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しおりを挟むセレンティナは女の子を出産した。
夫クローヴィスの望み通りである。
リリスティーナとしても、最初は女の子である方が聖力を持っているかがわかりやすいのではないかと思っていたため、よかったと思った。
そして、確かに感じる。
聖力があることを。
やはり、リリスティーナの仮説は間違っていなかった。
セレンティナが産む子たちから、治癒が使える聖力を持つ者が広がっていくことだろう。
アリアローズと名付けた子はとても可愛く、クローヴィスはメロメロだった。
リリスティーナも、我が子というのがこんなにも愛おしいものだと初めて知った。
安定期に入るまで公表されていなかったが、同時期に王太子妃も妊娠していた。
少し前に王太子殿下にも男の子が産まれており、アリアローズは最有力婚約者候補になるだろうと父であるボッティ公爵に告げられた時、クローヴィスは膝から崩れ落ちるほどショックを受けていた。
この国の王族が他国の王族と政略結婚をしないのは、国の頂点なのに他国の血が混じるのは如何なものかという考えがあるからだ。
他国の王女が産んだ子が国王になると、いいようにも悪いようにも利用されかねない。
さらに違う国の王女と結婚すれば、一体どこの国の王族だ?となってしまう。
そのため、王族の相手は自国の貴族令嬢であることが多い。
公爵家に年齢のつりあう令嬢が産まれたのだから、最有力となってしまうのは仕方ないことなのだ。
セレンティナの実家、クレベール公爵家の兄嫁が数年以内に女の子を産めば、そちらも候補に挙げられることになるはず。
他の高位貴族も頑張って女の子を産んでほしいというのがクローヴィスの願いらしい。
しかし、リリスティーナとしてはアリアローズが王族に嫁ぐのはいいと思っている。
聖力を持つ子が王族にもいれば、無体な扱いは許さないはずだから。
アリアローズはみんなに可愛がられて愛嬌を振りまきながらスクスクと育っていた。
そして一年後、セレンティナは再び妊娠した。
「今度はどっちがいいの?」
セレンティナがそう聞くとクローヴィスは言った。
「男の子、かな。二人目に性別が変わった方がいいらしいよ。」
「そうなの?」
「二人目も女の子だと三人目も女の子の確率が高いらしい。三人目に性別を変えたければ少し年月を開けた方が変わる可能性もあるけれど、それも絶対じゃないし。」
「そうなのね。知らなかったわ。じゃあ、この子が女の子なら三人目は少し開けてから作るのね。」
クローヴィスは二人は欲しいと言っていたけれど、やはり男の子じゃなければ三人目を考えるだろう。
何人産んでもいいけれど、男の子にも聖力があるかは確かめてみたい。
「いや、別に女の子が続いても構わないけどな。セレンに似た可愛い子たちに囲まれるのも幸せそうだ。」
「あら。あなたに可愛いって初めて言われたわ。」
「そうか?まぁ、綺麗で美しいという言葉の方が似あうが、私にとっては可愛いよ。」
「あ、ありがとう。」
何故か照れてしまった。
そう言えば、閨事の最中には可愛いを連発されていたとふと思い出してしまった。
あの可愛いと今の可愛いは違うとわかっているのにっ!
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