにバレた。
そもそも、リオーネは跡をつけられていたのだ。
よくないことを考えていると気づいたリリスティーナの指示で。
まぁ、茶番のような逮捕劇で、人さらい六人以外にも裏稼業の男たち八人も追加で逮捕された。
治安のいい街に見えても、どこにでもあくどい商売をする者たちはいる。
捕らえても、またすぐに違う悪い奴らが出てくるに違いないが、それでも捕まえる意義はあるだろう。
両親や兄には自分を囮にしたことを怒られたが、感謝もしてくれた。
リオーネは罪人になってしまった。
人さらいへの加担は罪が重いため、もう二度と会うことはないだろう。
怯えていたユリアもホッとしていた。
彼女はいつか、両親や姉リオーネに会ってしまうことを恐れていたのかもしれない。
常識外れで欲の強い彼らに会ってしまえば、自分だけでは対処しきれないから。
だから表に出てくるのを嫌がり、リリスティーナと一緒にいることを望んでいたのだろう。
それでも、ユリアはリリスティーナに中に居てほしいといい続けた。
結局、リリスティーナがユリアから次の聖女へと憑依するのは彼女が50歳になる頃だった。
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