悲報 スライムに転生するつもりがゴブリンに転生しました

ぽこぺん

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第113話 招かれる客2

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「んにゃあ、先輩、よろしくなのにゃ~」

ケット・シーもといパミルになったネコがとことこ後ろを付いてくる
ゴブフフフ、そんなに余裕をかましているのも2,3日だけだぞ
コスタリア家は辺境を守る武家の貴族、役に立たないお荷物と分かれば切り捨てるのは公爵家よりも早いのだ
せいぜい寄生していい思いが出来ると今のうちに夢を見ておくんだゴブ

「まずは服を着替えて体を拭きましょうか、せっかくのもふもふが汚れています~」

ふ~ん、マリーの奴、実家でネコを飼っていただけあって手慣れているな
ここはマリーに任せて小綺麗にしてもらおう、わたしは仕事が忙しいのだ

「メイド見習いの服なんて着せたらかわいいんじゃない?」
「エプロンとカチューシャだけでもすごく似合いそう!」
「んにゃぁ~、服はともかく靴は苦手なんだにゃ~」

なんだかメイドたちが集まってきゃいきゃい楽しそうだな
わたしの時だって最初は盛り上がったんだぞ、悔しくないゴブ

「あ~、やっぱり素材がいいと飾りがいがありますよね~どっかのゴブゴブ言っている魔物と違って~ぷぷぷ」

ぐぬぬ・・・聞こえているぞマリーの奴め、わたしだってゴブリンのなかではかなり人間に近い美形だってのに!・・・ふっ、心は大人だからな、気にしないゴブ
気を取り直して仕事にいくゴブ
社会人は雑事を気にせず与えられた仕事を全うして評価されるんだゴブ
そのうちどちらがしっかりと職務を果たしているか皆も分かってくるはず

「うにゃ~ここのお料理は本当においしいにゃぁ~!公爵家の時は余りものをもらっていて満足していたけど、ここの料理を食べたらもう戻れないにゃ~」

「ふふふ、そうでしょう、そうでしょう!私たちは家の格こそ違えど辺境で採れる様々な食材に貴重な薬草も使って王都でもひけをとらない料理を作れるのよ~」

食事を褒められて奥方様はご機嫌になっている

「パミルちゃんすごく素直に感想を言うので好感がもてますね~」

またマリーの奴がこっちをニタニタ見ながらわざとらしく褒めている
イラッ、なんだと~わたしもいつもおいしく料理をいただいているぞ

次に向かったのは兵舎の方だった
パミルの奴が奥方様と話をして決めたことを隊長に伝えるとかで連れてきたのだ

「んにゃ~、夜の屋敷の警備は任せるにゃ~このぐらいの広さなら音と気配で探知できるにゃ~夜番の人は逆に紛らわしいので夜回りせずに待機所で仮眠でもとっててほしいにゃ~異状があれば鐘を鳴らすから大丈夫にゃ!」

「なるほど・・・確かに我々のように目に頼るだけの警備より夜間の警戒が優れているのは間違いないな、それではその提案に甘えることにしよう、毎晩のことになるが問題は無いのか?」

「んにゃ!私たちは元々夜行性にゃ、昼間は夜に備えて休むので安心するにゃ!」

「ほぇ~それはすごいです~どこかでお金を数えながらヘソを出して爆睡している魔物と大違いです~」

イライラッ、こっちはもう昼間の仕事で疲れているんだ、それにまだ幼生体やぞ

そうしてパミルが来て2,3日が経った
ぐうたら寄生虫なのがバレてすぐに追い出されると思っていたが・・・
じつのところ屋敷内での評判はすこぶるいい
特に夜間警備に人員を割いていた兵士たちはものすごく感謝している
昼間も寝てるだけなのにメイドさんたちが仕事の合間に撫でにきているし

「ふぁ~モフモフは癒されます~最初からお嬢様にはお願いしていたんです~」

イライライラッ、わたしも頭には毛が生えているぞ!少しパサついているが

そしてパミルの奴は夜間警備といいながら適当にうろついて狩りをしているらしく屋敷内や小屋裏で捕まえたヘビやコウモリを並べて自慢気に披露している
ばかめ、朝っぱらからそんな気持ち悪いモノをメイドたちに見せて嫌われてしまえ

「すごいです~こいつらの退治はメイドの仕事なんですよ~これで小屋裏にもぐったり高いところに上がったりしなくて済みます~助かります~」

「んにゃ!夜回りのついでにゃ!森での狩りに比べたらたいしたことないにゃ!」

メイドさんたちが集まって次々と感謝を言っている、飴玉をあげている奴もいるぞ

「こんなに可愛いくてモフモフで役に立つなんてすごいです~どこかの(以下省略」

マリーがまたこちらをチラ見して煽ってくる
イライライライラッ、飴までもらって!こっちはお茶会を毎日しているがな!

「これは奥様にも報告しましょう、きっと喜ばれてお茶会にも呼んでもらえますよ」

ぐぬぬ、余計なことを・・・ケーキなんかもったいない、干した小魚で充分だゴブ

「ゴブ」(チュー太、チュー太~聞こえるか~)

「ちゅ?」

わたしはチュー太(の眷属)にこっそり話しかけた

「ゴブ」(最近屋敷をあのネコが走り回ってうっとしいゴブ?)

「ちゅ~?」

「ゴブ」(ネコはネズミの天敵だゴブ、狩られる前に痛い目を見せて追い出すゴブ)

くくく、この街でホーリーラットクィーンを敵にまわしたら生きていけないゴブよ
わたしとテトとチュー太の絆の前にしっぽを巻いて森へと逃げ帰るがいいゴブ

「ちゅ?、ちゅ~ちゅ!」

んん?なんだと?パミル様とはすでに話し合いが終わって一緒に警戒する仲になっているだと!巣を荒らすヘビとかを捕まえてくれるから感謝している・・・だとぅ!

ぐぬぬぬぬぅ!テト、チュー太、裏切ったな・・・お前たちだけは信じていたのに

「んにゃ、そんなにイライラしてたら禿げるにゃ、飴玉をあげるから機嫌直すにゃ」

ぐっ、誰のせいでイラついていると思っているんだ、飴はもらうけどな!
こいつ基本的にはいい奴ではあるんだよな・・・でも許せねぇゴブ

2日後

ふふふ、今日は待ちに待った女神の日の前日、つまり沐浴をして身を清める日だ
何故に楽しみにしていたか教えてあげよう
忘れている人も多いと思うがコスタリアの浴場は強力な聖水になっているのだ
つ・ま・り、魔物である私たちには触れるだけでヤケドする劇薬でもある
わたしは専用の花瓶にお湯を入れてもらって身を清めているがパミルのためにも同じように花瓶風呂を用意してもらった

「ゴブフフフ・・・」(くくく、地獄の苦しみを味わうがいいゴブ)

わたしは片方の花瓶風呂のお湯を[祝福]し聖水に変えていく
薄く虹色に変色した聖水をさらに[神界]にて変質させて輝きを抑える

「ゴブ」(これで誰が見ても聖水になっているとは気づかないゴブ)

全ての準備は整った・・・あとはパミルの奴をここにぶち込めば復讐完了だゴブ

「んにゃぁ~、お風呂には入りたくないにゃ~」

いやがるパミルを無理やり連れだして浴場に一番乗りした

「にゃ!何だか水がとてもきれいだにゃ!でも入るのはイヤな感じがするにゃ~」

ふん、カンは鋭いようだな、だがもう遅い
念のためと用意した花瓶風呂のほうではなく大浴場のほうに突っ込んでやるゴブ

「ゴブ!」

わたしは後ろから勢いよくパミルを大浴場に突き飛ばしてやった

「にゃ!にゃ~」

ドボーンと大きな音を出しながらパミルがお湯に沈んだ
くくく、聖水の浄化効果を全身で味わうがいいゴブ

「んにゃぁ、何だか体がぽかぽか暖かいにゃ、それに薄汚れていた毛並みも生まれた時のようにきれいに艶々してきたにゃ~」

な、なんだと~!浄化されてダメージが入るどころか回復して綺麗になっている

「ゴブ~!」(なんじゃそりゃ~聖水が平気なのか!)

「んにゃ!失礼にゃ~ケット・シーは魔物ではなく聖獣だと何度も言っているにゃ、狩猟神パミラ様の眷属なんだにゃぁ~」

「ゴブブブ」(じゃあなんであんなに嫌がっていたんだゴブ)

「にゃ、ネコは水が苦手なのは世界の常識にゃ、でもこのお風呂は気に入ったにゃ」

ぐぅ、なんてこった・・・聖水風呂で社会の厳しさを教えてやるつもりだったのに
ヤケドするどころか綺麗になって喜ばせてしまったゴブ

「あら~もう入っていたんですか~早いですね~もうすぐお嬢様も来られますよ~」

絶望に打ちひしがれているとマリーたちがやってきた、今日は誰もが浴場を使ってもいい清めの日だからな
もうパミルのことは放っておいておいてわたしもお風呂に入るゴブ

「ミセッティ様もそこにボーっと立ってないでさっさと入ってくださいよ~あら?今日は花瓶が2つありますね?パミル様と一緒なのが良かったんですか~」

マリーがわたしをひょいと持ち上げて花瓶風呂に入れようとする

「ゴ、ゴブ」(あっ、マズいゴブ、こっちの花瓶のお湯は聖水・・・)

言うが早いか偽装聖水の花瓶風呂に突っ込まれてしまった

「ゴブブブブ!ゴブァー!」

わたしは花瓶風呂を倒しながら慌てて飛び出してのたうちまわった
全身がヤケドして頭までピリピリするゴブ・・・

「え?なになに?どうしたの?ミセッティ!?」

わたしの悲鳴を聞いてお嬢様が浴場に入ってきたようだ

「あれ~?光っても無かったのにこの中のお湯も聖水になっていたんですね~」

「ちょっとミセッティ、聖水を浴びるとヤケドするのを忘れるなんてダメじゃない」

「ゴ、ゴブ・・・」(う~ん、聖水の浄化効果を全身で味わったゴブ・・・)

「もしかしてパミル様を聖水に入れていじわるしようとか思ったんじゃないですか」

「もう、ミセッティそんないじわるしてもしょうがないでしょ!子供なんだから」

「ゴブ、ゴブブ」(だって、だって・・・みんなパミルばっかり優しくするから)

「もう、新しく入ったら優しくするのは当たり前でしょう、ミセッティのこともみんなちゃんと感謝して大事に思っているからもうこんなことしたらダメですわよ」

「ゴブ~」(うわ~ん、もういじわるしないゴブ~)

わたしはこの1週間の自分の思いをおおいに反省し仲良くすることを誓ったゴブ

人を呪わば穴二つ
男の嫉妬は醜い
策士策に溺れる

わたしは全身のヤケドの痛みに耐えながら前世の教訓を思い出した・・・

「はいはい、一番はミセッティですからね」

「ゴブ~」(反省したゴブ~仲良くするゴブ~)

「めんどくさ・・・」

なんだか横でマリーがつぶやいているがよく聞こえないゴブ
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