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第155話 エコー
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僕の妊娠が分かった時点で、
お母さんは僕が安定期に入る12,3週まで、
フランスに滞在してくれる事になった。
僕の妊娠がおおよそ分かっていたお母さんは、
フランスに来る前に、
秋の公演は、代役を立てたみたいだった。
「妊娠が分かったところでさ、
やっぱり佐々木君とは
彼の父親に隠れてでも連絡とる気無いの?
赤ちゃんは佐々木君の赤ちゃんでもあるんだよ?
赤ちゃんから父親を取り上げるの?」
お母さんは最もな事を質問して来た。
でも僕は、何があっても佐々木先輩に言うつもりは無い。
そこまでの覚悟をして僕は日本を離れた。
それに赤ちゃんのことが
先輩の父親にバレたらきっとタダではすまない。
Ωな僕との間の赤ちゃんなんて……
「お母さん、お母さんの心配も理解出来るよ。
でも、僕はもう決めたから。
佐々木先輩とはもう会わない。
赤ちゃんの事も、先輩には伝えない。
だからお母さんも、絶対先輩には言わないで!」
お母さんは頭を振りながら、
「本当に、頑固なところは誰に似たんだろうね」
と言った。
「お父さんと、お母さんには
これから一杯迷惑かけるかもしれないけど、
出来るだけ一人で頑張るから……」
「何言ってんだよ。
僕も、司君も永遠に要の両親なんだから、
子供は何時でも親に甘えなさい」
そう言ってお母さんは僕を抱きしめてくれた。
最近僕は涙腺が緩くなっている。
少しの事で涙が出てきてしまう。
僕が唇を噛みしめて無くのを我慢していると、
「ハハハ、我慢しなくて泣いても良いんだよ。
それに妊娠中ってホルモンの関係で
何でもないのに良く泣いちゃうしね。
僕も司君に良く当たったよ。
彼はいったい自分が何をしたのか分からなくって
グルグルしていたんだけどね」
そう言ってお母さんは笑っていた。
そして思い出したようにして、
「あ、そう言えばね、この前、佐々木君が家に来たんだよ」
と教えてくれた。
「!」
「佐々木先輩は何て?」
「やっと、自由の身になれたって。
結構長い間、監禁食らってたみたいだよね。
まあ、あちらさんは要が国外に出たのも分かって
彼を解放したんだろうけど……
で、父親から要が別れると言ったと聞いた……って……」
「で、お母さん、先輩に何って言ったの?」
「佐々木君のお父さんとのやり取りは話して無いんだけど、
あらかたお父さんから聞いてたみたいだよ。
だから今は要は佐々木君とは会えないって……
居場所も教えない様に言われてるって伝えた」
「先輩はちゃんと納得してくれた?」
「あの様子じゃしてないと思うよ。
でもちゃんと状況分ってるから、
今のとこは引くみたいな感じだったけど……」
「じゃあ、僕が別れを選んだのは……」
「うん、きっと彼は要の心を理解しているよ。
何故、要がその選択をしたのかも……
要にね、
“もっと力を付けて、絶対取り戻しに行くから”
それだけでも伝えてって……」
「……」
僕は先輩の伝言に
どう反応すれば良いのか分からなかった。
先輩にまた会える日が来る?
僕達が、先輩の父親に屈服しない日がやって来る?
本当にそう言う日が来る?
僕はあの威圧的な目を覚えている。
思い出すと、今でも震えがやって来る、
佐々木先輩の事は信じていないわけじゃ無い。
でも、どんなに頑張っても、
無理な事はある。
少なくとも今はまだ駄目だ。
とりあえず、先輩は自由の身になれたようだった。
そう思うと、安心した。
先輩のお父さんは僕との約束を守ってくれた。
自分の選択は間違っていなかったと思った。
「じゃあ、そろそろ出ようか?」
お母さんの掛け声と共に時計を見た。
「何だか緊張する~」
そう、今日は産婦人科へ行く日。
お母さんが僕を産んだところだけど、
僕を取り上げたドクターは既にリタイアしていた。
「大丈夫だよ。
この産院は男性のΩに強い所だから、
何も心配せずに全てをドクターに任せて!」
男性のΩ専門と言うほどではないらしいけど、
かなりの赤ちゃんを男性のΩから取り上げたらしい。
産院に着くと、
先ずは、尿検査があったけど、
やはり間違いなく僕は妊娠していた。
そして僕は今、診察室に呼ばれ、
ドクターの前に座っている。
お母さんは通訳の為、僕と一緒に居てくれた。
「最後の発情期の始まりは何時でしたか?」
と聞かれたので、
「8月7日です」
と答えた。
そうすると、円状になった予定日を算出するカレンダーを出し、
クルクルと回していた。
そして、
「出産予定日は5月16日ですね」
と言われた。
「まあ、これはあくまで、予定日ですので。
それにΩ男性は満期行かない場合が多いので、
出産は早くなると思います。
それと、男性Ωは産道が女性と違いますので、
帝王切開になりますので」
そう言われた。
ちょっと怖くなったけど、
内診をするので、下半身を全て脱いで、
ガウンに着替えて内診台に横たわるように言われた。
内診って一体何をするの?
僕のドキドキが一層激しくなった。
ドクターが、検査用の手袋をピシッと音を立ててはめた時は、
ドキッとして少し体が浮き上がったようにも感じた。
ドクターの隣には、助手として看護婦が付いていた。
僕の下半身にブランケットが掛けられ、
「はい、ここに両足を乗せて楽にしてくださいね~」
と言われ、足を内診台備え付けの足掛けに乗せたかと思うと、
ブランケットを膝までめくられ、
膝をガバッと開かれた。
僕がヒ~っと思っていると、
「ちょっと冷たいですよ~」
とジェルを局部に塗られ、
何かが中に入って来た。
僕は圧迫と苦しさで
「ウッ!」
と声を上げてしまった。
「大丈夫ですよ~
今中を調べてますからね~」
とドクターが中継してくれた。
僕の中に入って来たのは、
局部を広げて中を見やすいようにする器具だったらしい。
そして、内部の病気が無いか検査の為に、
綿棒などでこすって色々とサンプルを取られた。
「あ~ ちゃんと子宮が出来ていますよ。
この後エコー取りますからね~」
と言われ、僕は
「はい~」
とか細く答えるしかできなかった。
この後ドクターは中に指を入れ、下腹部、
子宮口の高さ、入り口などを触手で検査した。
色々と検査を受けながら、
もう二度と妊娠なんてしないぞ!と思った。
検査が終わると、エコー室に連れて行かれた。
ここでも診察台に横たわると、
下半身にブランケットを掛けられ、
お腹をめくると、又冷たいジェルがお腹に掛けられた。
今度は何をされるの~
と少し弱気になって来たけど、
マウスをお腹に当てると、お腹の中が映り始めた。
でも僕は、どこに何があるのか、全く分からなかった。
エコーをやってくれてる人は、
「ほら、これ貴方のXXね。
あ、これはあなたの○○ね」
と僕の内臓を見せてくれた。
僕、自分の内臓が見たいわけでは無いんですけど……
でも説明されても全然わからん!と思っていると、
僕のお腹をグリグリと移動し始めた。
痛い、痛いと痛みをこらえていると、
「あ、ほらここ!
赤ちゃんがいるよ!」
そう言って、映し出された画面を僕に見せてくれた。
そこには、袋のようなものが映っていて、
その中に豆粒の様な物があった。
僕には何処からどう見ても、豆にしか見えなかった。
「ほら、ここ見て」
そう言って指さされたところは、
大きく映し出され、その一点が
ピクピクと小刻みに動いていた。
「これは……」
「赤ちゃんの心臓だよ!
ちゃんと元気に動いてるよ!
ほら、これが赤ちゃんの心臓の音だよ。
お母さんの音よりは倍早いけどこれが普通だからね。」
そう言われた瞬間、
僕の目からはポロポロと涙が零れ落ちた。
赤ちゃんの心臓の音は本当に早くて、
でも、ちゃんと力強く脈打っていて、
こんな豆粒なのに、
ちゃんと生きて心臓が動いてると言うのは正しく奇跡だと思った。
僕の赤ちゃん……
佐々木先輩との愛の結晶が……
こんなに小さいのに、頑張って生きている!
そう思うと、たまらなくなった。
泣けて、泣けて、この瞬間を佐々木先輩と分かち合えないのが、
凄く苦しかった。
先輩にも教えてあげたかった。
先輩にも見せてあげたかった。
僕達の赤ちゃんが頑張って僕の中で一生懸命生きている姿を……
それと同時に凄い罪悪感にもさいなまれた。
僕は佐々木先輩から、
普通だったら当たり前に経験する権利を奪い取っている。
もしかしたら、自分の選択がこの子にも不幸をもたらすんじゃないかとか、
何時か僕を恨むようになるんじゃないかとか、
考え出すと切りが無かった。
でも、今は自分の信じた道を進むしかない。
今は、頑張って、ちゃんとこの子を無事産む事だけを考えよう!
そう思って、僕はもう一度、画面に映る愛しい我が子を見つめ直した。
お母さんは僕が安定期に入る12,3週まで、
フランスに滞在してくれる事になった。
僕の妊娠がおおよそ分かっていたお母さんは、
フランスに来る前に、
秋の公演は、代役を立てたみたいだった。
「妊娠が分かったところでさ、
やっぱり佐々木君とは
彼の父親に隠れてでも連絡とる気無いの?
赤ちゃんは佐々木君の赤ちゃんでもあるんだよ?
赤ちゃんから父親を取り上げるの?」
お母さんは最もな事を質問して来た。
でも僕は、何があっても佐々木先輩に言うつもりは無い。
そこまでの覚悟をして僕は日本を離れた。
それに赤ちゃんのことが
先輩の父親にバレたらきっとタダではすまない。
Ωな僕との間の赤ちゃんなんて……
「お母さん、お母さんの心配も理解出来るよ。
でも、僕はもう決めたから。
佐々木先輩とはもう会わない。
赤ちゃんの事も、先輩には伝えない。
だからお母さんも、絶対先輩には言わないで!」
お母さんは頭を振りながら、
「本当に、頑固なところは誰に似たんだろうね」
と言った。
「お父さんと、お母さんには
これから一杯迷惑かけるかもしれないけど、
出来るだけ一人で頑張るから……」
「何言ってんだよ。
僕も、司君も永遠に要の両親なんだから、
子供は何時でも親に甘えなさい」
そう言ってお母さんは僕を抱きしめてくれた。
最近僕は涙腺が緩くなっている。
少しの事で涙が出てきてしまう。
僕が唇を噛みしめて無くのを我慢していると、
「ハハハ、我慢しなくて泣いても良いんだよ。
それに妊娠中ってホルモンの関係で
何でもないのに良く泣いちゃうしね。
僕も司君に良く当たったよ。
彼はいったい自分が何をしたのか分からなくって
グルグルしていたんだけどね」
そう言ってお母さんは笑っていた。
そして思い出したようにして、
「あ、そう言えばね、この前、佐々木君が家に来たんだよ」
と教えてくれた。
「!」
「佐々木先輩は何て?」
「やっと、自由の身になれたって。
結構長い間、監禁食らってたみたいだよね。
まあ、あちらさんは要が国外に出たのも分かって
彼を解放したんだろうけど……
で、父親から要が別れると言ったと聞いた……って……」
「で、お母さん、先輩に何って言ったの?」
「佐々木君のお父さんとのやり取りは話して無いんだけど、
あらかたお父さんから聞いてたみたいだよ。
だから今は要は佐々木君とは会えないって……
居場所も教えない様に言われてるって伝えた」
「先輩はちゃんと納得してくれた?」
「あの様子じゃしてないと思うよ。
でもちゃんと状況分ってるから、
今のとこは引くみたいな感じだったけど……」
「じゃあ、僕が別れを選んだのは……」
「うん、きっと彼は要の心を理解しているよ。
何故、要がその選択をしたのかも……
要にね、
“もっと力を付けて、絶対取り戻しに行くから”
それだけでも伝えてって……」
「……」
僕は先輩の伝言に
どう反応すれば良いのか分からなかった。
先輩にまた会える日が来る?
僕達が、先輩の父親に屈服しない日がやって来る?
本当にそう言う日が来る?
僕はあの威圧的な目を覚えている。
思い出すと、今でも震えがやって来る、
佐々木先輩の事は信じていないわけじゃ無い。
でも、どんなに頑張っても、
無理な事はある。
少なくとも今はまだ駄目だ。
とりあえず、先輩は自由の身になれたようだった。
そう思うと、安心した。
先輩のお父さんは僕との約束を守ってくれた。
自分の選択は間違っていなかったと思った。
「じゃあ、そろそろ出ようか?」
お母さんの掛け声と共に時計を見た。
「何だか緊張する~」
そう、今日は産婦人科へ行く日。
お母さんが僕を産んだところだけど、
僕を取り上げたドクターは既にリタイアしていた。
「大丈夫だよ。
この産院は男性のΩに強い所だから、
何も心配せずに全てをドクターに任せて!」
男性のΩ専門と言うほどではないらしいけど、
かなりの赤ちゃんを男性のΩから取り上げたらしい。
産院に着くと、
先ずは、尿検査があったけど、
やはり間違いなく僕は妊娠していた。
そして僕は今、診察室に呼ばれ、
ドクターの前に座っている。
お母さんは通訳の為、僕と一緒に居てくれた。
「最後の発情期の始まりは何時でしたか?」
と聞かれたので、
「8月7日です」
と答えた。
そうすると、円状になった予定日を算出するカレンダーを出し、
クルクルと回していた。
そして、
「出産予定日は5月16日ですね」
と言われた。
「まあ、これはあくまで、予定日ですので。
それにΩ男性は満期行かない場合が多いので、
出産は早くなると思います。
それと、男性Ωは産道が女性と違いますので、
帝王切開になりますので」
そう言われた。
ちょっと怖くなったけど、
内診をするので、下半身を全て脱いで、
ガウンに着替えて内診台に横たわるように言われた。
内診って一体何をするの?
僕のドキドキが一層激しくなった。
ドクターが、検査用の手袋をピシッと音を立ててはめた時は、
ドキッとして少し体が浮き上がったようにも感じた。
ドクターの隣には、助手として看護婦が付いていた。
僕の下半身にブランケットが掛けられ、
「はい、ここに両足を乗せて楽にしてくださいね~」
と言われ、足を内診台備え付けの足掛けに乗せたかと思うと、
ブランケットを膝までめくられ、
膝をガバッと開かれた。
僕がヒ~っと思っていると、
「ちょっと冷たいですよ~」
とジェルを局部に塗られ、
何かが中に入って来た。
僕は圧迫と苦しさで
「ウッ!」
と声を上げてしまった。
「大丈夫ですよ~
今中を調べてますからね~」
とドクターが中継してくれた。
僕の中に入って来たのは、
局部を広げて中を見やすいようにする器具だったらしい。
そして、内部の病気が無いか検査の為に、
綿棒などでこすって色々とサンプルを取られた。
「あ~ ちゃんと子宮が出来ていますよ。
この後エコー取りますからね~」
と言われ、僕は
「はい~」
とか細く答えるしかできなかった。
この後ドクターは中に指を入れ、下腹部、
子宮口の高さ、入り口などを触手で検査した。
色々と検査を受けながら、
もう二度と妊娠なんてしないぞ!と思った。
検査が終わると、エコー室に連れて行かれた。
ここでも診察台に横たわると、
下半身にブランケットを掛けられ、
お腹をめくると、又冷たいジェルがお腹に掛けられた。
今度は何をされるの~
と少し弱気になって来たけど、
マウスをお腹に当てると、お腹の中が映り始めた。
でも僕は、どこに何があるのか、全く分からなかった。
エコーをやってくれてる人は、
「ほら、これ貴方のXXね。
あ、これはあなたの○○ね」
と僕の内臓を見せてくれた。
僕、自分の内臓が見たいわけでは無いんですけど……
でも説明されても全然わからん!と思っていると、
僕のお腹をグリグリと移動し始めた。
痛い、痛いと痛みをこらえていると、
「あ、ほらここ!
赤ちゃんがいるよ!」
そう言って、映し出された画面を僕に見せてくれた。
そこには、袋のようなものが映っていて、
その中に豆粒の様な物があった。
僕には何処からどう見ても、豆にしか見えなかった。
「ほら、ここ見て」
そう言って指さされたところは、
大きく映し出され、その一点が
ピクピクと小刻みに動いていた。
「これは……」
「赤ちゃんの心臓だよ!
ちゃんと元気に動いてるよ!
ほら、これが赤ちゃんの心臓の音だよ。
お母さんの音よりは倍早いけどこれが普通だからね。」
そう言われた瞬間、
僕の目からはポロポロと涙が零れ落ちた。
赤ちゃんの心臓の音は本当に早くて、
でも、ちゃんと力強く脈打っていて、
こんな豆粒なのに、
ちゃんと生きて心臓が動いてると言うのは正しく奇跡だと思った。
僕の赤ちゃん……
佐々木先輩との愛の結晶が……
こんなに小さいのに、頑張って生きている!
そう思うと、たまらなくなった。
泣けて、泣けて、この瞬間を佐々木先輩と分かち合えないのが、
凄く苦しかった。
先輩にも教えてあげたかった。
先輩にも見せてあげたかった。
僕達の赤ちゃんが頑張って僕の中で一生懸命生きている姿を……
それと同時に凄い罪悪感にもさいなまれた。
僕は佐々木先輩から、
普通だったら当たり前に経験する権利を奪い取っている。
もしかしたら、自分の選択がこの子にも不幸をもたらすんじゃないかとか、
何時か僕を恨むようになるんじゃないかとか、
考え出すと切りが無かった。
でも、今は自分の信じた道を進むしかない。
今は、頑張って、ちゃんとこの子を無事産む事だけを考えよう!
そう思って、僕はもう一度、画面に映る愛しい我が子を見つめ直した。
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