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画策
お祝いの裏側
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「お父様、お母様
ありがとう。
それとおめでとうございます。」
さっきまで皇太子の事で苛立っていたのに…今は両親からもたらされた報告で苛立ちも吹っ飛んでしまったのだ。
「私に弟妹ができるなんて…ものすごく嬉しいんです。」
十六歳差…はかなり大きいけど可愛いに決まっている。
???
喜ぶ私と反対に両親も侍女達もどこかうかない顔をしている。
「お母様、体の調子がわるいのですか?」
母は首を横にふる。
父が苦しそうに言葉を発する。
「フレイヤ…弟妹が生まれたらお前は殿下の婚約者になることが決まっている。
今まではお前が唯一の公爵家の後継者だったから免れていたが…弟妹が出来たらそうはいかないだろう。」
!!
「私が……
それでお父様もお母様も暗い表情をしていたのですね。」
私は二人を見つめて
「私のことは私が考えればいいことです。
まずは私の可愛い弟妹のために喜びましょう。」
どの人生においても、私は一人っ子だった。
親の愛を一身に浴びて育ってきた。
だから愛情を分かち合う相手がいなかった。
「そうね。おめでたいことですもの…喜ばないと。」
母が笑うと周りも一気にお祝いムードになった。
「避妊薬も飲んでいたし注意はしていたつもりだったのに…」
妻の言葉に嫌な考えが浮かぶ。
「避妊薬を薬師に調べさせろ。」
先月、専従の薬師が強盗にあって殺されたのだ。
五年以上、公爵家の薬師として働いてくれていた。
勤勉な真面目な男だと思っていたのだが…亡くなってからかなりの借金があることがわかった。
もしかして……
疑惑は確信へと変わる頃、箝口令をひいたはずの妊娠が世に知られることになる。
娘をアレには嫁がせたくなかった。
妻も同じ考えだった。
「親子揃って執着しやがって…」
陛下が妻に恋い焦がれている事は知っていた。
無論、妻も知っている。
まさか…娘まであの一族に想いを抱かれるとは。
ノーマン公爵家には家紋の一部しか知らない教えがある。
皇族とは縁を持ってはいけない。
公爵家は遡れば皇族の出であり、帝国一の財と領地をもつ。
しかしここ何代に渡り、皇族に嫁ぐ者はなかった。
それこそがノーマンの教えを守っていたからだ。
そしてその教えの元になったのが「血雨の悲劇」だ。
表向きは賊に襲われたことになっているが、実際は違う。
公女に恋をした皇太子が自分の想いを受け入れない公女に腹をたて暴行を加えた後、殺害し自害したのだ。
腹が立つことに皇室は事件を隠蔽するために、あろうことか賊に襲われている公女を守り皇太子は殺害されたと公式発表したのだ。
そのせいで公女は乱暴され殺した男と同じ墓に入れられることになり、
皇太子と公女の愛の物語として後世まで語り継がれることになった。
皇族は賠償として免罪符を公爵家にわたし、真実は闇の中に隠された。
私が妻と一緒になれたのはこの免罪符のおかげだ。
「あなた…この子は流そうと思うの…
冷たい母親と思われても仕方ないけど…私にはお腹の子よりフレイヤの幸せの方が大切なの。」
妻が私を見つめる。
と、同時に弟妹ができると喜んだ娘の顔が目に浮かぶ。
フレイヤは自由に羽ばたいているからこそフレイヤなのだ。
アレに翼をもがれ鳥かごに閉じ込められたら…
娘の幸せを第一に考えながら夜が静かに流れていった。
ありがとう。
それとおめでとうございます。」
さっきまで皇太子の事で苛立っていたのに…今は両親からもたらされた報告で苛立ちも吹っ飛んでしまったのだ。
「私に弟妹ができるなんて…ものすごく嬉しいんです。」
十六歳差…はかなり大きいけど可愛いに決まっている。
???
喜ぶ私と反対に両親も侍女達もどこかうかない顔をしている。
「お母様、体の調子がわるいのですか?」
母は首を横にふる。
父が苦しそうに言葉を発する。
「フレイヤ…弟妹が生まれたらお前は殿下の婚約者になることが決まっている。
今まではお前が唯一の公爵家の後継者だったから免れていたが…弟妹が出来たらそうはいかないだろう。」
!!
「私が……
それでお父様もお母様も暗い表情をしていたのですね。」
私は二人を見つめて
「私のことは私が考えればいいことです。
まずは私の可愛い弟妹のために喜びましょう。」
どの人生においても、私は一人っ子だった。
親の愛を一身に浴びて育ってきた。
だから愛情を分かち合う相手がいなかった。
「そうね。おめでたいことですもの…喜ばないと。」
母が笑うと周りも一気にお祝いムードになった。
「避妊薬も飲んでいたし注意はしていたつもりだったのに…」
妻の言葉に嫌な考えが浮かぶ。
「避妊薬を薬師に調べさせろ。」
先月、専従の薬師が強盗にあって殺されたのだ。
五年以上、公爵家の薬師として働いてくれていた。
勤勉な真面目な男だと思っていたのだが…亡くなってからかなりの借金があることがわかった。
もしかして……
疑惑は確信へと変わる頃、箝口令をひいたはずの妊娠が世に知られることになる。
娘をアレには嫁がせたくなかった。
妻も同じ考えだった。
「親子揃って執着しやがって…」
陛下が妻に恋い焦がれている事は知っていた。
無論、妻も知っている。
まさか…娘まであの一族に想いを抱かれるとは。
ノーマン公爵家には家紋の一部しか知らない教えがある。
皇族とは縁を持ってはいけない。
公爵家は遡れば皇族の出であり、帝国一の財と領地をもつ。
しかしここ何代に渡り、皇族に嫁ぐ者はなかった。
それこそがノーマンの教えを守っていたからだ。
そしてその教えの元になったのが「血雨の悲劇」だ。
表向きは賊に襲われたことになっているが、実際は違う。
公女に恋をした皇太子が自分の想いを受け入れない公女に腹をたて暴行を加えた後、殺害し自害したのだ。
腹が立つことに皇室は事件を隠蔽するために、あろうことか賊に襲われている公女を守り皇太子は殺害されたと公式発表したのだ。
そのせいで公女は乱暴され殺した男と同じ墓に入れられることになり、
皇太子と公女の愛の物語として後世まで語り継がれることになった。
皇族は賠償として免罪符を公爵家にわたし、真実は闇の中に隠された。
私が妻と一緒になれたのはこの免罪符のおかげだ。
「あなた…この子は流そうと思うの…
冷たい母親と思われても仕方ないけど…私にはお腹の子よりフレイヤの幸せの方が大切なの。」
妻が私を見つめる。
と、同時に弟妹ができると喜んだ娘の顔が目に浮かぶ。
フレイヤは自由に羽ばたいているからこそフレイヤなのだ。
アレに翼をもがれ鳥かごに閉じ込められたら…
娘の幸せを第一に考えながら夜が静かに流れていった。
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