17 / 40
素直じゃないは、正義じゃない
03
しおりを挟む
やっぱり、振られた僕が謝るのは少し納得がいかないけど、いつになく情けない顔の直輝には思わず謝ってしまう。
「俺、本当は好かれてないのかって、スゲー落ち込んだ。俺が振ったって形だけど、振られた気分だった」
「だって…」
「だって?」
「だって、負担になりたくなかった。噂、聞いてたから。僕は彼女ができるまでの繋ぎの存在で、告白された直輝が、彼女を選んだんだって思ったから」
「それだよ!」
「何が?」
「睦己は俺が何してても嫉妬してくれない」
「嫉妬してるよ。女子としゃべってる直輝を見るのは辛いから、見ないようにしてた」
「言ってくれれば良いのに」
「鬱陶しい奴だって思われたくなかったから…」
「そんなわけないじゃん」
でも、でも、あの噂は?付き合ってるって、聞いたのに…。
「丸岡さんは?」
「美香の事?」
「うん…」
名前で呼んじゃってるんだ。
浮上していた気持ちがドスンと落ちる。
「美香も俺たちの事は知ってるよ?って言うか、睦己が毎週家に来てたの知ってるから、かなり揶揄われた。睦己も美香の家、知ってるけどな。いつも美香ん家の横通って俺ん家に入るから。隣なんだ。切っても切れない幼馴染。高校まで一緒でお互いうんざり。おまけにお互いサッカー好きでさ。女子サッカー部がないのと、いかんせん、美香の運動神経は酷いから、今はマネージャーやってる。それだけの仲だよ。仲良いかって聞かれたら、まあ良い方だけど、それは恋愛的な意味じゃない」
「嘘…」
「嘘じゃないよ」
「だって、噂、聞いたんだ。直輝と付き合ってるって」
「そうなの?」
「うん」
「いつ?」
「別れよって言われた次の日…」
「そか…。俺は、別れるのをあっさり『わかった』のひと言で受け入れた睦己にスゲーショック受けて、しばらく動けなかったから、知らなかったな」
「別れなくっても良かったんなら、どうして?」
「だから、このカッコの睦己を守るためって言ったじゃん」
「だって、僕…寂しかった」
「俺もだって。ヨシに言われてから、何度も学校で話しかけようとしたけど、ほとんど無視したり、逃げたり、全然だった」
「そうだっけ?」
「そうだよ」
「じゃあ、言ってくれれば良かったのに。凄く辛かった」
「俺だって辛かったっての!じゃあ、このカッコの睦己は凄く可愛いくて危ないから、俺がいつも側にいて守るって言ったら信じた?」
「う、うん。信じない…と思う。嘘だって言ったと思うけど…」
「そうだろ?付き合ったままで、昨日みたいに一緒にプラカード持って回ったり、俺がくっ付いても絶対嫌がらなかった?」
「嫌がったかもしれないけど…」
そうだよ。
今は片思いのつもりで、直輝と一緒にいることを喜ぼうと思ったけど、付き合ってるままなら……ううっ、ごめんなさい。
「ほら、絶対に一緒にいてくれなかった」
「でもさ、別に、僕一人でも問題なかったよね?」
「井上先輩に何された?さっきの会話聞いてた?睦己は自分の可愛さをわかってない。このカッコがどんなに危ないか全然わかってない」
「……そんなに、可愛くないから。それに、これが気持ち悪いから振られたんだって思ってたくらいなのに」
「なっ!そんなわけないだろ?これだって似合ってる…」
「いや、嬉しくはないけど…」
「でも、俺は見れて嬉しかったよ。睦己は可愛い。そこら辺の女と比べても負けないくらい可愛いの!井上先輩だって……。ホント、俺の睦己なのに」
「じゃあ、もう離れなくて良いの?」
「当たり前!これからは教室でもベタベタする。これは、俺の心配を無視した罰だからな。嫌だは無し。はあ、睦己不足が解消する」
直輝は僕の胸に顔を埋め抱きしめると、背中を何度も撫でてくれた。
話を聞いている間に、また涙が頬を伝う。涙腺が壊れてしまったのだろうか?
「どうして泣いてるの?」
「だ、だって、嬉し…嬉しいから」
そう、これは悲しい涙じゃない。
「俺も嬉しいよ。こんな俺を許してくれて、もう一度一緒にいることを、こんなに喜んでくれてるなんて」
「な、直輝の、せいだよ…」
更に涙が出て、言葉が続かない。
「そうだな、俺のせいだ」
「違っ、ご、ごめん、僕の、せい、だから…。ごめん、僕が、僕が…」
「二人のせいだね。ちゃんと話せば良かったんだ。別れるって選択じゃなくって、睦己が納得するまで、何度も。その時間はあったのに、諦めてしまった。ヨシに間に入ってもらっても良かったしな」
「うん、うん…ごめんね」
「俺も、ごめん」
「俺、本当は好かれてないのかって、スゲー落ち込んだ。俺が振ったって形だけど、振られた気分だった」
「だって…」
「だって?」
「だって、負担になりたくなかった。噂、聞いてたから。僕は彼女ができるまでの繋ぎの存在で、告白された直輝が、彼女を選んだんだって思ったから」
「それだよ!」
「何が?」
「睦己は俺が何してても嫉妬してくれない」
「嫉妬してるよ。女子としゃべってる直輝を見るのは辛いから、見ないようにしてた」
「言ってくれれば良いのに」
「鬱陶しい奴だって思われたくなかったから…」
「そんなわけないじゃん」
でも、でも、あの噂は?付き合ってるって、聞いたのに…。
「丸岡さんは?」
「美香の事?」
「うん…」
名前で呼んじゃってるんだ。
浮上していた気持ちがドスンと落ちる。
「美香も俺たちの事は知ってるよ?って言うか、睦己が毎週家に来てたの知ってるから、かなり揶揄われた。睦己も美香の家、知ってるけどな。いつも美香ん家の横通って俺ん家に入るから。隣なんだ。切っても切れない幼馴染。高校まで一緒でお互いうんざり。おまけにお互いサッカー好きでさ。女子サッカー部がないのと、いかんせん、美香の運動神経は酷いから、今はマネージャーやってる。それだけの仲だよ。仲良いかって聞かれたら、まあ良い方だけど、それは恋愛的な意味じゃない」
「嘘…」
「嘘じゃないよ」
「だって、噂、聞いたんだ。直輝と付き合ってるって」
「そうなの?」
「うん」
「いつ?」
「別れよって言われた次の日…」
「そか…。俺は、別れるのをあっさり『わかった』のひと言で受け入れた睦己にスゲーショック受けて、しばらく動けなかったから、知らなかったな」
「別れなくっても良かったんなら、どうして?」
「だから、このカッコの睦己を守るためって言ったじゃん」
「だって、僕…寂しかった」
「俺もだって。ヨシに言われてから、何度も学校で話しかけようとしたけど、ほとんど無視したり、逃げたり、全然だった」
「そうだっけ?」
「そうだよ」
「じゃあ、言ってくれれば良かったのに。凄く辛かった」
「俺だって辛かったっての!じゃあ、このカッコの睦己は凄く可愛いくて危ないから、俺がいつも側にいて守るって言ったら信じた?」
「う、うん。信じない…と思う。嘘だって言ったと思うけど…」
「そうだろ?付き合ったままで、昨日みたいに一緒にプラカード持って回ったり、俺がくっ付いても絶対嫌がらなかった?」
「嫌がったかもしれないけど…」
そうだよ。
今は片思いのつもりで、直輝と一緒にいることを喜ぼうと思ったけど、付き合ってるままなら……ううっ、ごめんなさい。
「ほら、絶対に一緒にいてくれなかった」
「でもさ、別に、僕一人でも問題なかったよね?」
「井上先輩に何された?さっきの会話聞いてた?睦己は自分の可愛さをわかってない。このカッコがどんなに危ないか全然わかってない」
「……そんなに、可愛くないから。それに、これが気持ち悪いから振られたんだって思ってたくらいなのに」
「なっ!そんなわけないだろ?これだって似合ってる…」
「いや、嬉しくはないけど…」
「でも、俺は見れて嬉しかったよ。睦己は可愛い。そこら辺の女と比べても負けないくらい可愛いの!井上先輩だって……。ホント、俺の睦己なのに」
「じゃあ、もう離れなくて良いの?」
「当たり前!これからは教室でもベタベタする。これは、俺の心配を無視した罰だからな。嫌だは無し。はあ、睦己不足が解消する」
直輝は僕の胸に顔を埋め抱きしめると、背中を何度も撫でてくれた。
話を聞いている間に、また涙が頬を伝う。涙腺が壊れてしまったのだろうか?
「どうして泣いてるの?」
「だ、だって、嬉し…嬉しいから」
そう、これは悲しい涙じゃない。
「俺も嬉しいよ。こんな俺を許してくれて、もう一度一緒にいることを、こんなに喜んでくれてるなんて」
「な、直輝の、せいだよ…」
更に涙が出て、言葉が続かない。
「そうだな、俺のせいだ」
「違っ、ご、ごめん、僕の、せい、だから…。ごめん、僕が、僕が…」
「二人のせいだね。ちゃんと話せば良かったんだ。別れるって選択じゃなくって、睦己が納得するまで、何度も。その時間はあったのに、諦めてしまった。ヨシに間に入ってもらっても良かったしな」
「うん、うん…ごめんね」
「俺も、ごめん」
42
あなたにおすすめの小説
十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。
平凡な僕が優しい彼氏と別れる方法
あと
BL
「よし!別れよう!」
元遊び人の現爽やか風受けには激重執着男×ちょっとネガティブな鈍感天然アホの子
昔チャラかった癖に手を出してくれない攻めに憤った受けが、もしかしたら他に好きな人がいる!?と思い込み、別れようとする……?みたいな話です。
攻めの女性関係匂わせや攻めフェラがあり、苦手な人はブラウザバックで。
……これはメンヘラなのではないか?という説もあります。
pixivでも投稿しています。
攻め:九條隼人
受け:田辺光希
友人:石川優希
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグ整理します。ご了承ください。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
伯爵家次男は、女遊びの激しい(?)幼なじみ王子のことがずっと好き
メグエム
BL
伯爵家次男のユリウス・ツェプラリトは、ずっと恋焦がれている人がいる。その相手は、幼なじみであり、王位継承権第三位の王子のレオン・ヴィルバードである。貴族と王族であるため、家や国が決めた相手と結婚しなければならない。しかも、レオンは女関係での噂が絶えず、女好きで有名だ。男の自分の想いなんて、叶うわけがない。この想いは、心の奥底にしまって、諦めるしかない。そう思っていた。
勇者様への片思いを拗らせていた僕は勇者様から溺愛される
八朔バニラ
BL
蓮とリアムは共に孤児院育ちの幼馴染。
蓮とリアムは切磋琢磨しながら成長し、リアムは村の勇者として祭り上げられた。
リアムは勇者として村に入ってくる魔物退治をしていたが、だんだんと疲れが見えてきた。
ある日、蓮は何者かに誘拐されてしまい……
スパダリ勇者×ツンデレ陰陽師(忘却の術熟練者)
不倫の片棒を担がせるなんてあり得ないだろ
雨宮里玖
BL
イケメン常務×平凡リーマン
《あらすじ》
恋人の日夏と福岡で仲睦まじく過ごしていた空木。日夏が東京本社に戻ることになり「一緒に東京で暮らそう」という誘いを望んでいたのに、日夏から「お前とはもう会わない。俺には東京に妻子がいる」とまさかの言葉。自分の存在が恋人ではなくただの期間限定の不倫相手だったとわかり、空木は激怒する——。
秋元秀一郎(30)商社常務。
空木(26)看護師
日夏(30)商社係長。
永久糖度
すずかけあおい
BL
幼い頃、幼馴染の叶はままごとが好きだった。パパはもちろん叶でママはなぜか恵吾。恵吾のことが大好きな叶の気持ちは、高校二年になった今でも変わっていない。でも、これでいいのか。
〔攻め〕長沼 叶
〔受け〕岸井 恵吾
外部サイトでも同作品を投稿しています。
小石の恋
キザキ ケイ
BL
やや無口で平凡な男子高校生の律紀は、ひょんなことから学校一の有名人、天道 至先輩と知り合う。
助けてもらったお礼を言って、それで終わりのはずだったのに。
なぜか先輩は律紀にしつこく絡んできて、連れ回されて、平凡な日常がどんどん侵食されていく。
果たして律紀は逃げ切ることができるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる