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59. 夢から醒める(※sideラウル)
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「……そうか……。全ては嘘だったわけか……」
「……ち、ちがう……全部じゃない……。あ、あなたを愛しているのは本当です! それだけは本当! どうしても、あなたが欲しかったの……! 本気であなたを愛したから……!!」
今さらそんな言葉、どうして信じられようか。
全身の力が抜けていく。
ふと、これまでのロージエの言葉が次々と脳内によみがえる。……まさか……。
「ならば……、ティファナが私のことを悪く言っていたというのは……?」
「……っ、」
「あれも全て嘘なのか、ロージエ」
「……し、仕方がなかったんです……。私なんかがあなたのような素敵な方を手に入れるためには……多少の小細工は必要だわ。だって! そうしなければ、あなたは私なんかに見向きもしないでしょう!? サリアさんでもティファナ様でもなくこんな私を選んでもらうためには、多少の嘘だって必要だわ! でも、この真心だけは本当です! ラウル様! 私は、私こそが……あなたを誰よりも愛しているんです! お、お願い……捨てないで……!」
そう言うとロージエはボロボロと涙を零しながら、私の腕に縋りついてきた。
「い、今さらあなた様に捨てられたら、私たちは……私たちブライト男爵家は……! あ、愛していますラウル様。あなたのために、が、頑張りますから……! 立派な公爵夫人になるために、い、い、いっぱい勉強して……」
立派な公爵夫人……?
それは、こんな愚かな娘がなれるものではない。
(私は一体……こんなところで何をしているんだ)
鼻水を垂らしながら醜く泣きわめくロージエを見下ろしながら、急速に夢から醒めていくのを感じた。激しく燃え上がった恋の残骸は、大きな虚しさと、薄汚れた感情の欠片だけだった。
「……手を離せ。私は帰る」
「っ!! ラ、ラウル様……っ!! やだぁ……っ!!」
醜い。
正気を取り戻した後に見るロージエの顔は、あまりにも醜かった。
「おやぁ? もうお帰りですか? ヘイワード公爵令息殿。もっと娘との時間をごゆっくりお過ごしになったらよろしいのに。お若い二人なのですから。はははは」
ロージエを振り切って玄関ホールまで降りてくると、まるで待ち構えていたかのようにブライト男爵が姿を現した。……見れば見るほど、気持ちの悪いしたり顔だ。
「次はいつお越しに? 二人も随分と親密な時間を重ねてきたようですし、そろそろ今後のこともよーく話し合わねばなりませんなぁ」
「……私は二度とここへは来ない。あなたの娘に上手く騙されていただけだ。そのことをようやく今日知った。失礼する」
舐め回すようにこちらを見るブライト男爵から目を逸らし、私はそう吐き捨てた。
しかしそのまま玄関を出ようとすると、ブライト男爵が再び声をかけてくる。それはまるで地を這うような、怨念のこもった不気味な声だった。
「何を仰いますか、ヘイワード公爵令息殿。そんな無責任な。嫁入り前の娘の体をたっぷりと堪能なさったのでしょう? 楽しむだけ楽しんで逃げようなどと、そんなことは許されませんよ。ねぇ?」
「っ!」
驚くほどの強い力で肩を鷲掴みにされ、私は思わずひっ、と情けない声を上げた。反射的に振り返ると、ブライト男爵の蛇のようなねっとりとした視線が私を捕えた。
「あなた様にはもう義務があるのですよ。ロージエと、このブライト男爵家を生涯後見していく義務がね。だってそうでしょう? あなた様の所業を社交界の人々が知ったらどう思いますか。由緒あるヘイワード公爵家の評判は地の底まで堕ちるのでしょうねぇ。あなたのせいで。お父上のヘイワード公爵は、どれほどお怒りになることか」
「……っ、は、……離してくれ」
「逃がしませんよ、絶対に。お屋敷に戻って、お父上としっかり話し合うことです。今後ブライト男爵家をどのように手厚く守っていくかをね。ふふふふふ」
「…………っ!」
私は半ばブライト男爵を振り切るようにして、古びたタウンハウスを後にした。
馬車の中で激しい呼吸を繰り返しながら、私は必死に考えた。背中にびっしょりと汗が浮かんでいる。
どうしよう。どうすればいい。父はもう帰国する。ティファナにはもう離縁状まで叩きつけてしまった……。
(……そうだ、ティファナ……!)
その名を思い出した瞬間、脳裏にあの美しい顔がよぎる。ティファナ。彼女に助けを求めるしかない。
賢く、頼りになる彼女。思えば私は自分の中の劣等感から、ティファナに対してずっと苦手意識を持っていたのだ。ヘイワード公爵家の息子である自分よりも、はるかに優秀な彼女。王太子殿下の婚約者候補として最後まで名が残るほどの、国内でも比類なき完璧な令嬢。
もう素直に負けを認めよう。私が悪かったんだ。ティファナに頭を下げ、ずっと彼女を信じなかったこと、他の女に心を揺らしてしまったことを謝罪しよう。そして、離縁の話はなかったことにしてもらう。その上で、ここからどうすればいいのか、彼女の知恵を借りながら乗り切るしかない。
(賢く我慢強いティファナのことだ……。ロージエを愛妾の座に据えることを許容してくれるかもしれない。彼女と二人、手を取り合ってヘイワード公爵家を守りながら、不服ながらブライト男爵家に援助を続けていく……。父にはティファナと二人で話をしよう。ティファナが上手く話してくれれば、父の怒りを最小限に留めることができるかもしれない)
ティファナには一生頭が上がらないことになるだろうが、それでもいい。この私の窮地を救ってくれるのなら、もう喜んで彼女の尻に敷かれようじゃないか。
ともかく、一刻も早く彼女に会い、先日突きつけた離縁状を破り捨てなくては……!
その日、私がヘイワードの屋敷に帰り着いたのは深夜遅くになってからだった。サリアとやり合い、ロージエの嘘に傷つき、ブライト男爵からは半ば脅迫され精神的に疲労困憊していたが、このまま眠るわけにはいかない。
とにかく、ティファナと話をしなければ。
馬車が止まるやいなや私は飛び降りるように外に出て、早足で玄関の扉を目指す。
屋敷の中に入ると、こんな時間であるにも関わらず家令が真っ先に私の元へやって来た。彼にしては珍しいひどく動揺したその表情に、何故だか私の胃がキリリと痛んだ。
「ラ、ラウル様……! おかえりなさいませ」
「……一体どうした。何かあったのか」
聞きたくなかったが、反射的に私はそう口にしていた。
家令から返ってきた言葉は、考え得る限り最悪のものだった。
「はぁ、それが……。本日昼間に若奥様がお戻りになり、お部屋の荷物を全て片付け、屋敷を出て行かれました。ラウル様とはすでに離縁なさっていると、離縁状も、ラウル様がご準備なさっていたと……。私共は一切存じ上げませんでしたので、慌ただしくお見送りするかたちに。旦那様はすでにこのことをご承知なのですか? …………ラウル様!?」
家令の話を聞きながら、私の全身から滝のような汗が流れる。足に力が入らず、私はついにその場に崩れ落ちたのだった──────
「……ち、ちがう……全部じゃない……。あ、あなたを愛しているのは本当です! それだけは本当! どうしても、あなたが欲しかったの……! 本気であなたを愛したから……!!」
今さらそんな言葉、どうして信じられようか。
全身の力が抜けていく。
ふと、これまでのロージエの言葉が次々と脳内によみがえる。……まさか……。
「ならば……、ティファナが私のことを悪く言っていたというのは……?」
「……っ、」
「あれも全て嘘なのか、ロージエ」
「……し、仕方がなかったんです……。私なんかがあなたのような素敵な方を手に入れるためには……多少の小細工は必要だわ。だって! そうしなければ、あなたは私なんかに見向きもしないでしょう!? サリアさんでもティファナ様でもなくこんな私を選んでもらうためには、多少の嘘だって必要だわ! でも、この真心だけは本当です! ラウル様! 私は、私こそが……あなたを誰よりも愛しているんです! お、お願い……捨てないで……!」
そう言うとロージエはボロボロと涙を零しながら、私の腕に縋りついてきた。
「い、今さらあなた様に捨てられたら、私たちは……私たちブライト男爵家は……! あ、愛していますラウル様。あなたのために、が、頑張りますから……! 立派な公爵夫人になるために、い、い、いっぱい勉強して……」
立派な公爵夫人……?
それは、こんな愚かな娘がなれるものではない。
(私は一体……こんなところで何をしているんだ)
鼻水を垂らしながら醜く泣きわめくロージエを見下ろしながら、急速に夢から醒めていくのを感じた。激しく燃え上がった恋の残骸は、大きな虚しさと、薄汚れた感情の欠片だけだった。
「……手を離せ。私は帰る」
「っ!! ラ、ラウル様……っ!! やだぁ……っ!!」
醜い。
正気を取り戻した後に見るロージエの顔は、あまりにも醜かった。
「おやぁ? もうお帰りですか? ヘイワード公爵令息殿。もっと娘との時間をごゆっくりお過ごしになったらよろしいのに。お若い二人なのですから。はははは」
ロージエを振り切って玄関ホールまで降りてくると、まるで待ち構えていたかのようにブライト男爵が姿を現した。……見れば見るほど、気持ちの悪いしたり顔だ。
「次はいつお越しに? 二人も随分と親密な時間を重ねてきたようですし、そろそろ今後のこともよーく話し合わねばなりませんなぁ」
「……私は二度とここへは来ない。あなたの娘に上手く騙されていただけだ。そのことをようやく今日知った。失礼する」
舐め回すようにこちらを見るブライト男爵から目を逸らし、私はそう吐き捨てた。
しかしそのまま玄関を出ようとすると、ブライト男爵が再び声をかけてくる。それはまるで地を這うような、怨念のこもった不気味な声だった。
「何を仰いますか、ヘイワード公爵令息殿。そんな無責任な。嫁入り前の娘の体をたっぷりと堪能なさったのでしょう? 楽しむだけ楽しんで逃げようなどと、そんなことは許されませんよ。ねぇ?」
「っ!」
驚くほどの強い力で肩を鷲掴みにされ、私は思わずひっ、と情けない声を上げた。反射的に振り返ると、ブライト男爵の蛇のようなねっとりとした視線が私を捕えた。
「あなた様にはもう義務があるのですよ。ロージエと、このブライト男爵家を生涯後見していく義務がね。だってそうでしょう? あなた様の所業を社交界の人々が知ったらどう思いますか。由緒あるヘイワード公爵家の評判は地の底まで堕ちるのでしょうねぇ。あなたのせいで。お父上のヘイワード公爵は、どれほどお怒りになることか」
「……っ、は、……離してくれ」
「逃がしませんよ、絶対に。お屋敷に戻って、お父上としっかり話し合うことです。今後ブライト男爵家をどのように手厚く守っていくかをね。ふふふふふ」
「…………っ!」
私は半ばブライト男爵を振り切るようにして、古びたタウンハウスを後にした。
馬車の中で激しい呼吸を繰り返しながら、私は必死に考えた。背中にびっしょりと汗が浮かんでいる。
どうしよう。どうすればいい。父はもう帰国する。ティファナにはもう離縁状まで叩きつけてしまった……。
(……そうだ、ティファナ……!)
その名を思い出した瞬間、脳裏にあの美しい顔がよぎる。ティファナ。彼女に助けを求めるしかない。
賢く、頼りになる彼女。思えば私は自分の中の劣等感から、ティファナに対してずっと苦手意識を持っていたのだ。ヘイワード公爵家の息子である自分よりも、はるかに優秀な彼女。王太子殿下の婚約者候補として最後まで名が残るほどの、国内でも比類なき完璧な令嬢。
もう素直に負けを認めよう。私が悪かったんだ。ティファナに頭を下げ、ずっと彼女を信じなかったこと、他の女に心を揺らしてしまったことを謝罪しよう。そして、離縁の話はなかったことにしてもらう。その上で、ここからどうすればいいのか、彼女の知恵を借りながら乗り切るしかない。
(賢く我慢強いティファナのことだ……。ロージエを愛妾の座に据えることを許容してくれるかもしれない。彼女と二人、手を取り合ってヘイワード公爵家を守りながら、不服ながらブライト男爵家に援助を続けていく……。父にはティファナと二人で話をしよう。ティファナが上手く話してくれれば、父の怒りを最小限に留めることができるかもしれない)
ティファナには一生頭が上がらないことになるだろうが、それでもいい。この私の窮地を救ってくれるのなら、もう喜んで彼女の尻に敷かれようじゃないか。
ともかく、一刻も早く彼女に会い、先日突きつけた離縁状を破り捨てなくては……!
その日、私がヘイワードの屋敷に帰り着いたのは深夜遅くになってからだった。サリアとやり合い、ロージエの嘘に傷つき、ブライト男爵からは半ば脅迫され精神的に疲労困憊していたが、このまま眠るわけにはいかない。
とにかく、ティファナと話をしなければ。
馬車が止まるやいなや私は飛び降りるように外に出て、早足で玄関の扉を目指す。
屋敷の中に入ると、こんな時間であるにも関わらず家令が真っ先に私の元へやって来た。彼にしては珍しいひどく動揺したその表情に、何故だか私の胃がキリリと痛んだ。
「ラ、ラウル様……! おかえりなさいませ」
「……一体どうした。何かあったのか」
聞きたくなかったが、反射的に私はそう口にしていた。
家令から返ってきた言葉は、考え得る限り最悪のものだった。
「はぁ、それが……。本日昼間に若奥様がお戻りになり、お部屋の荷物を全て片付け、屋敷を出て行かれました。ラウル様とはすでに離縁なさっていると、離縁状も、ラウル様がご準備なさっていたと……。私共は一切存じ上げませんでしたので、慌ただしくお見送りするかたちに。旦那様はすでにこのことをご承知なのですか? …………ラウル様!?」
家令の話を聞きながら、私の全身から滝のような汗が流れる。足に力が入らず、私はついにその場に崩れ落ちたのだった──────
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