残酷喜劇 短編集

ドルドレオン

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くずどもへのくっくー

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 ある事実を知っていた。女は、何かを隠そうとしていた。何を隠そうとしていた? それは最愛の息子を殺された、という事実だ。耐えに、耐えた。耐えに耐えた。法律で、裁こうとしたとき、正直、犯罪者の態度を見て、もう、自殺したいと思った。
「大丈夫、大丈夫」おじさんが話しかけた。
「何を知ってるんですか? なんでわたしが泣いているか知ってるんですか?」
「いいや、知らないさ。けれど、お釈迦様がきっと守ってくれるよ」

 おじさんは、実は裏の人だった。正直、金も欲しかった。まあ、正直、事実を知っていた。「息子さんをばらばらにして、それを動画で売りさばくか。はあ、やるか。確かに金は没収できたな。さてさて、それで、何も悪いことをしていないよね。えーと、あいつ、使うか」
「ああ、いいさ、いいさ。まあマフィアみたいなことは正直めんどくせえが、たまには、金を稼ぐか」

 二人は、まあ中国の裏社会を知っていた。それで、なんとなーく、いきさつを聞いた。
「あのよお、あいつら人間終わってんだろ」
 イタルが煙草を吸いながら、はーあと、ため息をついた。
「権力者をなめんなよな。あーあ、俺らはどうせ屑だけどよ」

 そこで、その女、を1と名付けた。



 まだまだいた。えぐりだせば、すぐに白状する。これだから、屑は。
「まあまあ、そう慌てさんな。2がいる。3がいる。4がいる。5がいる。ロシア、ハングル、正直にくれた。情報を」
「あーなるほど、そういうことね。あーあ、だいたいだいたい。で、当の本人1は? どう競売にかけるか、ちょっと、警察の、まあ屑みたいなやつに、情報と金をやって、遊ばせた。で、さてさて、どう、やるか」

 まあまあ、これからは、まあまあ、お楽しみ。



 まず、目が覚めると、五人は、あるものをはめられていた。手錠だ。ただし、片腕だけ。
「おまえら、おはよう。ここからは、まあヘブンみたいなところだから、まあ安心安心」
「正直に、おまえら、人を殺したことがあるか?」
 五人は手をあげなかった。
「よし、正直だ、まあ正直だ」
「あー、正直だ。まず、一つ携帯をやる。それでな。Xという、プラットフォームがあるだろ? な? そのアプリだけ、やらせる。で、俺らは、まあ、適当に天国、で、あんたらは、まあ城だ。まあ、そこで遊んでればいいさ」
 五人は手錠をなぜか、ぶら下げたまま、ある、黒い部屋、白い部屋、赤い部屋、で、金色の部屋、を選べた。
「よーし、おまえら、本当に純粋な恋愛を、女同士で出来るか? 男は一人だけ、いるぞ」
「あのー、僕は、その一人で、そのー、白い部屋に、一人で、そっとしていていいですか?」
 5は正直者だった。
 5は白い部屋に通された。そこで、ゆったりと、酒が渡された。
 二人だけの会話。
「お前なあ、本当に莫迦か? 優しすぎだ。莫迦。何振り回されてるんだ? あ?」
「すいません。すいません。映画の撮影、って言われて、そのー、リアルに見えるんですが、正直、親孝行をしたくて」
「馬鹿莫迦、あのなあ、ダークウェブ、って知っているか?」
「あのぉ、話には聞いたことがあるんですけど、正直、もう脅されて、脅迫されて、金欲しさに、やってしまいました」
「何を読みたい? なんでもやるぞ? 書物が欲しいだろ? 見てんだよ! お前のこと!」
「正直、聖書が読みたいです」
「いい、いい、ちょっと来い。とりあえず、聖書読んでろ、莫迦、なめんな、人間の悪」
 彼には優しい秘書がついた。
「中様、一つ、何かご要望を」
「いえいえ、いいんです」
「喉が渇いていますよね? しっかりと、見守ってますから、安心してください」
 中は酒を飲みながら、わんわんと泣いた。正直、どうしていいか分からなかった。それから、腕力が弱い青年だったから、秘書を、ぽかぽかと殴った。




 さて、さて、お待たせしました。読者のみなさん。まあ天使みたいな優しい人は、まあまあおさらばで、これからは悪魔のピュアな、卑怯者劇場をお見せしましょう。

 まず、金色の部屋を選んだのが、まあまあ、1と2。本物の屑。
 で、3が黒い部屋、4が白い屋へ。
「おまねきいたします。金色の部屋が、実は合格で、ございます」

 3が黒い部屋で、携帯だけを渡された、状況で、全ての彼のやった事実が、まあ2チャンネルみたいに、暴かれた。

「なんで、なんで? え?」
「よーし、やっぱり人間だ。まあ、人間じゃねえが」
「え?」
「よーし、スピーカー、何を言われたい?」
「え?」
「一時間やる。何を言われたいか、一つだけ、選べ」

 一時間後、「お前は神のように優しい子」
 を、選んだ。
「そうーか。よーしきかせてやる。で、何を白状するのか。まあ、監視されてないから、心配するな。だいたい、おまえの本性は精神医学的にも分かったからよ。で、もう一つの嘘をスピーカーに流し込んでやった。なんだ?」
「え?」
「悪魔、だよな?」
「はい」
「よーし、どっちかを、永遠にリピートさせてやる。よし、終わり」



 3には白い部屋を通した。「はーあ、やってられっか」彼女はそうぼんやり、つぶやきながら、携帯をいじっていた。
「さーて、二時間ほど休ませたところで、何をし始めるか。こいつはよー、肉片をいじりながら、唾をはきやがった」
「いやいや、もう心理学的には、まあ、安堵を覚えたところでしょう」
 そこで、一枚の紙がさしこまれた。
「うーん、なになに、蛇口? 一本の水? 一日に? あーはいはい、わかったわかった。蛇口でしょ」
 そこで、蛇口が壁から出てきた。
「うーん、喉も乾いたところだし、のむかー」
 しかし、その蛇口は少し変わっていて、ボタン式だった。
 4は凄い喉が渇いていて、ボタンを押すと、水が出るようになるのを「はいはい、おいしいおいしい、どうせ、わたしは、どこかで殺されるんでしょ。携帯見れば分かるんだけどさ、いつまで、待たせるの? はいはい、水が美味しい」
 そこで、がぶがぶとのませたところで、もう少し飲みたそうなところで、水がとまった。
「お、とまった。はいはい、分かる分かる、もう一度押せばいいのね」
 そこで、少し水がでた。
 観客がわ「おー、お見事お見事、拍手、拍手」おー、と赤ワインを開けていた。
「あーあ、何か欲しいなあ。何が欲しいかなあ。あーあ、何もいらないやあ」4はそう言いながら、オナニーを始めた。
 観客側「おーあのオナニー、凄い凄い、彼女に精神があったとは!」
 そこで、彼らはひそかに、ゆったりと、席を外した。もうオナニーはなんとなく分かったからだ。
 4は凄い勢いで、オナニーをしながら、水を欲し始めた。変な頭痛もきはじめた。麻薬を入れられたか、と疑った。そこで、4の劣等感が生れたところで、観客は、betを始めた。
「一時間以内に、オナニーをしながら、水を飲む、に賭ける」一人のまあブラックスーツがいった。彼は精神医学のスペシャリストだったが、もうめんどくせえから、客を盛り上げていた。
「あーあ、普通に、水を飲み始めて、床オナニーを始めたよ。だいたい当たってんだがよー。まあずりーだろ、BB」
 そこで、BBは「携帯にある情報を刷り込んだ」Xを開いて、「すべて嘘つき」という書き込みをトップに出したのだ。
 4はじゃっかん、ひりついた。どういうこと? と思ったからだ。
 それから、本名の嵐が飛び交い、色々な人間の情報がXに入っていた。そこで、4は「本物の天使のような女性」というツイートに、目を奪われた。
 それから、めんどくさそうに、BBはDMをしながら、彼女がだいたい理解できたから、いったん、恋に落として、「愛してた、愛してた、けれど、本当にごめんなさい。水をもう飲めません」というDMを最後に、Xから、消えた。
 それから、4はひどい落胆に落ち込んだ。そこで、BBの写真(嘘)で文字コラをつくり始めた。
「さて、だいたい、分かった。これで、オールBETでもいいよなあ、めんどくせえから、俺でオナニー、以上。めんどくせえから、最愛抱いてくる」
 水を飲みながら、4はひりついた顔で、オナニーを始めた。そうして、水が飲めないのが段々と分かった。そこで、最後の一擲に酒を飲ませた。
 もう彼女は狂ったようにオナニーを始めた。水欲しさに、乾いて、乾いて、そうして、死んだ。BBは普通に、1と2の鑑賞を最愛と始めた。

5

 さて、さてみなさん、それでは1と2のピュアな恋愛をお見せしましょう。
 さーて、さーて、思った通り、二人はなんとなーく、気配を感じたようで、おそらく、二人で抱き合うのも始めるでしょう。
 と、思いきや、二人はひそひそ話し、始めた。
「うーん、何を話しているか分からないが、まあいいや」
「俺もどうでもいい」イタル。
 BBは「あー、なるほど、だいたい、話し合っているのは分かるけど、広筋の動きからして、まあまあ、日本語だけど、まあ、なんとなーく、感情的に、まあわからん」
 たしかに、たしかに、そこで、マフィアたちは子供たちに勉強を教えに、一人は残って、煙草を吸いながら、適当に、数学雑誌を読んでいた。
 二人には、もちろん、もちろん、ご褒美。十時間頑張って、何とか、不眠に耐えたから、そこで、酒が、秘書が入ってきて、渡した。むろん、憔悴状態を確認してからだ。秘書は襲われても、簡単に制することができるからだ。名はヴァ。
「うまーい、うまーい」二人は、どろどろに酔いながら、秘書を殺そうとしたが、へろへろだった。そこで、一発の拳銃が、ドン、と廊下から聞こえた。
「まあ、そういうことなので、頑張ってください。ご褒美です。競売です」ヴァがそう話した。
 



 1と2は、手錠がかけられ、あくせくしていた。自由に動けないからだ。
「わたしたちこれからどうなるの? なんか変なんだけど」
「あはは、わたしたちのやったこと、ばれてるのかな……」
「まさか……」
 
 それからスピーカーで声が聞えた。
「よーし、1と2、どっちかが先に死ねば、解放してやる」
 1はびっくりした。
「どういうこと?」
「それともよー、おまえらで純粋な愛情を捧げあえるか?」
「はーーー! 無理無理、こんなきもいやつ」
「1、 それがお前の本性だな! よーし、壁から出てきたものを、1が開けろ」
「はぁ、めんどくさ。あきこ、ちょっと動くからきな」
「はぁ? なに言ってんの? わたしに指図するの?」
「いいからいいから」
 壁から出てきた箱には、拳銃が入っていた。
「よーし、1番のやつ、隣にいるやつを殺したら、中から出してやる」
「はあ? わたしを殺す気? ナナ」
「うん、殺す」
 それから、1は2を銃殺した。
「ほんとにやったな! よし、外に出してやる。壁が開いただろ?」
 ここで1は残酷なことをした。手錠がかけられているナナの右手にバンバンピストルを撃って、右手を切断した。
「これで、動けるわー」
「よし、これから1番にやる、本当のゴキブリみたいな人間ショーをやらせる」
 すると、部屋のドアから、チェンソーをもった人が現れた。
「はぁ? まじ何なの? こいつも撃ち殺そう」
 1番は、バンバンピストルを撃った。けれど、チェンソーマンはびくともしない。
「ふーん、とりあえず逃げようかな……」
 1番は、部屋から出た。
「ピンポンパンポン、ポンパンピンポン。1番、1番、人間ゴキブリレース。さあ、森林の中に逃げ隠れしなさい」
「何何? どういうこと?」
 1番の人間は森の中に隠れた。
「何何? どうなるの」
「ピンポン。今から猟師が向かいます。逃げてー逃げてー」
 1番に恐怖が忍び寄った。猟師が何十人も歩いてくる足跡が聞えるからである。彼らは決まって「どこだーどこだー。くっくーくっくー。どこだーどこだー。くっくーくっくー」と大きな声で話しながら近づいてくるのだ。
「見つけた!」一人の猟師が、バン、と猟銃を放った。その弾が1番に命中した。
 1番は撃たれた傷を、右手で抑えながら、逃げた。逃げて逃げて、洞窟に逃げ込んだ。
「ここなら大丈夫。ここなら大丈夫」
 1番は恐怖で怯えた。
 だが、「くっくー、くっくー。ここにいる。くっくー、くっくー、ここにい」と猟師は喜びに満ちた様子でわめいている。すぐに入らずにずっと「くっくー、くっくー」と狩人たちは、話している。
 1番は気がおかしくなりそうな、中、ピストルをふるえる手で握りしめている。

END
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