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成功条件は、もちろん婚約破棄の阻止!
Ⅲ
しおりを挟む「彼女と話ができるといいのだが・・。」
そう言うと、カルが驚いた顔をした。
「殿下?今度のお茶会でライト嬢とお話できるのではないですか?
婚約者選定のお茶会のリストに、ライト嬢のお名前がありましたし・・。ご出席されればですが。」
「何?!彼女にはまだ婚約者がいなかったのか?!あんなに魅力的なのに!!」
私は急いで、執務机の上から埋もれていたリストを見つけ出した。
目を移すと、確かに彼女の名前を見つけた。
(アリエッタ・ライト嬢・・。彼女だ。本当にいた。
しかも彼女はライト侯爵家!!この家柄なら結婚もできる!!なんて幸運なんだ!!)
そして、重大なことに気付いた。
「しかし、彼女はお茶会に来てくれるだろうか?彼女は乗馬大会の優勝時のインタビューで、『卒業後は領地で馬との関係をさらに深め、より高みを目指したい』と言っていただろう?」
するとカルも困ったように同意した。
「そうなのです。彼女はどうやら卒業したら、領主代理になり、馬や牛をよりよい状態にしたいと、そちらの方面の知識を積極的に学ばれているようです。」
「私もそれは承知しているから、彼女の決断を応援したい。
これは紛れもなく本心なのだ。
だが・・。
私の婚約者候補リストに名前を見つけてしまうと、欲が出てきてしまうな。」
「殿下・・・。それほどまでに彼女のことを・・。」
「彼女は才能がある。
彼女の才能を潰したくはないし、王妃教育に水が合わず、今のような輝きを失ってしまうのは耐えられない。
私は彼女の輝く瞳が好きなのだ!!
だが!!彼女が隣にいてくれると思うと私はきっと今まで以上に頑張れると思う。
結婚には全く期待していなかったが、彼女と結婚が出来るなら彼女と結婚したい!!!」
「殿下!!なんにでも無気力な殿下がそれほどまでに!!」
カルは何かを思案しているようだった。
私は婚約者候補リストに書いてある彼女の名前を眺めていた。
「殿下。ライト嬢が本当に王妃教育で潰れしまうのか、様子を見られてはいかがですか?」
「様子を見る?」
「はい。恐らく、ライト嬢は殿下とのご婚約をお断りする可能性がございます。
ライト家はすでに、長女を公爵家に嫁がせ、長男は侯爵家を任せられる青年に成長しております。
あの賢いライト侯爵が積極的に王家に娘を嫁がせ、目立つようなことはしないでしょう。」
「そうだな。」
「だから、婚約破棄の可能性があることをライト嬢に伝えて婚姻をするのです。」
「それは!!婚約破棄した場合、彼女のその後の婚姻に影響するだろう!!」
するとカルは大きく首を降った。
「いいえ。彼女に婚約者が見つからないなど、そんなことはありません。
彼女は元々領地でご結婚される予定なのです。
そうなると、お相手は、子爵や男爵の男性となるでしょう。
子爵や男爵家の男性が相手なら、殿下との婚約破棄は、王妃教育を受けた女性と結婚できるチャンスになりますが、問題にはなりません。
それに恐らく、ライト嬢は選定後、婚約の申し込みが殺到するでしょう。
今はどのご令嬢も選定のため婚約者を探すことはできませんから。表向きには。」
「確かに・・。」
それを聞いて居ても立っても居られなった。
(彼女が他人の隣に立つ?考えられない。)
「それに・・。」
「それに?なんだ?」
カルが小さく笑った。
「あの剣舞も乗馬も真剣に練習しなければ習得など出来ません。
特に剣舞は血の滲むような努力があったのでしょう。
そんな方が王妃教育で根を上げるとは私には思えないですね。」
その言葉にはっとした。
(そうだ・・。
彼女が王妃教育くらいで潰れる訳がない・・!!
私は彼女に対してなんて失礼な考えを持ってしまったのだろう。)
「カル!!彼女を私の妃にする。」
「御意。」
カルは深く頭を下げた。
「それでは、ライト嬢の招待状にだけ、参加を強制させる一文を足しましょう。」
「なんと書くのだ?」
「『ご都合が悪い場合、後日場を設けます。』でございます。」
「?それだと、後日ゆっくり話した方が妃に選ばれやすいと、欠席になるのではないか?
公表していないが、選定の場にいないと認められないぞ?」
「殿下の妃になりたいご令嬢ならそうでしょう。」
「・・・。」
「失礼ながら、ライト嬢は恐らく、王妃を辞退したいご様子。
辞退されたいなら確実にいらっしゃると思います。」
私は小さく笑った。
「確かに、私でも面倒なことは皆と共に手早く済ませてしまいたいな。では、そのように。」
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