頬杖をつく女 2017.5.23 〜

第14章 軌跡

西岡文彦さんに送った返事の来なかった手紙 ③

※ 手紙の続き


   私は、1999年にメトロポリタン美術館でフェルメールの『眠る女』を観て、画家に関心を持つようになりました。
   2004年夏、神戸市美術館に『絵画芸術』の絵画に出会いました。幼い頃、天から「大事なこと」だと言われた夢で見た光景が、現実として目の前にあり衝撃を受けました。私は、フェルメールの絵を画集などで熱心に見るようになり、何か重大なことを自分が探し出さなければならない宿命を感じていました。
  『ギターを弾く女』は、明らかに左端が故意に切断したような描写です。
  それとよく似たような切断を感じさせるような描写は、『手紙を書く女と召使い』です。この絵は先程とは反対に、右端があともう少しあった方が、より完成された構図であるように思えます。
  フェルメールは、「切断された名画を探しなさい！！」私にそう言っているような気がしてなりませんでした。