悲報 スライムに転生するつもりがゴブリンに転生しました

ぽこぺん

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第105話 招かざる客12

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シンシアお嬢様の抗議が修練場に響きわたる

「ぶっひゃひゃひゃ、体力がない側の護身術のお手本っスね~、コスタリアの常在戦場は心構えだけじゃないってことっス。ここの女性を口説くのは命がけっス」

ライアンの奴が一人だけ腹を抱えて笑っている
お前のタマタマも蹴り上げてやろうか
名誉のために言いますがコスタリアの女性が全員金的を狙うとは限りませんからね

「さってと、体も温まったしそろそろ時間だから持ち場に戻らなければ」
「俺も今日は訓練よりも武具の点検整備をする予定だったのを思い出したわ」

修練場にいた兵士の皆さんもそれぞれの用事があったらしく足早に出ていった
何故かみんな頑張ったわたしの試合のことは見なかったことにしているな

「ふ~む、騎士の果たし合いとなれば少々流儀に反することもありますが、今回は野試合、それも従魔同士の力の見せあいですからの。騎士道なぞ関係なく最後まで立っていたものが勝利というのも間違いはないでしょうぞ」

「ちょ、ちょっと、爺や!それじゃ私たちマウントヒル家の敗北を認めるってこと」

「ほっほっほ、お嬢様、今回はたまたまお嬢様とアイラ様がそれぞれ従魔を従えていて何かの拍子に従魔同士がじゃれ合って遊んだだけのこと。お家同士の名誉には少しもキズがつくことはありませんのじゃ、そうですな?コスタリアの」

「そうですね、お嬢様同士が名誉をかけて臨んだ勝負ではありませんからね。連れてきた従魔がお互いの力量を計って吠え合うのはよくあることですし。それにシンシア様、勝負の結果としては引き分けですよ」

カタリナさんが執事さんの意図を汲み取りこれ以上騒動を大きくしないようにシンシア様を説得しているようだ

「えっ、でも知力で負けて武力で負けて、礼節では勝ちましたけど2敗してしまったから全体勝負は負けになってしまうのですわ」

「そこがすでに間違っています、武力、知力でコスタリア家の勝ちでしたが、礼節ともう一つ貴族で一番重要かもしれないで勝たれているではありませんか。つまり4番勝負で2勝2敗として引き分けなのです」

「ゴブッゴブー!」(審議!!審議だゴブー!)

なんだとー、このわたしが美しさでケット・シーに負けているだと
断固として抗議だゴブ
このドレスを優雅に着こなす貴族ゴブリンに対して失礼ゴブ!

「ちょっとミセッティ、話がようやくまとまりそうだから黙ってて」

アイラお嬢様が慌ててわたしの口をふさいで抱っこする

「確かに・・・美しさは私のケット・シーとそちらのゴブリンでは比べるまでもありませんね、ゴブリンにしては身ぎれいなのは認めますが」

「そうでしょう、つまりはそれぞれの役割を担っているのです。国外からの侵略に耐えるよう知力、武力を振り絞り国防を物理的に担う役割、そして他国から蔑まれることの無いよう気品と美しさをもって国力を誇示する役割。どちらも重要で片方が欠けては国が成り立ちません。今回はまさに国の在り方の縮図なのですよ」

「確かにそうだわ、わたしたち貴族はそれぞれの役目を持って国民の期待に応えるのが使命なのですわ」

「ゴブゴブ!」(こらー、きれいに納得し始めたけどこっちは納得しないゴブ)

「しーっ、まぁまぁ異論はありますが後で報酬に金貨でもあげますから静かに」

「今回は私のわがままで皆さまに無駄な時間を取らせてしまったことを反省いたしますわ、申し訳ありません」

へぇ、公爵家なのに自分の非を認めて素直に謝るなんてなかなか人格者じゃないか

「特にそちらのゴブリンさんには最初からこちらが1勝していて不利のなか勝負を挑んでしまって申し訳なかったですわ」

「ゴブッ」(おいっ!こっちはまだ外見で負けているとは認めていないぞ)

前言撤回。こいつ無意識に失礼な発言をしてくるとんでもない奴だゴブ

「あはは・・・ミセッティはよくよく見ると可愛いですわよ、まぁ猫ちゃんに比べるとしょうがないですわ」

アイラお嬢様もゴブリンより猫派ですか・・・(女子なら普通です)

「そもそもこちらを訪問したのもお父様がコスタリア家に直々にお礼を述べたいとのことですから私はオマケなのですわ」

「そのように聞いておりますわ、大公様がわざわざご自身で来られるとは多少驚きました、こちらの屋敷にはご訪問されるのですか?」

「それが分からないのよ~、お父様は街に到着するなり軽装に着替えて2人だけのお供を連れてすぐにどこかに出かけられましたし、お母様も女性の騎士とメイド長だけ連れてお父様とは別の場所で重要な視察があると上機嫌で行ってしまいました」

これは両名エルフキャバクラとエルフホストクラブにお出かけですね
ドノバンからVIPが来たから今夜は貸し切りだとか連絡が入っているのはこれだな
しっかりとお金を落として帰ってもらおう
知らないのは純粋無垢なお嬢様たちだけゴブ・・・

「私はてっきりルーデンハルト様のご婚約のお話でお伺いされたのかと・・・この度は王家との婚約、まことにおめでとうございます」

「ぐふっ、ありがとうございますと申し上げますわ。本来なら私が殿下と婚約を結んでもおかしくなかったのですわ~、はぁ~、お姉様は研究に夢中で恋愛は全く興味がないって言い張っていてお父様も私に期待してるっておっしゃっていましたのに」

「は、はぁ、そうだったんですね」

「お母様も応援してくれていましたのに、はぁ~、お姉様がうらやましいですわ」

「うふふ、お嬢様も殿下を遠目に見て気になっていましたものね~」

マリーが復活してきた、恋愛トーク好きですな~

「ちょっと、マリー余計なことは言わなくていいです。あれが初対面だったのですから気になるもなにもないですわ」

「きゃっ、アイラさんもルーデンハルト様の魅力の虜になられていたのですね!分かりますわ、最近とくに体つきがしっかりなされて優しさとたくましさと気品を全て備えておられるまさに真の王族ですわ~」

「ダカラ、スキトカデハナカッタデスカラ」

「ああっ!でも愛しのルーデンハルト様は婚約されてお姉様と幸せな家庭を・・・悲劇、悲劇ですわ~アイラさん、私たち同じ悲劇の体験者としてもっと仲良くなれそうです!」

「アア、ソウデスネ・・・」

ふ~、一時期どうなることかと思ったがお嬢様たちが共通の話題で仲良くなれたようで良かったゴブ
まわりのメイドさんや執事長たちもほっと一安心したか優しい表情になっている

わたしとケット・シーの闘いは必要無かったのではないかと思うゴブ
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