のほほん異世界暮らし

みなと劉

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203 雪うさぎとシャズナ

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農場での作業を終え、シャズナと共に自宅への道を歩いていた。陽が傾き始めた空は、淡い夕焼けの色に染まりつつあり、少し冷たい風が頬を撫でて通り過ぎていく。シャズナの足元は軽やかで、僕の横をすり抜けるたびにその柔らかな毛並みが触れるのが心地よい。耳をピクピクさせ、しっぽをゆるやかに揺らしながら、彼はまるで何かを探し当てたかのように楽しそうだった。

途中、雪がまだ所々に積もった通りを歩いていると、不意に視界の端に小さな動きが捉えられた。道端の雪の間に、小さな白い姿が佇んでいる。「あ、雪うさぎだ」と思わず声に出してしまった。彼らは、この時期になると活動を始め、冬の静かな風景の中に生命の気配を運んでくる。雪と見まごうばかりの真っ白な体が、わずかな光を受けて輝いていた。

シャズナはその声に反応し、耳を立てた。興味深そうにその小さな生き物を見つめ、しっぽをふわりと揺らしながら近づいていく。だが、その動きには緊張感はなく、むしろ穏やかな空気が漂っていた。雪うさぎもシャズナの存在に気づいたが、まるで敵意など感じていないかのように鼻をひくひくと動かし、その小さな黒い目でシャズナを見返していた。

僕はその光景を目の前にし、心の中で何かが温かく満たされていくのを感じた。自然と動物たちが、何の争いもなく、ただ互いの存在を受け入れている姿は、日常の忙しさの中ではなかなか見ることのできないものだ。シャズナはふと口を開けて「にゃー」と鳴き声をあげた。その声はまるで「またね」と挨拶をしているかのようで、雪うさぎも小さく鼻をならし、まるで「またね」と答えているようだった。

しばらく二匹の交流を見守っていたが、夕焼けが深まり、辺りは次第に冷え込んできた。僕はシャズナに軽く声をかけ、「そろそろ帰ろうか」と言った。シャズナは一度だけ雪うさぎに視線を送り、再び「にゃー」と鳴いてから、僕の横に戻ってきた。雪うさぎも、その小さな体を動かして、ゆっくりと雪の中へと姿を消していった。

僕たちは静かに道を歩き続けたが、心の中には先ほどの光景が焼きついて離れなかった。シャズナが少し跳ねるように歩くたびに、その小さな冒険が今日の特別な一瞬をより輝かせてくれたように思えた。自然の静かな美しさと動物たちの絆を感じながら、僕たちは家へと帰路を続けた。

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