6 / 61
第6話 サービス過剰な女神
しおりを挟む
「大丈夫よ、沙羅ちゃん。こちらの世界では幸せになれるようにしてあげるわ。ふぁいとぉ~」
泣きながら両腕の肘を曲げて両手を握りこぶしにして胸のあたりで揺らす女神につられて、沙羅も同じように握りこぶしを胸のあたりでブンブンと揺らした。
随分と人間的な温かみがある女神だ。
綺麗なのに面白い女の人、という印象もある。
(親しみやすすぎて、ちょっと心配になるくらいの女神さまだなぁ。頼り甲斐があるのか、危なっかしいのか分からない……)
複雑な思いを抱きながら沙羅が眺めている前では、女神が椅子の右側にある鏡のようなものを覗き込んでいる。
「沙羅ちゃんによさそうな転生先は、と……」
鏡のような物には情報が表示されているようだ。
(ゲームの画面みたいなものが映っているのかなぁ。わたしからは見えないから気になるぅ~)
ちょっとソワソワしている沙羅へ、女神がクルンと顔だけ向けて聞く。
「ちょうど聖女召喚している王国があるわ。転生して聖女というのはどうかしら?」
「聖女⁉ なりたいっ! なりたいですっ!」
沙羅は両手を握って拳にしてブンブン振り回しながらコクコクと頷いた。
(聖女というと、異世界転生ファンタジーの定番のアレですね? 聖力使って無双するアレの)
冒険の匂いがする。
沙羅の心はワクワクして高揚し、表情が緩んでニマニマしているのが自分でも分かった。
女神は沙羅の反応に気をよくしたのか、ニコニコしながら呟く。
「ん、まずは容姿ね。せっかく転生するのだから、容姿変えちゃいましょ。えっと……髪色は、コレで……目の色はこうでしょ? あと年齢も……」
キラキラと輝きだした女神が右手をクルンと振ると、キラキラが沙羅へと向かって飛んできた。
「わっ⁉」
キラキラは沙羅を包んだ。
(目の前が眩しくて何も見えないっ! 何が起こってるの?)
しばらく目も開けられない状態が続いた沙羅の耳に、女神がうふふと笑う声が届いた。
「可愛いわぁ。沙羅ちゃん」
沙羅が目を開けると、さっきよりも高い位置に女神の顔が見えた。
「ん? どゆこと?」
沙羅は目をぱちくりさせた。
「うふふ。こっちに来て見てごらんなさいな」
沙羅は手招きされて、女神がさっき覗いてた鏡の前に立った。
「ふわっ⁉」
後光がさして見えるファンタジックな光景に、沙羅は思わず叫んだ。
「なんとメルヘンチック!」
「メルヘン? まぁ確かにメルヘンチックかもしれないわね」
女神はドヤ顔を浮かべ、沙羅の顔には当惑の表情が浮かぶ。
「こっ……これが、わたし?」
鏡の中には整った顔立ちをした銀髪に青い目の幼女が映っていた。
背後には女神の放った魔法か何かがキラキラしている。
「そうよぉ。うふふ。わたくしってば天才」
女神はご満悦だ。
「えっ……これが……」
沙羅はまじまじと鏡を覗き込んだ。
パッツン前髪に長いサラサラの銀髪。
体はちっこくて3歳児くらいだ。
女神が着ている服を子ども服にしたような白いドレスを着ている。
ドレスの裾は短くて袖も肩のあたりまでしかないから、白くて細い手足がむき出しになっていた。
「幼児だ……」
沙羅は呆然と呟いた。
「ふふ。新生活に馴染みやすいように幼児にしてみました」
女神はニコニコしながら続ける。
「過去の転生者には、赤ちゃんで生まれることを推奨していたのよね。でも転生者って前世の記憶が残るものでしょう? オッパイ飲んだり、オムツしたりするのがメンタルに来るみたいなので、3歳児相当を目指してみました」
「はぁ」
(確かに前世の記憶が残ったまま、オッパイ飲んだりするのは嫌だな。でも3歳児かぁ……)
「おねしょは自己責任よ。頑張ってね。うふっ」
「うっ」
沙羅の心配はそこではなかったが、改めて言われるとアレコレ気になることはある。
(でもまぁ、そこも含めてモロモロ頑張るしかないっ)
沙羅は両手をグーにして両腕をブンブン回し、改めて鏡を見た。
「これがっ。新しい、わたし!」
沙羅は鏡を覗き込むと、小さな手で顔をペチペチと触った。
(かなり可愛い。銀髪に青い瞳。白い肌。細くて手足から察するに、スタイルよく育つことが考えられる。わたしってば、かなり美人さんになっちゃうんじゃない?)
沙羅は浮かれた。
そしてすぐに不安になった。
「わたし、こんなに可愛かったら攫われてしまうのでは?」
沙羅のかなり自惚れの強い発言に突っ込むことなく、女神はにこやかに言う。
「うふふ。そこは心配無用よ。いっぱい加護をつけてあげますからね。沙羅ちゃんに悪いことをした人たちには、わたくしがメッしてあげますから大丈夫ですよ」
女神は、女神の加護とか、身体強化とか呟きながら、沙羅のステータスをいじっている。
「はっ⁉ いつの間にステータス画面が⁉」
「沙羅ちゃんが鏡を見てうっとりしている隙に出してみました。あ、お名前……漢字は面倒だからカタカナで『サラ』にしときましょうねぇ。言葉は新しい世界でも問題なく喋ったり、読み書きできますからね。安心して」
「いや、3歳児が読み書きできたら目立ちすぎるのでは?」
サラが突っ込みを入れたが、女神は笑ってスルーした。
女神はポンッと手元に剣を出すと、それとサラとを見比べている。
サラの身長くらいありそうな長い剣だ。
「装備は持っていればいるほどいいけど……ん、これは邪魔になるわね。ケースに入れて、無限収納庫に詰めましょう」
「無限収納庫⁉ 詰める⁉」
女神がキラキラした光を右手から出すと、ポンッと安っぽいが可愛らしいケースが飛び出した。
「装備は、このケースに詰めておきますからね。必要になったら取り出してね」
女神は嬉々として子ども用玩具のメイクボックスみたいなケースに、小型化した剣やらカラフルな薬瓶、虫眼鏡のようなものなど、様々なちっこいものを詰め合わせている。
「あの……いちいち取り出さないと使えないものは、かえって不便なのでは?」
ステータス画面からチャッチャッと選択してポンと出すわけにはいかないのだろうか? とサラは思ったのだ。
だが女神の答えは斜め上へといっていた。
「ん、サラちゃんのレベルとか、スタミナとか、防御力とか、いろいろとマックスにしてあるし。前にいた世界と違って、魔法も使えますからね。特に生活魔法は完璧だから日常生活で困ることはないわ。あと女神の加護とか寵愛なんかも付けたから、皆から大事にしてもらえるはずよ。だからこの辺の装備は、殆ど必要ないと思うわ」
「え? ならなぜ、そんなものをくれるのですか?」
「だってぇ。女の子って好きでしょ。こーゆーの」
女神はキラキラした笑顔を浮かべると、子ども用のカラフルでなメイクボックスみたいなケースを、自分の顔の横に掲げた。
持ち手がついているからバッグみたいに持ち運びできるタイプだ。
プラスチック製らしきケースは中身が薄っすら見える半透明で、蓋の部分は透明で下の部分はラベンダーピンクになっている。
おまけに蓋の部分には大きなピンクの布製リボンがついていた。
サラはゴクリと生唾を呑み込む。
(子どもの頃に欲しかったけど買ってもらえなかった玩具に似てるっ)
サラは誘惑に負けた。
「確かに……欲しいですけど……」
「でしょー? うふふ。喜んでもらえて嬉しいわ。はいっ」
「あ、どうも」
女神が渡してくれたケースをサラは素直に受け取った。
「このケースを無限収納庫に入れておけば、いつでも取り出せて楽しいわよ。ワクワクするでしょ?」
「そうですね」
サラは受け取ったケースを素直に無限収納庫へと入れた。
「あ、無限収納庫には食べ物も入っているから。お腹が空いて食べ物がなかったら、適当に食べてね。補充は自動的にされるから飢え死にすることはないわ。他にも色々と入ってるのよ。だから向こうの世界では死んでしまったけれど、こっちの世界では生きていくのに何の心配は要らないわ」
ウンウンと頷きながら言う女神はとても優しいが、少々デリカシーに欠けた言葉選びをする。
(そーかー。本当に死んじゃったんだなー)
サラは改めて自分が死んだことを実感して、ちょっとだけしんみりした気分になった。
泣きながら両腕の肘を曲げて両手を握りこぶしにして胸のあたりで揺らす女神につられて、沙羅も同じように握りこぶしを胸のあたりでブンブンと揺らした。
随分と人間的な温かみがある女神だ。
綺麗なのに面白い女の人、という印象もある。
(親しみやすすぎて、ちょっと心配になるくらいの女神さまだなぁ。頼り甲斐があるのか、危なっかしいのか分からない……)
複雑な思いを抱きながら沙羅が眺めている前では、女神が椅子の右側にある鏡のようなものを覗き込んでいる。
「沙羅ちゃんによさそうな転生先は、と……」
鏡のような物には情報が表示されているようだ。
(ゲームの画面みたいなものが映っているのかなぁ。わたしからは見えないから気になるぅ~)
ちょっとソワソワしている沙羅へ、女神がクルンと顔だけ向けて聞く。
「ちょうど聖女召喚している王国があるわ。転生して聖女というのはどうかしら?」
「聖女⁉ なりたいっ! なりたいですっ!」
沙羅は両手を握って拳にしてブンブン振り回しながらコクコクと頷いた。
(聖女というと、異世界転生ファンタジーの定番のアレですね? 聖力使って無双するアレの)
冒険の匂いがする。
沙羅の心はワクワクして高揚し、表情が緩んでニマニマしているのが自分でも分かった。
女神は沙羅の反応に気をよくしたのか、ニコニコしながら呟く。
「ん、まずは容姿ね。せっかく転生するのだから、容姿変えちゃいましょ。えっと……髪色は、コレで……目の色はこうでしょ? あと年齢も……」
キラキラと輝きだした女神が右手をクルンと振ると、キラキラが沙羅へと向かって飛んできた。
「わっ⁉」
キラキラは沙羅を包んだ。
(目の前が眩しくて何も見えないっ! 何が起こってるの?)
しばらく目も開けられない状態が続いた沙羅の耳に、女神がうふふと笑う声が届いた。
「可愛いわぁ。沙羅ちゃん」
沙羅が目を開けると、さっきよりも高い位置に女神の顔が見えた。
「ん? どゆこと?」
沙羅は目をぱちくりさせた。
「うふふ。こっちに来て見てごらんなさいな」
沙羅は手招きされて、女神がさっき覗いてた鏡の前に立った。
「ふわっ⁉」
後光がさして見えるファンタジックな光景に、沙羅は思わず叫んだ。
「なんとメルヘンチック!」
「メルヘン? まぁ確かにメルヘンチックかもしれないわね」
女神はドヤ顔を浮かべ、沙羅の顔には当惑の表情が浮かぶ。
「こっ……これが、わたし?」
鏡の中には整った顔立ちをした銀髪に青い目の幼女が映っていた。
背後には女神の放った魔法か何かがキラキラしている。
「そうよぉ。うふふ。わたくしってば天才」
女神はご満悦だ。
「えっ……これが……」
沙羅はまじまじと鏡を覗き込んだ。
パッツン前髪に長いサラサラの銀髪。
体はちっこくて3歳児くらいだ。
女神が着ている服を子ども服にしたような白いドレスを着ている。
ドレスの裾は短くて袖も肩のあたりまでしかないから、白くて細い手足がむき出しになっていた。
「幼児だ……」
沙羅は呆然と呟いた。
「ふふ。新生活に馴染みやすいように幼児にしてみました」
女神はニコニコしながら続ける。
「過去の転生者には、赤ちゃんで生まれることを推奨していたのよね。でも転生者って前世の記憶が残るものでしょう? オッパイ飲んだり、オムツしたりするのがメンタルに来るみたいなので、3歳児相当を目指してみました」
「はぁ」
(確かに前世の記憶が残ったまま、オッパイ飲んだりするのは嫌だな。でも3歳児かぁ……)
「おねしょは自己責任よ。頑張ってね。うふっ」
「うっ」
沙羅の心配はそこではなかったが、改めて言われるとアレコレ気になることはある。
(でもまぁ、そこも含めてモロモロ頑張るしかないっ)
沙羅は両手をグーにして両腕をブンブン回し、改めて鏡を見た。
「これがっ。新しい、わたし!」
沙羅は鏡を覗き込むと、小さな手で顔をペチペチと触った。
(かなり可愛い。銀髪に青い瞳。白い肌。細くて手足から察するに、スタイルよく育つことが考えられる。わたしってば、かなり美人さんになっちゃうんじゃない?)
沙羅は浮かれた。
そしてすぐに不安になった。
「わたし、こんなに可愛かったら攫われてしまうのでは?」
沙羅のかなり自惚れの強い発言に突っ込むことなく、女神はにこやかに言う。
「うふふ。そこは心配無用よ。いっぱい加護をつけてあげますからね。沙羅ちゃんに悪いことをした人たちには、わたくしがメッしてあげますから大丈夫ですよ」
女神は、女神の加護とか、身体強化とか呟きながら、沙羅のステータスをいじっている。
「はっ⁉ いつの間にステータス画面が⁉」
「沙羅ちゃんが鏡を見てうっとりしている隙に出してみました。あ、お名前……漢字は面倒だからカタカナで『サラ』にしときましょうねぇ。言葉は新しい世界でも問題なく喋ったり、読み書きできますからね。安心して」
「いや、3歳児が読み書きできたら目立ちすぎるのでは?」
サラが突っ込みを入れたが、女神は笑ってスルーした。
女神はポンッと手元に剣を出すと、それとサラとを見比べている。
サラの身長くらいありそうな長い剣だ。
「装備は持っていればいるほどいいけど……ん、これは邪魔になるわね。ケースに入れて、無限収納庫に詰めましょう」
「無限収納庫⁉ 詰める⁉」
女神がキラキラした光を右手から出すと、ポンッと安っぽいが可愛らしいケースが飛び出した。
「装備は、このケースに詰めておきますからね。必要になったら取り出してね」
女神は嬉々として子ども用玩具のメイクボックスみたいなケースに、小型化した剣やらカラフルな薬瓶、虫眼鏡のようなものなど、様々なちっこいものを詰め合わせている。
「あの……いちいち取り出さないと使えないものは、かえって不便なのでは?」
ステータス画面からチャッチャッと選択してポンと出すわけにはいかないのだろうか? とサラは思ったのだ。
だが女神の答えは斜め上へといっていた。
「ん、サラちゃんのレベルとか、スタミナとか、防御力とか、いろいろとマックスにしてあるし。前にいた世界と違って、魔法も使えますからね。特に生活魔法は完璧だから日常生活で困ることはないわ。あと女神の加護とか寵愛なんかも付けたから、皆から大事にしてもらえるはずよ。だからこの辺の装備は、殆ど必要ないと思うわ」
「え? ならなぜ、そんなものをくれるのですか?」
「だってぇ。女の子って好きでしょ。こーゆーの」
女神はキラキラした笑顔を浮かべると、子ども用のカラフルでなメイクボックスみたいなケースを、自分の顔の横に掲げた。
持ち手がついているからバッグみたいに持ち運びできるタイプだ。
プラスチック製らしきケースは中身が薄っすら見える半透明で、蓋の部分は透明で下の部分はラベンダーピンクになっている。
おまけに蓋の部分には大きなピンクの布製リボンがついていた。
サラはゴクリと生唾を呑み込む。
(子どもの頃に欲しかったけど買ってもらえなかった玩具に似てるっ)
サラは誘惑に負けた。
「確かに……欲しいですけど……」
「でしょー? うふふ。喜んでもらえて嬉しいわ。はいっ」
「あ、どうも」
女神が渡してくれたケースをサラは素直に受け取った。
「このケースを無限収納庫に入れておけば、いつでも取り出せて楽しいわよ。ワクワクするでしょ?」
「そうですね」
サラは受け取ったケースを素直に無限収納庫へと入れた。
「あ、無限収納庫には食べ物も入っているから。お腹が空いて食べ物がなかったら、適当に食べてね。補充は自動的にされるから飢え死にすることはないわ。他にも色々と入ってるのよ。だから向こうの世界では死んでしまったけれど、こっちの世界では生きていくのに何の心配は要らないわ」
ウンウンと頷きながら言う女神はとても優しいが、少々デリカシーに欠けた言葉選びをする。
(そーかー。本当に死んじゃったんだなー)
サラは改めて自分が死んだことを実感して、ちょっとだけしんみりした気分になった。
307
あなたにおすすめの小説
転生幼女は幸せを得る。
泡沫 呉羽
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!?
今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−
『追放令嬢は薬草(ハーブ)に夢中 ~前世の知識でポーションを作っていたら、聖女様より崇められ、私を捨てた王太子が泣きついてきました~』
とびぃ
ファンタジー
追放悪役令嬢の薬学スローライフ ~断罪されたら、そこは未知の薬草宝庫(ランクS)でした。知識チートでポーション作ってたら、王都のパンデミックを救う羽目に~
-第二部(11章~20章)追加しました-
【あらすじ】
「貴様を追放する! 魔物の巣窟『霧深き森』で、朽ち果てるがいい!」
王太子の婚約者ソフィアは、卒業パーティーで断罪された。 しかし、その顔に絶望はなかった。なぜなら、その「断罪劇」こそが、彼女の完璧な計画だったからだ。
彼女の魂は、前世で薬学研究に没頭し過労死した、日本の研究者。 王妃の座も権力闘争も、彼女には退屈な枷でしかない。 彼女が求めたのはただ一つ——誰にも邪魔されず、未知の植物を研究できる「アトリエ」だった。
追放先『霧深き森』は「死の土地」。 だが、チート能力【植物図鑑インターフェイス】を持つソフィアにとって、そこは未知の薬草が群生する、最高の「研究フィールド(ランクS)」だった!
石造りの廃屋を「アトリエ」に改造し、ガラクタから蒸留器を自作。村人を救い、薬師様と慕われ、理想のスローライフ(研究生活)が始まる。 だが、その平穏は長く続かない。 王都では、王宮薬師長の陰謀により、聖女の奇跡すら効かないパンデミック『紫死病』が発生していた。 ソフィアが開発した『特製回復ポーション』の噂が王都に届くとき、彼女の「研究成果」を巡る、新たな戦いが幕を開ける——。
【主な登場人物】
ソフィア・フォン・クライネルト 本作の主人公。元・侯爵令嬢。魂は日本の薬学研究者。 合理的かつ冷徹な思考で、スローライフ(研究)を妨げる障害を「薬学」で排除する。未知の薬草の解析が至上の喜び。
ギルバート・ヴァイス 王宮魔術師団・研究室所属の魔術師。 ソフィアの「科学(薬学)」に魅了され、助手(兼・共同研究者)としてアトリエに入り浸る知的な理解者。
アルベルト王太子 ソフィアの元婚約者。愚かな「正義」でソフィアを追放した張本人。王都の危機に際し、薬を強奪しに来るが……。
リリア 無力な「聖女」。アルベルトに庇護されるが、本物の災厄の前では無力な「駒」。
ロイド・バルトロメウス 『天秤と剣(スケイル&ソード)商会』の会頭。ソフィアに命を救われ、彼女の「薬学」の価値を見抜くビジネスパートナー。
【読みどころ】
「悪役令嬢追放」から始まる、痛快な「ざまぁ」展開! そして、知識チートを駆使した本格的な「薬学(ものづくり)」と、理想の「アトリエ」開拓。 科学と魔法が融合し、パンデミックというシリアスな災厄に立ち向かう、読み応え抜群の薬学ファンタジーをお楽しみください。
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
転生幼女は追放先で総愛され生活を満喫中。前世で私を虐げていた姉が異世界から召喚されたので、聖女見習いは不要のようです。
桜城恋詠
ファンタジー
聖女見習いのロルティ(6)は、五月雨瑠衣としての前世の記憶を思い出す。
異世界から召喚された聖女が、自身を虐げてきた前世の姉だと気づいたからだ。
彼女は神官に聖女は2人もいらないと教会から追放。
迷いの森に捨てられるが――そこで重傷のアンゴラウサギと生き別れた実父に出会う。
「絶対、誰にも渡さない」
「君を深く愛している」
「あなたは私の、最愛の娘よ」
公爵家の娘になった幼子は腹違いの兄と血の繋がった父と母、2匹のもふもふにたくさんの愛を注がれて暮らす。
そんな中、養父や前世の姉から命を奪われそうになって……?
命乞いをしたって、もう遅い。
あなたたちは絶対に、許さないんだから!
☆ ☆ ☆
★ベリーズカフェ(別タイトル)・小説家になろう(同タイトル)掲載した作品を加筆修正したものになります。
こちらはトゥルーエンドとなり、内容が異なります。
※9/28 誤字修正
結婚しても別居して私は楽しくくらしたいので、どうぞ好きな女性を作ってください
シンさん
ファンタジー
サナス伯爵の娘、ニーナは隣国のアルデーテ王国の王太子との婚約が決まる。
国に行ったはいいけど、王都から程遠い別邸に放置され、1度も会いに来る事はない。
溺愛する女性がいるとの噂も!
それって最高!好きでもない男の子供をつくらなくていいかもしれないし。
それに私は、最初から別居して楽しく暮らしたかったんだから!
そんな別居願望たっぷりの伯爵令嬢と王子の恋愛ストーリー
最後まで書きあがっていますので、随時更新します。
表紙はエブリスタでBeeさんに描いて頂きました!綺麗なイラストが沢山ございます。リンク貼らせていただきました。
めんどくさがり屋の異世界転生〜自由に生きる〜
ゆずゆ
ファンタジー
※ 話の前半を間違えて消してしまいました
誠に申し訳ございません。
—————————————————
前世100歳にして幸せに生涯を遂げた女性がいた。
名前は山梨 花。
他人に話したことはなかったが、もし亡くなったら剣と魔法の世界に転生したいなと夢見ていた。もちろん前世の記憶持ちのままで。
動くがめんどくさい時は、魔法で移動したいなとか、
転移魔法とか使えたらもっと寝れるのに、
休みの前の日に時間止めたいなと考えていた。
それは物心ついた時から生涯を終えるまで。
このお話はめんどくさがり屋で夢見がちな女性が夢の異世界転生をして生きていくお話。
—————————————————
最後まで読んでくださりありがとうございました!!
お言葉ですが今さらです
MIRICO
ファンタジー
アンリエットは祖父であるスファルツ国王に呼び出されると、いきなり用無しになったから出て行けと言われた。
次の王となるはずだった伯父が行方不明となり後継者がいなくなってしまったため、隣国に嫁いだ母親の反対を押し切りアンリエットに後継者となるべく多くを押し付けてきたのに、今更用無しだとは。
しかも、幼い頃に婚約者となったエダンとの婚約破棄も決まっていた。呆然としたアンリエットの後ろで、エダンが女性をエスコートしてやってきた。
アンリエットに継承権がなくなり用無しになれば、エダンに利などない。あれだけ早く結婚したいと言っていたのに、本物の王女が見つかれば、アンリエットとの婚約など簡単に解消してしまうのだ。
失意の中、アンリエットは一人両親のいる国に戻り、アンリエットは新しい生活を過ごすことになる。
そんな中、悪漢に襲われそうになったアンリエットを助ける男がいた。その男がこの国の王子だとは。その上、王子のもとで働くことになり。
お気に入り、ご感想等ありがとうございます。ネタバレ等ありますので、返信控えさせていただく場合があります。
内容が恋愛よりファンタジー多めになったので、ファンタジーに変更しました。
他社サイト様投稿済み。
この優しさには絶対に裏がある!~激甘待遇に転生幼女は混乱中~
たちばな立花
ファンタジー
処刑された魔女が目を覚ますと、敵国の王女レティシアに逆行転生していた。
しかも自分は――愛され王女!?
前世とは違う扱いに戸惑うレティシア。
「この人たちが私に優しくするのは絶対に何か裏があるはず!」
いつも優しい両親や兄。
戸惑いながらも、心は少しずつ溶けていく。
これは罠? それとも本物の“家族の愛”?
愛を知らないレティシアは、家族の無償の愛に翻弄されながらも成長していく。
疑り深い転生幼女が、初めて“幸せ”と出会う――
じんわり心あたたまる、愛されファンタジー。
他サイトでも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる