女豹の恩讐『死闘!兄と妹。禁断のシュートマッチ』

コバひろ

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女豹の恩讐『死闘!兄と妹。禁断のシュートマッチ』その(20)女子格闘スクール。

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衝撃の ダン嶋原vsNOZOMI 大晦日決戦から3ヶ月も過ぎ4月になると、堂島龍太は中学2年生になった。妹の麻美も小学校5年生になりこの兄妹はどんどん成長している。今では龍太は身長170近くなり、麻美も150を優に超え二人共相変わらず格闘技に夢中だ。

そんな4月のある日。
NOZOMIこと山吹望が格闘技番組の中で重大発表するということで、龍太、麻美、そして母の佐知子は食卓を囲みながらテレビを観ていた。

記者会見場?に現れたNOZOMIは白シャツ×デニムのシンプルな格好だが、日本人離れした八頭身のそれは格闘家というより一流モデルそのものだ。こんな美女が男子格闘家を次々と倒してきたのが信じられない。

NOZOMIの背後に人影があった。

見ると、かつてNOZOMIと戦った鎌田桃子、そして、先の格闘技戦で元幕内力士翔龍道と熱戦を繰り広げたシルヴィア滝田の姿があった。

「今日は皆さんにお集まり頂きましてありがとうございます。私は女子格闘技を発展させ、将来的には男子の中に入っても対抗出来る女子格闘家を育てたいと思っています。そこで、その発掘、育成を目的としたスクールを立ち上げることになりました」

マスコミ各社は予想外の発表に驚きを隠せない。これからのNOZOMIの方向性として、日本に相手がいないので海外に活躍の場を移すとかそういう発表があるのではないか?と噂されていたのだ。実際、海外からのオファーも多く寄せられているらしい。それが自らその若さで団体を興すとは。


「NOZOMI  ladies Fight  school. 略してNLFSが、そのスクール名になります。
格闘技興行会社のG社とは業務提携を結んで、その大会には所属女子選手を送り出して男子選手と対戦させたい。勿論将来的には自主興業もやりたいと考えております。今後とも皆さんよろしくお願い申し上げます」

NOZOMIからの発表が終わると、記者の間から次々と質問が飛んできた。

「後ろに鎌田桃子さんと、シルヴィア滝田さんのお姿がありますが、彼女らもそのNLFSに?...」

「はい! 鎌田さんは選手兼コーチとして招きました。シルヴィア滝田さんはこの春に高校を卒業し自ら希望して入校しました。彼女には大変期待しています。それから、女子レスリングの桜木明日香さんも五輪後に入校する予定です。また、先の格闘技戦で小杉稔さんと戦った奥村美沙子さんも高校2年になりましたが練習生として参加。彼女は将来のうちのエース候補。他にも全国で素質のありそうな女の子何人かとコンタクトをとっています」


NLFS(NOZOMI  ladies Fight  school.)

その詳細が明らかになってきた。
このスクールでは単なる女子格闘家を目指すのではなく、この国(日本)における男女格差(ジェンダーギャップ)を格闘技を通して解消するのが目的であり問題提起していきたい。
その為には女子同士の試合より対男子との試合が中心になるという。

謂わば、女子格闘家を育成して男子格闘技界に殴り込みをかけようというもの。そして、NOZOMIの目指すところは格闘技界のジェンダーレス。

大きなスポンサーがつき、代表は山吹望、つまり『NOZOMI』である。

指導陣はNOZOMIの他に鎌田桃子、それから男子コーチではあるが、タイからムエタイの有名トレーナーを招き、日本屈指の柔術家山岡謙信も招いた。
山岡はかつて、16才のNOZOMIとスパーリング(雌蛇の罠5~6話参照)した経緯があり彼女の才能に惚れ込んだ。

入校資格は16才以上女子であるが、練習生であれば小学生でも可能。 但し、男子と戦うことが目的であるので厳しい選考試験があるという。

現在の所属選手は代表のNOZOMIに、コーチ兼用の鎌田桃子。
他にシルヴィア滝田、まだ練習生扱いだが奥村美沙子。女子アマレスの桜木明日香も五輪後に入校予定だが、選考会で敗れ五輪出場ならなければ即引退で入校するという。
他に3名と交渉中だが、まだ正式決定ではなく名前は出せないという。

それをテレビで観ていた堂島一家。
佐知子が横目で娘の麻美に目をやると
明らかに目が輝いている。
(何か嫌な予感がするわ...)


NOZOMIは会見の最後に「この夏もまたG社主催の格闘技大会がありますが
NLFS代表として、私と鎌田とシルヴィアが参加したいと思います。広く対戦相手の男子選手を求めます」

しかし、NLFSの前途は多難だった。
誰も女子選手と戦いたいという男子選手は現れなかった。


そこに、NOZOMIたち女子選手に蹂躙されている格闘技界の現状に苦々しい思いでトレーニングを再開した男がいた。受けた屈辱から徐々に立ち直ってきた男。かつてモンスターと言われたキックボクサー。
復讐の鬼と化した村椿和樹である。


夏の格闘技大会はNOZOMIたちが不在の中で行われたが、やはり話題性に乏しく盛り上がりに欠けた。

それでも総合格闘技現役最強王者大田原慎二が、圧倒的な強さで挑戦者を下した試合は盛り上がった。
大田原へのリベンジに燃える前王者の渡瀬耕作は新たなスター候補、川上力(カワカミ リキ)と、大田原への挑戦権をかけて戦ったが、無残にもKO負けを喫した。かつての絶対王者も寄る年波(37才)には勝てないのだろう。


村椿和樹と渡瀬耕作...。

年末に向けて新たなる動きがある。


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