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第9章 前世探検
私は前世を探検する
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私は木靴の少女の記憶を持ち合わせて生きていたが、それよりもっと濃密な記憶があった。
それは前世の記憶である。
江戸後期や明治時代を生きた日本人女性
この時代の記憶は、あまりにもリアル過ぎたので、子供の頃の私は、よく混乱していた。
それ故に、母親との会話も、つじつまが合わなくなることが、よくあった。
私は幼少期に貝殻に平安風の絵が描かれてある遊び道具を母親に見せて貰った記憶があり
小学生の頃、「お母さん、久しぶりに、あれ見せて。お願い!!貝殻のおもちゃ、あれ好きやったんよ」と言ったことがある。
「夢でも見たん?うちに、そんなものはないよ」
母親は、怪訝な顔をして私を見ていた。
雛人形も、今生に私が見た姉の雛人形より
前世で見た雛人形の方が
形も色もよく覚えている。
前世の雛人形は段飾りが沢山あった。
豪華な御所車や箪笥が現実にある物をミニチュアにしたようで、それがたまらなく好きだった。
部屋に、刺繍で出来た羽子板を飾っていた。
羽子板といえば、お正月に、兄弟姉妹で、もの凄いバトルが始まる。負けたら、炭で顔に落書きをされる。
可笑しくて可笑しくてたまらないから、指を指し合いながら、お互いの顔を見て、笑っているのだ。
記憶は、押し潰されそうなくらい山のようにあった。
思春期の頃は、酷く悩んだ。
私の身体のなかには、別の人間が何人も存在する…私は、多重人格者ではないか?と思うようになった。
高校卒業後、親に内緒で、病院の精神科に相談をさせてもらいに行った日もある。
記憶の渦に巻き込まれ、自分で自分の人生を楽しいと思えなかった。
友人とも、解り合いたいのに本当の意味で解り合えないと思い悲しかった。私のことを理解してはもらえない、そう悲観していた。
正直な話…実際の所は、そんな辛い感情を持ち合わせながら生きていた。
物心つくかつかないかの小さな頃、目を閉じると悲しそうな顔をした 女な人が現れた。
シルエットなので顔ははっきりしない。
うなだれているその姿はらまるで幽霊のようだった。
小さな私は、その幽霊のような人が現れても
不思議と怖くはなかった。
その女の人のことを…例えて言うとしたら
自分の分身のように感じていた。
女の人は、とても暗かった。寂しくて寂しくてたまらないという感じだった。
小さな私の心に、冷たい風が通り抜けていく…
私は、その度に
今度は後悔しないからねと、
その女の人に誓いをたてていた。
何故だろう
どこで覚えたのだろう。
私は本当に小さな頃から、後悔という言葉を
よくつぶやいていた。
今度は絶対後悔しない。
今度は絶対後悔しない。
何度も何度も、つぶやいていた。
過去世のことが、徐々に解明されるにつれて
私の人生や魂の歴史の謎が解け始めた。
前世の私は、重要な秘密を知って、重大な歴史の闇を背負って生きていた。
しかし…
それを世に公表する前に亡くなった。
だから…
前世の私は後悔していたのだろう。
小さな子供の頃は、今以上に魂のことを知っていたのかもしれない。
前世の後悔を理解していたので、
後悔しない
後悔しないとつぶやいていたのだと
今頃になってやっと 解るようになった。
それは前世の記憶である。
江戸後期や明治時代を生きた日本人女性
この時代の記憶は、あまりにもリアル過ぎたので、子供の頃の私は、よく混乱していた。
それ故に、母親との会話も、つじつまが合わなくなることが、よくあった。
私は幼少期に貝殻に平安風の絵が描かれてある遊び道具を母親に見せて貰った記憶があり
小学生の頃、「お母さん、久しぶりに、あれ見せて。お願い!!貝殻のおもちゃ、あれ好きやったんよ」と言ったことがある。
「夢でも見たん?うちに、そんなものはないよ」
母親は、怪訝な顔をして私を見ていた。
雛人形も、今生に私が見た姉の雛人形より
前世で見た雛人形の方が
形も色もよく覚えている。
前世の雛人形は段飾りが沢山あった。
豪華な御所車や箪笥が現実にある物をミニチュアにしたようで、それがたまらなく好きだった。
部屋に、刺繍で出来た羽子板を飾っていた。
羽子板といえば、お正月に、兄弟姉妹で、もの凄いバトルが始まる。負けたら、炭で顔に落書きをされる。
可笑しくて可笑しくてたまらないから、指を指し合いながら、お互いの顔を見て、笑っているのだ。
記憶は、押し潰されそうなくらい山のようにあった。
思春期の頃は、酷く悩んだ。
私の身体のなかには、別の人間が何人も存在する…私は、多重人格者ではないか?と思うようになった。
高校卒業後、親に内緒で、病院の精神科に相談をさせてもらいに行った日もある。
記憶の渦に巻き込まれ、自分で自分の人生を楽しいと思えなかった。
友人とも、解り合いたいのに本当の意味で解り合えないと思い悲しかった。私のことを理解してはもらえない、そう悲観していた。
正直な話…実際の所は、そんな辛い感情を持ち合わせながら生きていた。
物心つくかつかないかの小さな頃、目を閉じると悲しそうな顔をした 女な人が現れた。
シルエットなので顔ははっきりしない。
うなだれているその姿はらまるで幽霊のようだった。
小さな私は、その幽霊のような人が現れても
不思議と怖くはなかった。
その女の人のことを…例えて言うとしたら
自分の分身のように感じていた。
女の人は、とても暗かった。寂しくて寂しくてたまらないという感じだった。
小さな私の心に、冷たい風が通り抜けていく…
私は、その度に
今度は後悔しないからねと、
その女の人に誓いをたてていた。
何故だろう
どこで覚えたのだろう。
私は本当に小さな頃から、後悔という言葉を
よくつぶやいていた。
今度は絶対後悔しない。
今度は絶対後悔しない。
何度も何度も、つぶやいていた。
過去世のことが、徐々に解明されるにつれて
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前世の私は、重要な秘密を知って、重大な歴史の闇を背負って生きていた。
しかし…
それを世に公表する前に亡くなった。
だから…
前世の私は後悔していたのだろう。
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後悔しない
後悔しないとつぶやいていたのだと
今頃になってやっと 解るようになった。
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