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第十章 今が繋がった道の先へ
88 合理的な判断
しおりを挟む「待って、どちらかは残る必要があるわ」
ビアンカが口を開いた。
ゲオルグか、エイドのどちらかが残る必要がある。
どちらに残って欲しいと言えばいいのか、わからずに立ち尽くしていると、苦しそうな声が聞こえた。
「……私が……残ろう」
「ゲオルグ……?!」
ゲオルグが、とても切なそうな顔で、私を見ながら言った。私はそんなゲオルグを見て、胸に何か鋭利な刃物が刺さったかのように痛くなった。
「この事業を独立させるには、王家、公爵2家、そして侯爵3家の承認が必要だ。ここにいるノイーズ公爵家と、ステーア公爵家は、お2人が話を通してくれるだろう? だが……我がランゲ侯爵家そして、ミーヌ侯爵家に頼んだとしても、あと侯爵家が、1家足りない。私は、前々から、シャルロッテに好意的なハルバルト侯爵に掛け合ってみようと思っていたのだ。この交渉は……次期ランゲ侯爵である……私にしか出来ない……。それに、私なら侯爵家の印を扱えるので、何かあった時に、書類を各方面に出すことも出来る……どう見ても、私が残るのが……合理的だ……」
ゲオルグがきつく口噛み、色が変わるほど、両手をきつく握りしめていた。
「ゲオルグ殿は、それでいいのか?」
ハワード様が、気遣うようにゲオルグを見ながら言った。
「ああ……本心では、絶対に彼女と離れたくはない。ずっと彼女の側にいて、彼女を守りたい……だが!! ……今の状況で私がここに残るという選択が、一番彼女のためになることは、明確だ……」
確かにエイドも書類は作れるし、連絡などは出来る。
だが他の家との交渉などとなると、エイドでは対応するのは難しいし、何かあった時に侯爵家の印を管理しているゲオルグがいれば対応出来る。
これはゲオルグが言う通り、適材適所で非常に合理的な判断だ。
それなのに、私はまるで、凍てつくような痛みを感じた。
ゲオルグは、エイドに向かって睨むように言った。
「エイド……絶対にシャルロッテを守れ」
「必ず!!」
ハワード様がじっとゲオルグを見た後に、少し大きな声で言った。
「では、シャルロッテ嬢に同行するのは、秘書のエイドのみ……それで手配する。いいだろうか?」
私は「はい」と静かに頷いたのだった。
ゲオルグは私を見て切なそうに言った。
「必ず無事に戻って来てくれ……待っているから……」
私はゲオルグを真っ直ぐに見ながら言った。
「ええ。必ず戻ってくるわ」
こうして、私はエイドと共にキイーロ共和国に行くことになったのだった。
☆==☆==
それからの数日は、信じられないほどの忙しさだった。
急ぎの仕事を全て終わらせ、独立の話を可能な限り進め、とうとう、キイ―ロ共和国に向かって旅立つ日がやってきた。
「お嬢様、お時間ですよ」
「ええ。今行くわ」
つらそうな顔のエマが、私を部屋まで呼びに来てくれた。
「それは?」
エマが私の手に持っていたノートを見て首を傾けた。
「ああ、これは前ホフマン伯爵家が残してくれた試験官として各地を回った時の記録よ。試験に向けて、持って行くのはこれだけにしようと思っているの」
私の言葉に、エマは悔しそうに顔を歪めながら言った。
「……どうして、お嬢様ばかりが大変な目に合うのでしょうか?! なぜ神はお嬢様ばかりにこんなにも試練を与えるのです?! 何もできない私が悔しくて仕方ありません!!」
私は、震えるエマを抱き寄せて小さく呟いた。
「エマ……エマは充分助けてくれてるわ。ありがとう」
すると、エマが私の顔を真剣に見ながら言った。
「お嬢様……絶対、絶対、無事に戻って来て下さいね」
「ええ、約束するわ」
私は、エマと約束をしてエントランスに向かったのだった。
☆==☆==
エントランスで家族との別れを惜しんでいると、表に馬車が到着したような音がした。するとエイドと、今回同行してくれるハワード様が、扉から入ってきた。
2人は、とてもつらそうな顔をしていた。
「おはよう、シャルロッテ嬢」
「おはようございます、ハワード様。どうされたのです?」
私が尋ねると、ハワード様が、眉を寄せながら言った。
「実は、今回ビアンカ嬢の手配してくれた騎士の中に、君の元婚約者であるハンス殿がいるんだ」
「え? ハンス様が……?」
私が驚いて、声を上げると、ハワード様がつらそうに言った。
「本当は、別の者をと言ったのだが……ビアンカ嬢が、『絶対にシャルロッテ嬢を守りきれるように』と、剣も弓も槍も体術も乗馬も騎士団内のトップクラス。その他、扱えぬ武器はなく、なおかつ、剣の腕は……先日、騎士団長を破り、騎士団内のトップになったとか。乗馬技術も右に出る者がいない……つまり、現在の騎士団内の実力のトップは、君の元婚約者であるハンス殿なのだ。……今回は、絶対にシャルロッテを守りたいと誰もが思っている。だが、同時に君の気持ちも考慮したいと思っている。シャルロッテ嬢、やはりハンス殿は護衛から外した方がよいだろうか?」
そう言われて、私が初めに浮かんだのは、ハンスのことではなく、切なそうなゲオルグの顔だった。
『必ず無事に戻って来てくれ……待っているから……』
私は一度目を閉じると息を吐いて、ハワード様を見ながら言った。
「私は構いません。必ず無事に戻るとゲオルグと約束しました。その約束が果たされるために、ハンス様のお力が必要だと判断されたのでしたら、従います。私の目的は宝石の試験を受け、無事に帰って来ることですから」
「お嬢……」
エイドが何かを言いたげに私の顔を見ていた。
「そうか……では、行こうか、キイ―ロ共和国へ」
「ええ」
エントランスに出ると、今回護衛を担当してくれる第3部隊の隊長さんが、あいさつをしてくれた。
ハンスはどうやら、馬車に反対側にいるのか、姿が見えなかった。
「エイド!! ハワード!! お嬢様を絶対にお守りして!!」
私が馬車に乗り込もうとした時、エマが泣きそうな顔で叫んだ。
すると、ハワード様がエマに近づき、エマの額にキスをすると「必ず」言って、馬車に乗り込んだ。
「さ、お嬢」
「ええ。みんないってきます」
私は家族にあいさつをすると、エイドに手を取られて、馬車に乗り込んだのだった。
☆==☆==
馬車に乗ると、ハワード様から今回の一連の顛末の説明を受けることになった。
「まず、ミーヌ侯爵の方が、キイ―ロ共和国に近いので、すでに護衛と共に向かっている。
君より先に試験を受けるはずだ」
「わかりました……」
私が返事をすると、ハワード様が頭に片手を置いて、深く溜息をついた。
「実は、君のお披露目式が終わった数日後に、公爵2家と、宰相家で緊急会談が行われた。
私は出席せずに、公爵である父が出席した。そこで聞いた話をしよう」
「お願い致します」
私は、じっとハワード様を見て話を聞いたのだった。
「事の始まりは、ホフマン伯爵領で、『マッローネダイア』が発掘されたところにまで遡る」
「マッローネダイアの発掘……された時まで?」
ハワード様は、真剣な顔で話をしてくれた。
「ああ。元々、『マッローネダイア』は、世界の希少鉱物指定を受けている、世界でもかなり貴重な鉱石だ。我が国ではミーヌ侯爵領で産出される『ローザルコンシエル』と『マッローネダイア』の2つの宝石が、その指定を受けていることは、私よりも、鑑定士の資格を持つ、シャルロッテ嬢とエイドの方が詳しいはずだ」
私は深く頷きながら言った。
「そうですね。確か、希少鉱物指定を受けると、特別な管理方法が必要になるので、当時のハンス様のお父様や、お母様は『マッローネダイア発掘と管理』を学び、大変忙しそうでした。そして、私とハンス様が、前ホフマン伯爵から『マッローネダイアの鑑定』を学びました」
「実は、その維持は、当時の国王陛下、つまり崩御された前国王陛下であらせられるサフィール王子殿下の祖父と、亡きホフマン伯爵との間で決められ、諸外国に報告された」
そこまでは私も知っている事実だった。
マッローネダイアには、発掘と管理と鑑定。この3つの守るべき世界的な基準がある。
そして、それを発掘はハンスのお父様。管理をハンスのお母様。鑑定を前ホフマン伯爵と、3人で分担して担っていたのだ。
そのせいで、元々もホフマン伯爵領の領地経営と、マッローネダイアに関することも請け負っていたハンス様の両親は、ほとんどホフマン伯爵領から出られずに、ハンス様は随分と寂しい想いをしたのだ。
「そのことは、もちろん、当時の宰相もわかっていた。そこで、3人で話し合い、ホフマン伯爵家に、才能のある子供を婚約者にして、ホフマン伯爵の孫と共に教育し、その体制を維持することが決まったのだ……」
私は漠然と将来は、ホフマン伯爵領に行き、領地経営を引継ぎながら、管理と発掘についても、お2人から引き継ぐのだろうと思っていたので、ハワード様の言葉にそう驚くことはなかった。
だが、エイドは隣で怒りで震え出した。
「なんだって? では……ハンス殿は、自分は、騎士になるなど……お嬢にそれほどの重荷を1人で背負わせるつもりだったのか?!」
ハワード様が大きな溜息をつきながら言った。
「はぁ~~実はな、エイド……信じられないことに……ハンス殿は、自分にかせられた使命を何一つ理解してはいなかったんだ」
「どういうことだ?」
エイドが眉を寄せながら尋ねた。
「つまり、あの世間知らずのお坊ちゃんは、大変だということも、自分の使命も、何も知らなかったようだ」
「バカな!! 自分の家のことだろう?!」
エイドの言葉にハワード様も溜息を付きながら言った。
「幼い頃に騎士の名門、ナーゲル伯爵子息に教えを受けたことで、彼の思考は、自分の領を守るという思考ではなく、騎士になるという思考に偏っていったようだ。まぁ、才能があるんだ。そちらに流されたの仕方ないのかもしれないがな……」
それを聞いて私はズキンと胸が痛んだ。
実は私は、学院に入る少し前から、ハンス様の気持ちが剣や乗馬に傾き過ぎていることが怖いと感じていた。だが、学院を卒業すれば、領に戻らなければならない。だから、王都にいる間に、好きなことをやらせてあげたいと思って、見守ることを選んだのだ。
それに、ハンス様は、なかなか一級鑑定士を取ることが出来ずに焦っていた。
私が宝石のことを相談すると、つらそうな顔をするので、次第に話をすることが怖くなっていったのだ。13才で一級鑑定士の資格を取った私を、周りは随分と褒めてくれた。
だが、その影でハンス様が苦しんでいることは気づいていた。そのことで私が出来ることが見つからなかったのだ。
だからせめて、仕事は全て覚えて、ハンス様を支えようと思ったのだ。
それが……悪かったのだろう。
私が、自分の行いを省みていると、エイドが怒りを含んだ声で言った。
「才能があったから仕方ない? ……それは、ただの甘えだ。男として、自分のために尽くしてくれた人から、逃げたことの言い訳にはならねぇ。
てめぇのやるべきことから逃げて、挙句、自分の家族が必死に築き上げたものぶっ壊して、幼いころから尽くしてくれた婚約者泣かせて、何が才能だ。話にならねぇな」
「エイド……」
私は思わず隣に座っているエイドを見つめた。
すると、ハワード様も怒りを見せながら言った。
「実際エイドのいう通りだ……。せめて、前ホフマン伯爵が存命だった時に、ハンス殿も前伯爵に相談してくれていれば、伯爵だって、手が打てたんだ!! 当時の取り決めをした陛下も崩御され、前宰相も亡くなっている。王宮には常に多くの案件が舞い込んでくる。それを、全てを把握することなどできない。だからこそ、締結後は、それぞれの家で責任を持ってその内容を守るのだ!!それが、貴族としての私たちの使命だ……正直、ハンス殿のような貴族がいたことが信じられない」
私は、怒りを見せるハワード様を見守ることしかできなかった。
「だがハンス殿にそんな基本的なことを教えることもできないほど……当時のホフマン伯爵家は……余裕がなかったのだろうな……」
ハワード様が小さく呟くように言った。
その言葉が、ずっと私に胸の中に響いていたのだった。
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