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しおりを挟む殿下との約束により、3年の猶予を貰った。
(私は、王妃教育を理解せずに、王妃としても振る舞いに疑問をもたれ、公務の妨げになって、色気もなくて、ついでに次の殿下の婚約者候補の方を見つければ、いいのよね!!)
そして、私はひそかにこれからすることを紙にまとめた。
1 王妃教育を理解しない=真面目に勉強しない
2 王妃様になれるような振る舞いはしない=不特定多数の方と遊び回る
3 公務の妨げになる=口だしをする
4 色気がつかないようにする=現状で良い(悲しいけど)
5 殿下の次の婚約者を見つける=(殿下の好みのご令嬢を即座に紹介できるように)ご令嬢を知る
私はそれを大切に机の引き出しにしまい込んだ。
そして、すぐに王妃教育が始まった。
私を担当してくださる先生は、一言でいうと、とても素晴らしい方だった。
教え方はとても丁寧で、いつも王都の民が幸せになれる方法を考えておられた。
(この方に不名誉になることをすることはできないわ!!
しかも、もっと知りたいわ~!!)
先生のお話に引き込まれて、つい必要なこと以外も自主的に調べた。
そうして、当初の予定よりもずっと懸命に勉学に励んだ。
(無理だわ!!折角教えて頂いてるのに不真面目になんてできっこないわ!!
他で挽回すればいいわ!!)
【1 王妃教育を理解しない=真面目に勉強しない】クリア断念
私は悩んだ。
不特定多数の方と遊び回ることは、令嬢にとって醜聞であることは知っていた。
(でもどうやって、遊び回ればいいのかしら?)
そこで公爵夫人となったお姉様に聞いてみることにした。
「お姉様。不特定多数の方と交流するにはどうしたらいいのでしょうか?」
お姉様は真剣に答えてくれた。
「まぁ。(派閥を超えて)多くの方と交流を持つだなんて。
(王妃様になる以上)特定の方との付き合いに偏るよりも、良いとは思いますが・・(多くの人脈を確保しなければならなくて)大変なことよ。」
「(醜聞となることは)覚悟しております。」
「では、できるだけ多くのお茶会や、夜会に出席しましょう。それが(人脈を広げるためには)いいでしょう。(人脈を広げると覚えることも多いし、繋がりも増えてお茶会や夜会の誘いが増えて)後に大変なことになるとは思いますが。」
「頑張ります。」
私を応援してくれるという姉は、着なくなったドレスを大量に譲ってくれた。
公爵家では一度着たドレスは着れないのだそうだ。
私はそれをリメイクしたので、懐は痛まなかった。
また婚約者として、支度金が定期的に補助されたので、ドレスの問題はなかった。
むしろ、頂いた支度金のほとんどは手付かずに残してある。
そうして、私は色々なお茶会や夜会にも多く参加した。
ただお茶会とは違って、夜会には殿下も一緒に出席しなければならなかった。
(お茶会には他の人よりも多く参加したし、夜会も殿下と一緒だったけど、かなり多く出席したわ!!
これで私の評価は、遊び人よ!!これはクリアだわ!!)
【2 王妃様になれるような振る舞いはしない=不特定多数の方と遊び回る】クリア
さらに私は殿下の公務にも口を出した。
「殿下。こちらの護岸工事願いですが、壊れないように護岸を固めるよりも、先に水路を整備した方がよいのではないですか?」
「先に水路をですか・・。」
私の提案に殿下は眉を寄せて書類を見た。
「はい。調べると、この場所は大雨が降ると、近くの川が氾濫して崩れています。ですので、水を逃がすための水路を建設した方がよいかと思います。」
「ですが・・そのような前例は我が国にはありません。」
「我が国になくとも、来月訪問を予定されている隣国では、すでにこのような方法が取られています。
今の内に打診して、お話をお伺いしてはどうでしょうか?」
「ふむ・・。」
私の提案のせいで、殿下は議会と随分戦っていたようだった。
きっとこのことは、議会も陛下もよく思っていないだろう。
(殿下のお仕事の邪魔をしたことは申し訳ないけど・・。
これは私と結婚せずに済む殿下の将来のためでもあるし、大丈夫よね。
よし!!これはクリアだわ!!)
【3 公務の妨げになる=口だしをする】クリア
色気については、・・・・全く問題ない。
私は鏡の前に立つ。
お姉様から頂くドレスをそのまま着れない一番の理由は体型の違いもあった。
(お姉様、相変わらず胸が大きいのね・・・。)
お姉様から頂いたリメイク前のドレスを着ると、胸の間に隙間が空いていた。
溜息をついて、気を取り直した。
(乗馬姿は誰よりも似合うと言われているわ!!問題ないわ!!)
3年で少しは成長するかと思われた胸はさほど変化が見られなかった。
(これは、クリアね。・・・どうしてかしら。クリアしたのに、胸が痛いわ。)
【4 色気がつかないようにする=現状で良い】クリア
「ライト嬢、私と婚約して下さるような女性を紹介しては頂けませんか?
あなたのご紹介して下さる方なら間違いがない。」
「アリエッタ様、私、婚約者が中々決まらないんですの。どなたかご紹介しては頂けませんか?
アリエッタ様のご心眼でなにとぞお願い致します。」
遊び回るために行ったお茶会や夜会のおかげで、多くの人と知り合った。
年齢、身分も問わず多くの方と懇意になった。
今や、殿下の好みを教えて頂ければ、殿下の理想の女性をすぐに見つけることができる。
だが、知り合いの輪が広がった影響か色んな方に婚約者を紹介してほしいと頼まれるようになった。
(殿下にすべての方をご紹介できるわけではないし・・。それに困っている方を放置するのは侯爵家としても問題よね。婚約破棄する私とは違って、皆さんには幸せになって欲しいから、頑張るわ!!)
そのおかげか、より多くの方と知り合いになれた。
(少し、頑張り過ぎたかもしれないわ。でもこれはクリアね。)
【5 殿下の次の婚約者を見つける=ご令嬢を知る】クリア
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