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しおりを挟むその後、クローヴィスとの話し合いで、セレンティナが聖女ほどではないが聖力があるようだということをボッティ公爵夫妻に話すことにした。
子供たちも受け継いでいることも。
ただ、まだ公にはせずに使い方を模索したいということも。
イボンヌには聖女としての記憶はなく、イボンヌの前のクレシアはもう亡くなっているため、何ができるかもわからないのに利用されたくないと言えば納得してくれるだろう。
身を守れる結界を使えるようになるまでは、ボッティ公爵家の僅かな者だけが知っていればいい。
セレンティナは精神干渉ができるが、おそらく子供たちはできない。
できるのであれば、使用人たちの態度が変わってもおかしくないが、侍女たちはアリアローズの我が儘を全て受け入れてはいないし、クローヴィスもそうだから。
おそらく、リリスティーナが精神体であるために、精神に働きかけることができるのだろう。
これは聖力の本来の力とは違う気がする。
これもクローヴィスには話していない。
話すべきことではないと思うから。
公爵夫妻は非常に驚いていたが、セレンティナと子供たちを守ると言ってくれた。
国に届け出するのは子供たちが大きくなって聖力を使いこなせるようになってからとなった。
「アリアローズは確実に王家に取り込まれることになるだろうな。」
義父がそう言うと、クローヴィスはガックリとしていた。
王太子の子である第一王子と同い年なのだから、元々有力候補ではあったが決め手になるに違いなかった。
「この子が女の子なら第二王子殿下というのもいいかもしれませんよ?」
お腹を撫でながらセレンティナがそう言うと、クローヴィスは目を輝かせた。
第一王子は王太子になり、国王になるのが通常である。
となると、アリアローズは王太子妃、王妃になるかもしれない。
そうなってしまうと、親子でも気軽に会える立場ではなくなるのだ。
それに、交流だの教育だのと言って婚約直後から王宮へと向かわされる。
家族で過ごす時間が減ってしまうし、苦労することは間違いないとクローヴィスは思っている。
リリスティーナとしても、都合の悪いことは隠し、記録にも正しく残さない王家はいかがなものかと思うところがある。
臣籍降下する可能性の高い第二王子殿下に嫁いで、貴族の妻になる方が気は楽だ。
かつてはアリアローズが第一王子殿下に嫁げばいいと思ったこともある。
王族に聖力を持つ者がいれば、目の行き届いた管理体制が敷かれるはずだ、と。
まだその頃は、セレンティナになりきれていなかったと今は思う。
聖力が、産まれたアリアローズに繋がったことに、リリスティーナの考えは正しかったのだと、どこか他人事のように思っていた。
子供は聖力を繋げていくための道具ではないと思いながらも、手段として期待する思いもあったから。
今の自分がリリスティーナとしてではなくセレンティナなのだと強く意識したのは、クローヴィスそっくりのレイノルズが産まれた時だろう。
クローヴィスへの愛を自覚し、子供たちの母親としての意識を持った。
そうなると、王族の内情を多少なりとも知っている身としては、王妃になることなど別にいいものではないと知っているから。
「第一王子殿下が他の令嬢を気に入るように仕向けるか。」
候補に選ばれて顔合わせをするのはまだまだ先だというのに、クローヴィスは真剣に悩んでいた。
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