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しおりを挟む「・・・・・?」
私は目の前の人物の言葉が理解出来ずに固まった。
「受けて頂けますよね?」
お茶会の3日後に突如、私は王宮に呼ばれた。
困惑しながら、案内された場所には笑顔のアルベルト殿下がいらっしゃったのだ。
そして今、私の前にはアルベルト殿下がお座りになっている。
しかも、この部屋には殿下と殿下の側近の方と私の3人だ。
通常生きていて、この方が目の前に座るというシチュエーションになることはほとんどない。
いや。ない、と断言できる・・・はずだ。
(え?今・・。恐ろしい言葉を聞いたような・・。)
「私の婚約者になって下さい。」
「・・・・。」
もう一度聞かれたが、答えることが出来ない。
いや、答えは決まっているのだ。
(嫌だ。)
だが、どう言葉にすれば、不敬にならずに済むのかが、わからない。
「どうですか?」
「・・・・・。」
(え?どうする?なんて言う?)
「私はあなたと共に歩みたいのです。」
「・・・・。」
(まずい。まずい。どうする。どうする。)
「否定の言葉がないということは、肯定ということでよろしいでしょうか?」
「・・・。」
(え?沈黙は肯定?!え?)
「では、婚約式について・・。」
「お待ちください!!殿下!!」
私の頭はまるで機能しておらず、思わずおかしなことを口走ってしまった。
「殿下。その、もしかして殿下と結婚すると、王妃になるということでしょうか?」
「ええ。もしかしなくても将来、アリエッタ嬢は王妃です。」
(否定して!!笑顔で言わないで!!)
「では、婚約式についてですが・・。」
「しかし!!恥ずかしながら、私には王妃としての知識も教養もなく・・。」
「ふふふ。心配いりません。
誰でも初めは、初心者です。
王妃教育をしっかりと行いますので、大丈夫ですよ。」
(ああ。殿下ってお優しいわ・・・。
そうじゃなくて、王妃教育?!
凄いわ!!最高の教育と言われる王妃教育には興味があるわ・・。
でも、王妃は荷が重い!!)
「婚約式について・・。」
考えている間に殿下は話を進めそうになっていた。
(まずい!!なんとかしなきゃ!)
「あの!!私は、王妃としての器がありません。」
「先日のお茶会で、あなたはすでに多くの令嬢を虜にしていました。
お茶会だけではありません。
学園内にあなたのファンはたくさんいます。
その人を惹きつけることのできるあなたは充分に王妃の器です。」
(え?そうなの?それは嬉しいわ。)
「では、婚約式について・・。」
「殿下!!申し訳ありません。私には無理です。
自信がありませんし、なにより!!!私には全く色気がないので、殿下の最大の使命を果たせない可能性があります。私を王妃にしては、殿下が苦労致します。」
(うっうっ。自分で言ってて胸が痛い。
心から血が流れそう。
でもこういうことは最初に言っておかなきゃ。
王妃の最大の仕事は殿下のお世継ぎを産むことですもの!!)
勢いよく頭を下げる。
断り方としては、かなりの悪手だが、なりふり構ってはいられなかった。
「アリエッタ嬢、顔を上げて下さい。」
すると、殿下が悲しそうな顔をした。
「もしかして、あなたには他に心に決めた方がいるのですか?」
「いえ。それはありません。」
思わず真実を口にしてしまった。
(ここで、他にいますと言えばよかったのかしら?
でもそんな方いらっしゃっらないし・・。)
悩んでいると、殿下が嬉しそうに笑った。
(笑ったお顔は素敵だわ・・。)
「わかりました。では3年様子をみます。
3年後の私の学園の卒業式でアリエッタ嬢の王妃の資質に問題があるようでしたら、婚約を破棄します。」
(猶予を貰えるの!!優しいわ!!よかった~~~!!)
「ありがとうございます。3年ですね。」
「はい。ただ王妃教育や公務の手伝いは通常の婚約者同様にお願い致します。
また、婚約式も通常同様に行います。」
「わかりました。譲歩して頂き、ありがとうございます。
殿下の次の婚約者の方の妨げにならぬように精進致します。」
私の言葉に殿下は困ったように笑った。
「はい。頑張って下さいね。」
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