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第18話 あつまれ聖獣の森 8
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クロは慌てて無限収納庫を閉めるサラを笑った。
『ハハハ。そこまで慌てなくても、聖力を魔力に変えて使ったりできるよ』
「えー、そうなの?」
サラは疑わしげにクロを見た。
「そうは言っても、いきなり魔力が足りなくなって浄化魔法使えなくなるの嫌だよぉ~」
サラはいかにも嫌そうに顔をしかめて言うと、バーンズもウンウンと頷きながら言う。
『ああ。サラの場合は本当に気を付けた方がいい。聖力を魔力に転換することはできるが、サラの場合は、その部分の力が弱いようだ』
「えーそうなの? ダメじゃん、わたし」
バーンズの言葉を聞いたサラは、更に顔を歪めた。
『はっはっはっ。でも心配しすぎる必要はないよ。魔力が減っても食事を摂れば補給はできるからね。サラには無限収納庫もあるから心配ない』
『ウンウン。魔力は、寝ても回復するしね』
「そっかぁー」
サラはちょっとだけ安心した。
そして空を見上げる。
「日が暮れてきたね」
サラが召喚されて草原に転げ出たときには青空だった空も、今は薄っすらと赤く色づいている。
(夕焼けは元いた世界と同じっぽい。こっちの世界のほうが妙に綺麗でイラストっぽいけど)
「んー、寝床の用意しなきゃ~」
『えー。そんな心配しなくていいよ、サラ』
『そうだな。そのまま寝てしまえばいい』
サラは心配したが、クロとバーンズは気にしていないようだ。
『ボクの上で寝ちゃっていいよ。ボクもココで寝ればいいから』
ピカードも勧めてくれるし、頭の上でオカメちゃんも同意するように「びぎゃぁ」と鳴いている。
(正直、寝床用意するのだるい。無限収納庫の中を探せば何か出てくるんだろうけど、探すのだるい)
ピカードの上はフカフカしていて柔らかい。
まるで人間をダメにするソファのようだ。
ダメになっているのはサラだけではなく、オカメちゃんもサラの頭の上で銀色の髪を掴みながらもダメになっている気がする。
クロもサラに甘えているのか、ピカードにじゃれついているのが微妙な感じで絡みついてきていた。
「ならそうしようかなぁ」
見上げる空は刻々と赤を強くしている。
(でも私は前世でしっかり大人だったからなー。キチンとしないとなー。見た目は3歳児だけど、中身は大人なんだよなー)
襲い来る眠気と戦いながらサラは呟く。
「でも片付けないと……」
『テーブルは片付けなくてもいいよ』
「え、なんで?」
サラはピカードの上に寝そべりながら、隣で寝転んでいるクロに聞く。
すると何時の間にかクロとは反対側に寝そべっていたバーンズが答える。
『食べ物は時間が経てば浄化魔法によって循環システムに取り込まれるし。食べ物が消えた食器類は浄化魔法によって綺麗になる。邪魔なら片付けたらいいけど、ココは広い草原だから、イチイチ片付ける必要はないと思うぞ』
「あー……そうなんだ」
空は赤から藍色へとゆっくり変わっていく。
星がひとつ、ふたつと煌めき始めた。
「でもお風呂とか……歯磨き、とか……着替え、とか……」
『口の中も浄化魔法で綺麗になるから心配いらないよ』
クロがクスクス笑いながら言った。
「あー、そうなんだ」
サラはあくび混じりに答えた。
いつの間にかテーブルは邪魔にならない場所へ移動されていて、大きな白ウサギも、無口な銀色オオカミも、サラの周囲で寝そべっていた。
「でも……家とか、いろいろ……ちゃんとしなきゃ……」
『難しいことは明日考えたらいいよ、サラ』
クロの言葉がふわふわして聞こえる。
『そうだよ、サラ。今日はおやすみ』
バーンズの声が穏やかな響く。
「そっかぁ~……おやすみ……」
安心感ある聖獣たちの気配を感じながら、サラの意識は【聖獣の森】に吸い込まれていくようにスゥ―と遠くなり。
前世の人生では感じたことがない安らかな眠りへと落ちていった。
『ハハハ。そこまで慌てなくても、聖力を魔力に変えて使ったりできるよ』
「えー、そうなの?」
サラは疑わしげにクロを見た。
「そうは言っても、いきなり魔力が足りなくなって浄化魔法使えなくなるの嫌だよぉ~」
サラはいかにも嫌そうに顔をしかめて言うと、バーンズもウンウンと頷きながら言う。
『ああ。サラの場合は本当に気を付けた方がいい。聖力を魔力に転換することはできるが、サラの場合は、その部分の力が弱いようだ』
「えーそうなの? ダメじゃん、わたし」
バーンズの言葉を聞いたサラは、更に顔を歪めた。
『はっはっはっ。でも心配しすぎる必要はないよ。魔力が減っても食事を摂れば補給はできるからね。サラには無限収納庫もあるから心配ない』
『ウンウン。魔力は、寝ても回復するしね』
「そっかぁー」
サラはちょっとだけ安心した。
そして空を見上げる。
「日が暮れてきたね」
サラが召喚されて草原に転げ出たときには青空だった空も、今は薄っすらと赤く色づいている。
(夕焼けは元いた世界と同じっぽい。こっちの世界のほうが妙に綺麗でイラストっぽいけど)
「んー、寝床の用意しなきゃ~」
『えー。そんな心配しなくていいよ、サラ』
『そうだな。そのまま寝てしまえばいい』
サラは心配したが、クロとバーンズは気にしていないようだ。
『ボクの上で寝ちゃっていいよ。ボクもココで寝ればいいから』
ピカードも勧めてくれるし、頭の上でオカメちゃんも同意するように「びぎゃぁ」と鳴いている。
(正直、寝床用意するのだるい。無限収納庫の中を探せば何か出てくるんだろうけど、探すのだるい)
ピカードの上はフカフカしていて柔らかい。
まるで人間をダメにするソファのようだ。
ダメになっているのはサラだけではなく、オカメちゃんもサラの頭の上で銀色の髪を掴みながらもダメになっている気がする。
クロもサラに甘えているのか、ピカードにじゃれついているのが微妙な感じで絡みついてきていた。
「ならそうしようかなぁ」
見上げる空は刻々と赤を強くしている。
(でも私は前世でしっかり大人だったからなー。キチンとしないとなー。見た目は3歳児だけど、中身は大人なんだよなー)
襲い来る眠気と戦いながらサラは呟く。
「でも片付けないと……」
『テーブルは片付けなくてもいいよ』
「え、なんで?」
サラはピカードの上に寝そべりながら、隣で寝転んでいるクロに聞く。
すると何時の間にかクロとは反対側に寝そべっていたバーンズが答える。
『食べ物は時間が経てば浄化魔法によって循環システムに取り込まれるし。食べ物が消えた食器類は浄化魔法によって綺麗になる。邪魔なら片付けたらいいけど、ココは広い草原だから、イチイチ片付ける必要はないと思うぞ』
「あー……そうなんだ」
空は赤から藍色へとゆっくり変わっていく。
星がひとつ、ふたつと煌めき始めた。
「でもお風呂とか……歯磨き、とか……着替え、とか……」
『口の中も浄化魔法で綺麗になるから心配いらないよ』
クロがクスクス笑いながら言った。
「あー、そうなんだ」
サラはあくび混じりに答えた。
いつの間にかテーブルは邪魔にならない場所へ移動されていて、大きな白ウサギも、無口な銀色オオカミも、サラの周囲で寝そべっていた。
「でも……家とか、いろいろ……ちゃんとしなきゃ……」
『難しいことは明日考えたらいいよ、サラ』
クロの言葉がふわふわして聞こえる。
『そうだよ、サラ。今日はおやすみ』
バーンズの声が穏やかな響く。
「そっかぁ~……おやすみ……」
安心感ある聖獣たちの気配を感じながら、サラの意識は【聖獣の森】に吸い込まれていくようにスゥ―と遠くなり。
前世の人生では感じたことがない安らかな眠りへと落ちていった。
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