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第二章 霧のかかった未来
21 星祭りの腕輪(3)
しおりを挟むハンスに、腕輪の雰囲気を掴みたいので、一緒に、王都で一番大きな教会である、大聖堂に行こうというと、ハンスは快く同意してくれた。
そして、今、私たちは馬車で大聖堂に向かっていた。
「大聖堂に行くのは久しぶりだな~~」
ハンスの言葉に、私も同意した。
「ふふふ。私も、近所の教会にはよく行くけど、大聖堂に行くのは、去年、星祭りの絵を見に行った以来だわ」
「なかなか、大聖堂には行く機会なんてないしね。あ、でも、シャルが僕と結婚したら、まず、王都の大聖堂で式を上げた後に、ホフマン伯爵領の聖堂で2回式を上げることになると思うよ」
結婚式を2回上げる貴族がいるということは、知っていたが、てっきり、エカテリーナのような侯爵家のような高位貴族の方々だけの習慣だと思っていたので、驚いてしまった。
「正直に言うとね、僕、結婚式を2回しなきゃいけないって聞いて、『面倒くさいな~』って思ってたんだ。でもね、シャルとなら2回上げるのも楽しみなんだ! 2種類のウエディングドレス作ろうね」
「え!! それは、もったいないわ」
「もったいなくないよ!! 今では、シャルのウエディングドレス姿が2回も見れてよかったな~~って思ってるんだよ」
どうしよう。耳が熱いし、顔も熱い。恥ずかしくで俯いていると、ハンスが私の頭に手を置いて、ポンポンと撫でた。
「ふふふ。シャル、顔だけじゃなくて耳まで真っ赤だ~可愛い~~~」
「ハンスったら、もうからかわないで~~」
「ごめん、ごめん。でも、からかったつもりはないんだけどな」
顔の熱が引かずに真っ赤なまま俯いていると、馬車が止まった。しばらくすると、ピエールが馬車の扉を開けてくれた。
「着きましたよ」
「ありがとう。シャル行こう」
ハンスはピエールにお礼を言うと、私の手を取った。
「ええ。ピエール、ありがとう」
私はハンスの手を取って教会に向かったのだった。
☆==☆==
教会に着くと、すぐにその絵は、私たちの目に飛び込んで来た。
厳かで壮大で何度見ても背筋が伸びる。
「ん~前に見た時は、腕輪だけを見たことはなかったけど……白いローブに合わせるのか……それに、陛下の腕輪は、金で、王太子殿下の腕輪は、銀で、王子殿下の腕輪は青だな……」
ハンスは、次々と、絵を見て特徴を言葉にした。
実は、ハンスが乗馬や、剣術が得意なのは、相手の特徴をすぐに掴んでしまうからなのだ。
天才肌なのだろう。
だから、宝石の勉強も本気になれば、きっとすぐに出来るようになると、私もホフマン伯爵も信じてした。
だからこそ、ホフマン伯爵は、ハンスにやる気を出させるために腕輪をデザインするように言ったのだろう。
私は、ハンスの言うことを必死に紙に書いていった。
すると、あっという間に紙が埋まってしまった。
「ハンス、凄いわ」
「そうかな? これくらいはね……?」
今度は、ハンスの顔を耳が赤くなった。照れているのかもしれない。
私は、赤くなったハンスの顔を見ないように絵画を見つめたのだった。
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