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第23話 聖獣の森に家建てるよ 2
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家を建てるとなれば、土地探しやハウスメーカー探し、間取りのことや予算のことなど気になることも、やらなければいけないことも山盛りだ。
(でも聖獣の森に女神さまからもらった家を建てるなら簡単!)
ローンを組む必要のないマイホームゲットのチャンスに、サラは盛り上がった。
しかし手順は踏まなければならない。
『ちゃんと建てる場所を決めないとダメよ』
『えー、シローネはうるさいなぁ。こんな小さい家、簡単に引っ越しできるじゃない』
『甘いわよ、クロザート。移動は簡単に出来るけど、1回建てたら面倒になって余程のことがないと動かさないものよ。適当な場所に家を建てると暮らしにくくなっちゃうから、最初が肝心なの』
デカい白ウサギの提案により、まずは広い草原のどこにサラの家を建てるのかを検討することになった。
「どこがいいかなぁ? 邪魔にならなさそうな場所?」
『邪魔になったら建て直せばいいから、まずはサラの好きな場所でいいよ』
クロがニコニコしている横で、バーンズが真剣な表情を浮かべてあたりを見回した。
『邪魔にならない場所よりも、安全な場所のほうがよいだろう。サラは3歳児だから、水場の側は危ないな? 池のある反対側がいいだろう』
「池なんてあるの?」
サラが興味津々に聞くと、バーンズは溜息を吐いた。
『ほら。危ないから、といっているのに。子どもはすぐ興味を持ってしまう』
「えー、あるっていうから興味を持っただけなのにぃ~」
サラが膨れるとピカードが援護するように言う。
『池の場所は、知っといた方がいいよぉ。知らないで落っこちちゃうと危ないからねぇ~』
『それもそうか』
バーンズは頷いた。
クロもコクコク頷きながら言う。
『囲いもないし、目印もなくて、草原からいきなり池になっているからね。サラはちっちゃいし、泳ぎも下手そうだから、近寄らないようにするといいよ』
「クロってば、なにげに酷い」
サラが抗議をすると、クロは聞こえないふりで話をつづけた。
『だから家を建てる場所は~』
「あ、話を逸らして誤魔化したっ」
サラたちはわいのわいのしながら、池とは反対側にある場所へ家を建てることに決めた。
楕円形の草原の端にあたるため、森の側といえば側だが、それなりに距離がある。
『ここなら森から虫が飛んできたりしにくいし、動物たちも警戒して近寄らないと思うよ』
「聖獣の森なのに、聖獣以外もいるんだ」
『そりゃそうだよ。森だもん』
サラの疑問に、クロはケラケラ笑って答えた。
『人間の手が入っていないから、虫も湧く時には凄いんだから』
シローネが眉毛を寄せ、赤い目を三角にして嫌そうに言った。
「どんだけ凄いの⁉」
自然の驚異にサラは青ざめて震えあがった。
『大丈夫だよ、サラは。なんといっても女神さまの加護があるからさ』
クロがケラケラ笑いながら言うのを、サラはジト目で睨んだ。
『心配しなくていいよぉ、サラ。じゃ、ボクが整地しちゃうね。任せてぇ~』
家を建てる予定の場所の前へピカードが立ち上がった。
「うおっ」
立ち上がったピカードは大きくて迫力が凄い。
しかし、サラが驚いて声を出した理由はそれだけではない。
「金色に発光してる⁉」
『ははっ。ピカードが力を使うときには光るからね』
目を剥いて驚くサラを見て、クロがケラケラと笑っている。
ピカードは両手を草原に向かって差し出して叫ぶ。
『整地!』
バンッと弾けるような光を感じるのと同時に、ドンッと激しい衝撃と共に足元の沈み込むような感覚がサラを襲った。
両目を思わずつぶったサラの頭上からピカードの呑気な声が響く。
『ん、こんなもんかなぁ~』
サラが草原に目をやると、土むき出しの平にならされた長方形の土地が見えた。
『サラ。女神さまにもらった家をここに置いて』
「うん」
クロに促されてサラはトコトコと平らな土の上へと移動した。
『微調整はこっちでするけど、大体でいいから真ん中に置いてくれ』
「はーい」
バーンズに言われて、サラはキョロキョロと周囲を見た。
「ココでいいかなぁ?」
『ああ。大丈夫だ。危ないから離れて』
サラはトコトコと歩いて土の上から草の上に移動した。
バーンズはサラが整地した場所の外へと出たのを確認すると、前足でパーンと地面を叩きながら叫ぶ。
『設置!』
するとみるみるうちにサラの手のひらサイズだった家が、大きな家へと変わっていった。
「わぁ!」
目の前にバーンッとログハウス風の可愛い家が現れて、サラは目をキラキラさせながら小さな手をパチパチと叩いて拍手をした。
(でも聖獣の森に女神さまからもらった家を建てるなら簡単!)
ローンを組む必要のないマイホームゲットのチャンスに、サラは盛り上がった。
しかし手順は踏まなければならない。
『ちゃんと建てる場所を決めないとダメよ』
『えー、シローネはうるさいなぁ。こんな小さい家、簡単に引っ越しできるじゃない』
『甘いわよ、クロザート。移動は簡単に出来るけど、1回建てたら面倒になって余程のことがないと動かさないものよ。適当な場所に家を建てると暮らしにくくなっちゃうから、最初が肝心なの』
デカい白ウサギの提案により、まずは広い草原のどこにサラの家を建てるのかを検討することになった。
「どこがいいかなぁ? 邪魔にならなさそうな場所?」
『邪魔になったら建て直せばいいから、まずはサラの好きな場所でいいよ』
クロがニコニコしている横で、バーンズが真剣な表情を浮かべてあたりを見回した。
『邪魔にならない場所よりも、安全な場所のほうがよいだろう。サラは3歳児だから、水場の側は危ないな? 池のある反対側がいいだろう』
「池なんてあるの?」
サラが興味津々に聞くと、バーンズは溜息を吐いた。
『ほら。危ないから、といっているのに。子どもはすぐ興味を持ってしまう』
「えー、あるっていうから興味を持っただけなのにぃ~」
サラが膨れるとピカードが援護するように言う。
『池の場所は、知っといた方がいいよぉ。知らないで落っこちちゃうと危ないからねぇ~』
『それもそうか』
バーンズは頷いた。
クロもコクコク頷きながら言う。
『囲いもないし、目印もなくて、草原からいきなり池になっているからね。サラはちっちゃいし、泳ぎも下手そうだから、近寄らないようにするといいよ』
「クロってば、なにげに酷い」
サラが抗議をすると、クロは聞こえないふりで話をつづけた。
『だから家を建てる場所は~』
「あ、話を逸らして誤魔化したっ」
サラたちはわいのわいのしながら、池とは反対側にある場所へ家を建てることに決めた。
楕円形の草原の端にあたるため、森の側といえば側だが、それなりに距離がある。
『ここなら森から虫が飛んできたりしにくいし、動物たちも警戒して近寄らないと思うよ』
「聖獣の森なのに、聖獣以外もいるんだ」
『そりゃそうだよ。森だもん』
サラの疑問に、クロはケラケラ笑って答えた。
『人間の手が入っていないから、虫も湧く時には凄いんだから』
シローネが眉毛を寄せ、赤い目を三角にして嫌そうに言った。
「どんだけ凄いの⁉」
自然の驚異にサラは青ざめて震えあがった。
『大丈夫だよ、サラは。なんといっても女神さまの加護があるからさ』
クロがケラケラ笑いながら言うのを、サラはジト目で睨んだ。
『心配しなくていいよぉ、サラ。じゃ、ボクが整地しちゃうね。任せてぇ~』
家を建てる予定の場所の前へピカードが立ち上がった。
「うおっ」
立ち上がったピカードは大きくて迫力が凄い。
しかし、サラが驚いて声を出した理由はそれだけではない。
「金色に発光してる⁉」
『ははっ。ピカードが力を使うときには光るからね』
目を剥いて驚くサラを見て、クロがケラケラと笑っている。
ピカードは両手を草原に向かって差し出して叫ぶ。
『整地!』
バンッと弾けるような光を感じるのと同時に、ドンッと激しい衝撃と共に足元の沈み込むような感覚がサラを襲った。
両目を思わずつぶったサラの頭上からピカードの呑気な声が響く。
『ん、こんなもんかなぁ~』
サラが草原に目をやると、土むき出しの平にならされた長方形の土地が見えた。
『サラ。女神さまにもらった家をここに置いて』
「うん」
クロに促されてサラはトコトコと平らな土の上へと移動した。
『微調整はこっちでするけど、大体でいいから真ん中に置いてくれ』
「はーい」
バーンズに言われて、サラはキョロキョロと周囲を見た。
「ココでいいかなぁ?」
『ああ。大丈夫だ。危ないから離れて』
サラはトコトコと歩いて土の上から草の上に移動した。
バーンズはサラが整地した場所の外へと出たのを確認すると、前足でパーンと地面を叩きながら叫ぶ。
『設置!』
するとみるみるうちにサラの手のひらサイズだった家が、大きな家へと変わっていった。
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