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しおりを挟むセレンティナが産んだ二人目の子供は、男の子だった。
一人目のアリアローズよりも少ないが、聖力は感じた。
どちらかと言えば、他の魔力の方が多いようで、治癒はかすり傷が治せる態度かもしれない。
それでも、この子が結婚して女の子が産まれれば、聖力は受け継がれていく気がした。
つまり、女の子は聖力が強く、男の子は魔力が強いが聖力も持っている。
しばらくはそんな感じで広まるのではないか。
聖力が広まるにつれて他の魔力と混じり合い、聖女ほど強い聖力を持つ者は少なくなるだろう。
聖力が特別珍しい魔力という扱いではなくなり、他の魔力同等になるのは何百年後かはわからないけれど。
レイノルズと名付けた男の子はクローヴィスによく似た美しい子である。
アリアローズとは違った可愛さを感じ、それはクローヴィスへの思いの確かさを認めさせた。
『セレンティナとして、クローヴィスを愛している』と。
クローヴィスを好ましく思う気持ちは最初からあった。
それでも、どこかリリスティーナは子供を産む手段だからと言い訳をしていたのだ。
セレンティナとして最後まで生きると決めていたのに。
結婚し、体を重ね、リリスティーナの知らなかった女性としてのその後をセレンティナとして生きている。
クローヴィスはとてもいい夫でいい父親。
最初がコレだと、セレンティナとしての生を終えた次の相手にがっかりしそうだと思った。
アリアローズがあと数か月で4歳、レイノルズももうすぐ2歳、そしてセレンティナのお腹にはあとふた月もすれば産まれてくる第三子がいるときのことだった。
「セレンティナ、愛してる。」
何の脈絡もなく、クローヴィスが真面目な顔でそう言ってきた。
クローヴィスは普段から愛の言葉を口にするタイプではない。
閨ではよく口にするが。
それでも、クローヴィスの気持ちを疑ったことはないし、態度で愛を感じていた。
なのに、いきなりどうしたのだろうか。
「愛しているよ。それは覚えていてくれ。私は君に信頼してもらいたいんだ。」
「信頼……」
していると言いかけて、言葉を飲み込んだ。
セレンティナには隠していることがあるからだ。
もし何か、感づいているのに誤魔化してしまえば、彼は傷つくだろう。
いや、傷つく覚悟をして、そう言っているのだ。
隠していることを話さないようであれば、自分はまだ信頼されていないのだろう、と。
信頼できる時が来たら、話してほしいということなのだ。
問題は、彼が何に気づいたか。
セレンティナが別人であることか、
セレンティナが聖力が使えるということか、
子供たちに聖力があるということか、
どれなのか。
「子供の頃、聖女に治癒してもらったことがあるんだ。」
クローヴィスのその言葉に、何をどこまで感づいているのかがわからなくなった。
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