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魔力の使い方と、俺の仕事への道
しおりを挟む「ユウトを放っておけないし、俺が傍にいたかったからで、王命は関係ないんだ。ただ、王命ってことにしておけば色々と都合が良いってだけだよ」
目を合わせてそう言われる。だが、王命にしておく方が良いってどういうことだろうと疑問が出てきて、それが顔に出ていたのか、困ったように笑ったカイラは、「あ~」と顔を上に向けて考えるような動きをした。
都合が良い……。俺は別の世界から来たから、色々と都合が悪いのかもしれない。だから、俺に関わることは別手当がでたり、面倒臭いから早く慣れさせて放り出したいっていうところだろうか……。
「すみません……」
「あ~、違う、多分ユウトが思ってることは。……多分言っても信じないだろうしな」
カイラが慌てて言った言葉の最後の方が聞こえなくて、聞き返すが話してくれず。
「あのね、ユウト。これだけは覚えていて。ユウトが大事で一緒にいたいのは、俺の意思だってこと」
両頬を包まれてしっかりと目を合わせて言われた言葉に、カイラの真剣な顔を見て息を飲む。思わず頷いた俺に、カイラはホッとしたように笑うと鼻を擦り合わせてきた。俺はこれがちょっと恥ずかしいのだが、カイラにとっては挨拶の一貫なのかなと受け入れていた。でもやっぱり綺麗な顔が近いと、自分の平凡で平たい顔が恥ずかしくもなる。
「分かった? 本当に?」
そのまま頬を合わせられたり、頭を撫でられたり、と可愛がられるような触り方をされて、くすぐったくて笑ってしまう。
「ふふ、分かった、分かりました。カイラ、ありがとうございます」
そう言うと、ピタッとカイラの動きが止まり、ジッと顔を覗き込まれる。
「カイラ?」
「ユウト可愛い……」
愛しいといわんばかりの顔でそう言われて、俺は顔が熱くなる。視線を逸らすも、それすらも可愛いと言われてしまい、困りながら言われるまま受け入れるはめになった。
「あぁ、そういえば王宮と教会から手紙来てたよ」
突然そう言われて、ポカンとする。そして、勉強のことだと思い出し、取りに行ってくれたカイラから手紙を受け取るのだが。
「……?」
文字が全く読めなくて固まる。カクカクした文字で、当たり前だけど自分のいた世界とは異なり、全く分からない。ジーッと頑張って読み取ろうとするも分からず。言葉は分かるから失念していた。買い物も、基本的に金額が書かれており数字は同じだから読めていたのだ。こんな落とし穴があるだなんて……。俺、そもそも文字から教わらないといけなかった……。あ、だから先生は会話だけの授業をしてくれたのか、と今更ながら気付く。
「ユウト? 何、変なこと書かれてんの?」
手紙を受け取って固まっている俺を怪訝な顔で見てきたカイラに取り上げられる。険しい顔をしたカイラの視線が手紙の文字を追っていくのが分かるが、徐々に困惑した顔に変わり俺を見てくる。
「何か気に入らなかった? 明日乗り込んでこようか?」
「ひえ!? 違います! あの、その、大変お恥ずかしいんですが……。」
物騒なことを言い始めるカイラに驚き、慌てて文字が読めないと伝えるとポカンとされる。
「あー、そういうこと。話せるから考えてなかった。俺が読んであげる」
何故か嬉しそうにそう言ったカイラは俺をヒョイッと抱え込みながら手紙を読んでくれた。
内容は、簡単に言うといつでも授業をしてくれるということだった。俺が王宮に行くか、言えばカイラの家まで来てくれると。そう言われると逆にいつ行けばいいのか分からなくなってしまう。でも、これは生きるために必要なことだし、先生からしても早く終わった方がいいよな……。
「あの、じゃあ明日行ってきます」
「明日? 分かった」
返ってきた言葉に、王宮までの道を何とか思い出してみる。だが、どうも途中で切れてしまって、道が分からなくなってしまう。どうにか、他の人に聞きながら行くしかないなと思いながらその日は終わってしまった。
――――
「あれ? カイラも何処か行くんですか?」
「ん? 王宮に行くんでしょ?」
質問を質問で返されて首を傾げる。俺は王宮に行くけど、カイラも行くということだろうか。
「……もしかして一人で行く気だったの?」
そう言われて目をパチクリ。あれ?もしかして一人で行ったら駄目だったのだろうか。そうか、俺だけ行っても、誰だこいつってなるに決まっている。そこまで気が回らなくて、付き合わせるのは悪いと思ってしまったが、ついてきて貰わないといけなかったのか。
「すみません、そこまで考えてませんでした」
「多分考えていること違うと思うけど、まぁいいか。王宮に行く時は一緒に行くから」
「でも用事があれば言って下さいね。頑張って行くので」
「……本当に、早く俺に依存してくんないかな」
カイラが何か言った気がしたけれど聞き取れず。結局そのまま二人で外に出た。内心、一人で行かなくてよくなったのでホッとしてしまう自分がいて申し訳なくなる。でもやっぱり通った覚えのない道だったため、一人だったら辿り着けなかっただろうなと思った。あ、そうだ、俺、王宮からカイラの家に行く途中で寝ちゃって運んで貰ったんだった。そりゃ覚えてないはずだ……。となると、この行く道は絶対に覚えないと!と考え、頑張って目印になるものを見つけたりと忙しくなる。
何とか覚えられたかなと思いながら、王宮に着くと、すぐに門番の人に案内されて中へ。やっぱり着いてきてもらってよかったと安心する。門番の人はやっぱり獣人で、明らかに俺より大きいし、あの人たちに詰められたら何も言えなくて不審者になるところだった。
「カイラがいてくれて良かったです。捕まるところでした」
「ユウトを傷付けるやつの方が捕まるから。勉強終わったら美味しいもの食べに行こ」
案内されながら、コソッと言うとそう返される。俺を不審者扱いして捕まるわけないとは思うが、カイラも冗談言うんだなと親近感が湧いた俺。そして、案内された部屋には、以前の先生が。挨拶してから、前のように先生との談笑が始まる。
お茶と茶菓子も出されて、それも適宜促されながら、面白おかしく話してくれるため楽しく聞いていた。カイラは相変わらず俺の後ろに立っている。カイラは座らないのかと、自分だけ座るのは申し訳なく思ってチラチラ見てしまっていると、
「ん? 疲れた? 終わる?」
心配そうに聞かれて、慌てて首を振った。
「あの、カイラは座らないんですか?」
カイラと先生二人に聞くと、
「カイラは自覚しているから、そこでいいんですよ」
「邪魔したいわけじゃないから、俺はここでいいよ。ユウトは優しいね」
二人揃ってそう言われてしまい、俺が知らない文化や常識みたいなものがあるのかなと、深くは聞かなかった。談笑という名の授業が終わると、次は教会みたいな部屋へ。セーヌさんと会い、魔力と魔法について説明を受け、実践することになった。
「お手を。そう、今温かいものが巡っているのが分かりますか?」
両手を取られ、セーヌさんの手から温かいものが流れてくるのが分かる。
「この感覚を持ったまま、自分の中の魔力を全身に巡るように想像して下さい」
そっと手を離され、俺は流れてきたセーヌさんの温かいものを感じながら、それが指先から足先、頭まで流れていくイメージをしながら目を閉じる。すると、ポカポカと全身が温かくなってきた。目を開けると、あちらこちらにキラキラと光る何かが見えて、何だろうとジッと見る。見ていると、その光るものがスーッと寄ってきたため、驚いてカイラの傍へと近寄った。
「ユウト? どうしたの」
カイラはそんな俺の身体に腕を回すとギュッと抱き締めてくる。その光っているものが俺の目の前に来たかと思うと、スリッと頬を掠めるようにして近付いてきた。ほんのり温かさを感じるその光の玉が何なのかは分からないけれど、怖いものではないのかもしれない。
「あ、あの、これ、この光ってるものは、何ですか?」
抱き締められたまま、顔を上げてカイラに聞く。今だに俺の顔周りに2つほど漂っているが、カイラもセーヌさんも何も言わないため、疑問に思っていると、
「……光っている? ユウト、それ……」
「ユウト様。それは恐れるものではありませんよ」
そう言われて、少しホッとする。だが、それ以上の説明はなく、ここでは珍しいことではないのかと考える。そして、魔力の流れから、魔法を使うところまで教わることに。
「治癒魔法は、そうですね。魔力を怪我の部分に流して塞ぐイメージをするといいかもしれません」
と言った時、セーヌさんが自分の腕をスッと指で切る仕草をしたかと思うと、そこに線が入って血が滲み出してギョッとする。
「な、な、何を!?」
「この程度なら薬ですぐ治ります。でもせっかくですので、この傷を治してみてください」
セーヌさんは、特に痛がる素振りもなく、そう言って腕を差し出してきた。俺はもうセーヌさんの自傷行為にびっくりしすぎて二の句を継げないでいると、
「おい、ユウトを怖がらせるな。ユウト、帰る? こんなやつ放っておいていい」
カイラがグルルルと低い音を鳴らしながらそう言ってきて、慌てて止める。
「い、いえ、俺のためにしてくれたことなんですよね。頑張ります……!」
そうだ、何をするにしても実践や経験が大事だっていうのはどの世界でも共通なんだから、と深呼吸して落ち着かせる。そして、恐る恐るセーヌさんの手を取って、その傷をしっかり見る。俺の手からセーヌさんの手へ魔力を流し、その傷の上を通るイメージを頭に描く。すると、その傷がイメージするまま端から綺麗に塞がっていく光景を目にして、目を見開いた。
「……魔法って、すごいんですね」
セーヌさんの腕から手を離した後、呆けたようにそう呟き、目の当たりにした光景を思い出して感動する。
「えぇ、さすが……。一等素晴らしいです。今の流れと行ったことを覚えておいて下されば問題ないかと思います」
セーヌさんのそう言われ、俺は「え?」と顔を上げる。
「あの、これで終わりですか?」
「はい。私がお教えできるのはこの程度です。申し訳ありません」
「ユウト、魔法は基本的な使い方を学んだらそれで終わりなんだ」
申し訳なさそうにセーヌさんに言われた後、カイラにそう続けられる。そして、そこでもお茶と茶菓子を出されて座ると、魔法とは、について説明を受けた。
「魔力は誰もが持ちますが、魔法を使えるほど持っている者は限られているのですよ。魔力の流れと、流し方さえ分かれば日用品を使う上でも支障ありませんから。ただ、魔法を使えるほどの魔力とその力量があれば、学校に行き学ぶこともできます」
「そうなんですか? 皆が魔法を使えるわけではないのですね」
「えぇ、魔法を使うには魔力量も多くなければいけませんから。魔力を流すことと、実際に傷を治すということが出来た時点で、ユウト様は魔法を使うことが可能だと分かりました。ユウト様、教会に興味はありませんか?」
「……おい、ふざけたことをぬかすな」
セーヌさんがそう言った時、カイラの低い声が響いて、気温がグッと下がったのが分かった。俺は雰囲気だけではない冷気が漂ってくるような寒気を感じて身体が震えた。
「……分かっています、繰り返すことはしません。ですが、手が足りないのも事実。それは分かっているでしょう」
「話にならない。ユウト、帰ろう」
俺の腕を優しく掴み、その胸に抱き込んだカイラがそう言ったが、俺は何が何なのか分からない。
「あの、何の話ですか?」
「セーヌ、今の話はここだけにしといてやる。次同じことをすれば報告する」
「……申し訳ありません、少し度が過ぎました。ユウト様、またいつでもいらして下さいね」
セーヌさんは困ったように笑うと、そう言ってカイラに連れられる俺に向かって頭を下げた。
「カイラ? どうしたんですか。教会に何かあるんですか?」
「……ユウトのことは俺が守るけど、ユウトが決めたことなら反対はしない。でも傷付けられる可能性があるなら話は別。絶対にさせない」
カイラは怖い顔でそう言ったけれど、俺は理解できなくて。困った顔で見上げる。すると、カイラも困ったように笑って俺を見下ろすと、
「昔の話だよ。ユウトにとっての俺がいなかった人。ただただ、善人で精霊たちに愛された人の、昔話」
そう言って俺を抱き上げた。俺は驚きながらも、カイラの様子に何も言えず、そのまま黙って運ばれる。カイラは俺を抱え上げたまま王宮を出たが、さすがに外でこの格好は恥ずかしいため頼んで降ろしてもらった。
「何か食べようか。魔力を使うとお腹減るでしょ」
いつも通りのカイラに戻って、ホッとする。そう言うけれど、俺はお金がないし……と考えていると一枚の張り紙を見つける。
それには、お皿を洗っている絵が描かれており、横に数字の0が書かれていた。これはもしかして、皿洗いをすれば無料ということなのでは?とひらめき、カイラにここにしましょうと伝えた。カイラは不思議そうに俺を見たが、俺が行きたいなら、と快諾してくれた。
「いらっしゃいま……! あ、いらっしゃいませ!」
目が合った店員さんが一瞬言葉に詰まっていたが、明らかなに俺小さいもんな、と苦笑する。これまで人間にあったことがない。獣人や変わった格好の人ばかりだから、俺みたいに何もないやつって珍しいのかもしれない。そう思いながら、席に案内された時に、
「あの、ここは皿洗いをすれば料金をまけてくれるのでしょうか」
と思い切って聞いてみた。すると、店員さんはギョッとしたように俺を見た後、何故かカイラを見た。
「……ユウト、まさかこの店がいいって言ったのって、そういうこと?」
「え、あ、はい……。すみません、カイラに恥ずかしい思いをさせる気はなかったんです」
俺はハッとして謝る。皿洗いして料金をまけてもらおうとしているやつと一緒にいることでカイラに恥ずかしい思いをさせてしまうことに、今気付いて慌てる。
「そういうことじゃない。はぁ、もう、ユウト……」
頭を抱えてしまったカイラに、店員さんが肩にポンと手を置いて慰めている。俺はそれを見て身を縮こませる。これは誰かといる時にすることじゃなかったと、申し訳なさと自分の不甲斐なさに落ち込む。
「仕方ねえって、これが愛し人なんだからよ。で、皿洗いやらせんのか?」
「やらせるわけねぇだろ」
店員さんとカイラのやり取りを聞きながら、チラッと顔を上げると、バチッとカイラと目が合う。カイラは仕方ないというように笑うと、
「皿洗いはさせないけど、気にするなら俺の手伝いってことで仕事してみる? その賃金で返してくれたらいいよ。だから、今は気にしないで注文して」
そう言ってくれた。俺は、パチパチと瞬きした後、言われたことを理解して「はい!」と慌てて返事をした。
「……やっぱりそうなるんだよな。頑張れよ、兄ちゃん」
店員さんは、苦笑するとカイラにそう言って離れていった。
「あの、変なこと言ってすみません。カイラに恥ずかしい思いを……」
俺は、改めてカイラに謝る。
「ユウトといて恥ずかしい思いをすることなんてないよ。でももうちょっと頼ってくれたら嬉しい」
カイラは俺の頭を撫でながらそう言った。頼るって言っても、今でも十分過ぎるほど頼ってしまっているため、これ以上頼るだなんてと恐れ多くなる。それに、仕事も紹介してくれるとなると、もうこれは頼り過ぎていると言っても過言ではない。
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